大規模なリコールの第一波の投開票結果が26日に発表され、24名の国民党に所属する立法委員と新竹市長の高虹安氏の罷免案はすべて否決された。これに対し、民進党陣営内では異論が多く、賴清德総統の今後の施政は一層難しくなる可能性が高いと伝えられている。この状況について、精神科医の沈政男氏はFacebookに投稿し、大規模リコールの失敗は賴清德総統がすでに「跛脚」状態に陥ったことを意味し、今後の施政の満足度は低下していくと指摘。その結果、2026年の民進党の期待も薄れ、民進党陣営内では「2028年は賴清德でなくてもいいのではないか」と疑問の声が上がっているという。沈氏は、民進党内で新たな戦略を担う人物として別の選択肢が浮上し、その対決相手として国民党の盧秀燕氏との戦いが注目されると予想している。
大規模リコールの失敗について沈氏は、民進党陣営内で「諦めずに823の第二部のリコールを続けよう」という声もあるが、これは現実的ではないと考えている。今後の政治情勢は、賴清德総統が早期に足踏み状態となり、それに伴って施政満足度が低下していく展開が予想される。そして、民進党陣営内では2026年や2028年に向けて状況が好転することを期待している声もあるが、沈氏はそれはあり得ないと断言している。賴清德総統は蔡英文前総統のように柔軟に調整できる人物ではなく、大規模リコールの失敗後の発言からも、彼が無理に続けていく姿勢を見せていることから、結果として施政の支持率が下がり続けることになるだろうと予想している。
沈政男氏は、民進党は2026年に期待できないと述べ、国民党・民衆党が大勝する場合、民進党陣営内では「2028年、必ず賴清德に任せるべきなのか?」という疑問が生まれ、他に適任の人物がいるのではないかという議論が起こるだろうと指摘している。もし2026年の選挙でも民進党が敗北すれば、賴清德氏が2028年の民進党大統領候補になるとは限らず、その後任として陳其邁氏が登場する可能性が高いと予測している。
沈政男氏はそのため、陳其邁氏は2028年に向けて準備を始めるべきであると考えており、陳其邁氏は医師出身で政治経験も豊富であり、また高い人気を誇る人物である。賴清德氏が2028年の選挙で勝てないと明らかになれば、陳其邁氏が自然にその役割を担うことになるだろうと予測している。実際、もし今日の大規模リコールの失敗に対応していたのが陳其邁氏であったなら、賴清德氏のように柔軟性に欠けることはなく、状況に応じて迅速に対応していただろうと述べている。陳其邁氏が韓国瑜氏に敗北した後、ネットの世界にすぐに受け入れられたことからも、彼の柔軟性が見て取れる。陳其邁氏と盧秀燕氏の対決は非常に注目に値するだろう。
また、沈政男氏は大規模リコールの失敗について、民眾党の支持者が大きく貢献したとし、党首の黄国昌氏の地位が上昇したことを指摘している。これにより、黄国昌氏が2026年に出馬するかどうかが話題となる。沈政男氏は、黄国昌氏の動向は柯文哲氏の裁判の進展次第で決まると予測している。もし柯文哲氏が2028年に出馬する機会があれば、黄国昌氏は2026年に出馬することになるだろう。しかし、もし柯文哲氏が裁判に巻き込まれて出馬できなくなれば、黄国昌氏は柯文哲氏の代理人として盧秀燕氏と組むことになるだろうと述べている。黄国昌氏自身もその認識を持っていると考えられる。
編集:柄澤南 (関連記事: 【解説まとめ】台湾で史上初の大規模リコール「25対0」で全敗 なぜここまで失敗したのか? | 関連記事をもっと読む )
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