舞台裏》高雄での民進党陣営初選の変化!「三分天下」が定局 彼女は最強勢力の支援を得た

2025-07-30 15:20
民進党高雄市長初選の戦いが白熱化する中、邱議瑩(右二)、許智傑(右一)、賴瑞隆(左一)が三分天下の様相を呈している。(資料照,陳昱凱撮影)
民進党高雄市長初選の戦いが白熱化する中、邱議瑩(右二)、許智傑(右一)、賴瑞隆(左一)が三分天下の様相を呈している。(資料照,陳昱凱撮影)

民進党の次期高雄市長選の党内予備選が激しさを増している。立法委員の林岱樺氏が補助金詐欺の疑いで起訴され、党の規則により資格停止の危機に直面する中、「退く意向」が浮上している。地元事情に詳しい関係者によれば、林岱樺氏と長年地盤を共有してきた許智傑氏が最も利益を得る可能性が高くなるという見方もある。新潮流派に属する許氏は党内で強い影響力を持ち、今回の選挙でも有力候補と目されている。初選で党内勢力が三分される状況も懸念されている。

民進党の規定では、林岱樺氏が起訴されても一審の有罪判決が確定するまでは選挙への出馬資格を失わないが、廉政委員会は林氏の説明を求めており、起訴を機に林氏を「資格停止」にする可能性も指摘されている。その結果、党の派閥間での駆け引きが激化する可能性がある。

林岱樺氏は今年2月の取り調べの際に「政治が司法に干渉している」と主張していた。党の処分が林氏の支援者の反発を招く恐れがあり、執政党としてのイメージに影響する可能性もある。

20250513-立委林岱樺13日在立法院院會發言。(柯承惠攝)
林岱樺(見図)が資格停止となれば、予備選参加は無理となり、決定権を持つ中評会主委も賴瑞隆に属する。(資料照,柯承惠攝)

旧高雄県の住民 期待膨らむ 「高雄県市長」選出への道

林岱樺氏が退くことで誰が最も恩恵を受けるのか、党政関係者によれば、旧高雄県と市の合併後、旧県地区から一度も市長が選出されていない歴史が背景にあるという。そのため、旧県地区の住民は「高雄県からの市長」を選びたいと考えている。この背景から、林岱樺氏の高い支持率には旧県地区の支持が大きく影響しているとみられている。

林氏が退いた場合、鳳山区での支持者が許智傑氏に「戻る」可能性が高い。過去に両者は鳳山を基盤に活動しており、許氏は林の父、林三郎氏とも親交がある。さらに、許智傑氏は旧高雄の政界での経験が豊富であり、基盤が確立されている。

「航空立委」許智傑倡議另填海造陸蓋造新國際機場,遷走小港機場,一解小港人夢魘,並開發原機場用地,翻轉當地發展,造福鄉親。(圖/徐炳文攝)
林岱樺氏が退いた場合、同じ旧県地区出身の許智傑氏が大きな恩恵を受けることになる。(資料照,徐炳文攝)

陳其邁氏の「交棒」受けた邱議瑩 湧言会の後ろ盾を得る

邱議瑩氏と陳其邁氏は、かつて前総統陳水扁氏の「正義連線」に共に身を置いており、一緒に政界への道を切り開いた。当初から強い絆があり、政治的支持も強い。湧言会のリーダーたちが彼女を支持すると表明しており、党内での地位が確固たるものとなっている。

立委邱議瑩初選競選辦公室今成立,湧言會總幹事趙天麟手捧「議邁相承」祝福語的鮮花,以神秘嘉賓現身力挺。(圖/徐炳文攝)
湧言会総幹事趙天麟(左)から「議邁相承」の花を邱議瑩氏(右)に贈られ、支持の意思が示された。(資料照,徐炳文攝)

高雄で構築された「演唱会経済」 賴瑞隆が6千億元予算を引き寄せる

高雄はかつて工業の錆びた都市であり、中央政府の「北重南軽」政策により忘れ去られた都市だった。頼瑞隆は10年余り前に新聞局長と海洋局長を歴任し、高雄に最大の変化をもたらした。それは現在のコンサート経済と港湾アニメIP巨大化展示観光の基礎を築いたことである。陳其邁市長がこれを発展させ、高雄を世界の舞台に押し上げ、国際級の公演拠点へと変貌させた。

頼瑞隆は2008年の新聞局長在任中、五月天の世運主会場でのコンサートを推進した。2013年の五月天年越し2日間公演では捷運(地下鉄)単日47万人の記録を創り、高雄のコンサート経済の基盤を築いた。2014年の高雄ラバーダックは400万人超の見学者を集め、10億元超の観光効果を創出し、全世界に高雄を知らしめ、高雄の都市マーケティングの重要事例となった。頼瑞隆の調整・執行・推進の功績は計り知れない。頼瑞隆の9年間の立法委員在任中、高雄のために6千億元の予算を獲得し、立法院全体で最も地方のために「金を奪ってくる」立法委員だった。

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