ロシア極東カムチャツカ半島東方沖で30日午前、マグニチュード8.8の巨大地震が発生し、太平洋全域で広域津波が発生した。サハリン州のセベロクリリスク町(Severo-Kurilsk)が直撃を受け、第一波の津波が港湾部の道路を襲い、漁業施設を水没させた。海水が内陸部にまで流れ込む様子も目撃され、当局は直ちに非常事態を宣言。約2,400人の住民全員が高台へ避難した。現時点で大きな人的被害は報告されていない。
なぜ北クリルスク町が甚大な被害を受けたのか?
タス通信によると、サハリン州のヴァレリー・リマレンコ知事はTelegramで「第一波の津波が北セベロクリリスク沿岸を襲った。住民は現在も高台で避難を続けており、後続の津波があるかどうか確認を待っている」と述べた。震央に近く地形が低平なこの地域では、津波が短時間で到達し港湾部が冠水、停泊中の船舶の一部も流出したという。
被害の詳細
ロシア緊急事態省は、第一波の津波による大規模な破壊はなかったとしつつも、「アライド」(Alaid)漁業会社の港湾施設が水没したと発表。感電や火災を防ぐため、市内の電力を緊急停止し、ディーゼル発電で最低限の電力供給を確保している。
主な被害地域は以下の通り:
- 幌筵島(パラムシル島):漁業施設と港湾部の道路が深刻な冠水
- 占守島(シュムシュ島):クルバトフ岬のキャンプ場が津波で流失、事前に避難していた30人にけが人なし
この地震の特徴
ロシア科学アカデミー地球物理学研究部門は、今回の巨大地震がカムチャツカ地域で1952年以来最も強い海溝型地震であると発表。今後数週間はマグニチュード7.5規模の余震が発生する可能性があると警告している。
ロイター通信によると、地元当局のセルゲイ・レベデフ氏は「一部地域で3〜4メートルの津波が観測された」と述べ、住民に対し「絶対に海岸線に近づかないように」と改めて呼びかけた。
編集:梅木奈実 (関連記事: M8.8巨大地震、津波がロシア沿岸を直撃 史上最強地震と津波被害を振り返る | 関連記事をもっと読む )
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp