独占》朱立倫が党首退任決意 リコール反対運動後の焦点は盧秀燕へ

2025-07-27 11:20
大規模リコール投票の幕が閉じる中、国民党主席の朱立倫氏も党首再選問題に対し決断を下した。(写真/柯承惠撮影)
大規模リコール投票の幕が閉じる中、国民党主席の朱立倫氏も党首再選問題に対し決断を下した。(写真/柯承惠撮影)
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24人の国民党立法委員を対象としたリコール投票の結果が、きょう26日夕方に明らかになった。関係者によると、リコール投票を経て党内の権力構図が変わるのは避けられない情勢で、国民党主席の朱立倫氏は10月の任期満了をもって職を退き、次期党主席選には出馬しない決意を固めたという。

国民党内部の事情に詳しい関係者によれば、リコール投票の10日前、党全体が罷免阻止の動きに向けて総動員をかけていた時期に、朱氏は核心幕僚との会議で「結果にかかわらず次期党主席選には出ない」と明言し、選挙の円滑な実施と党権のスムーズな引き継ぎを約束していたという。

この決定について、会議に出席したある人物は「驚きはないし理解できる。党にとっても朱氏本人にとっても良い判断だ」と話した。朱氏はリコール投票の結果が出そろった後、きょう国民党本部で自ら記者会見を開き、正式に表明する予定だ。

20250719-「反惡罷,戦独裁!不同意罷免」北部黄昏週間集会。(陳品佑撮影)
国民党はリコール投票前に総力を挙げて支持拡大を図ったが、朱立倫氏は党内に対し「結果がどうであれ次期党首選には出馬しない」と表明していた。(資料写真、陳品佑撮影)

解任投票を巡る動き 朱立倫氏の再選へのプレッシャーを軽減

ある国民党の幹部は、朱立倫氏がリコール投票当日の夕方に去就を外向きに説明することは、絶好のタイミングだと指摘した。現職の党主席として、リコール阻止の成否には避けられない責任を負っており、もしリコール投票の結果、国民党の立法委員が6議席以上失職すれば、民進党側の大規模リコールが「大成功」となり、朱氏は全面的な責任を取って即座に党首を辞任せざるを得ない。一方、国民党の失った議席が5議席未満、さらには3議席以下やゼロにとどまれば、青陣営(国民党系勢力)のリコール阻止は「勝利」と言える状況となり、その場合は党内の祝賀ムードの中で、朱氏には当面態度を示さない余地もあると見ている。

この幹部はさらに、党内の「反朱派」の見方として、たとえ3、4議席を失ったにすぎず、結果としては当初の想定を上回るリコール阻止であっても、国民党の立法委員数が減ることで第一党の座を失う恐れがある以上、朱氏は責任を免れず、その理由をもって職にとどまるべきではないと語った。唯一、リコール結果が「1議席も失わない」場合を除き、朱氏がリコール投票の夜に次期党主席選への立候補の有無を明確にしなければ、反朱派は黙っておらず、国民党内部にはすぐさま新たな混乱が生じかねないとしている。 (関連記事: 台湾リコール「25対0」で民進党大敗 中国研究者「頼清徳氏は決して諦めない、対中関係に光明は見えず」 関連記事をもっと読む

20250705-国民党主席朱立倫(左四)、台北市長蒋萬安(左五)、新北市長侯友宜(右四)が参加した「反惡罷,戦独裁!7/26に出向いて投票し、「同意しない」」活動。(顏麟宇撮影)
国民党はたった1席や2席でも失った場合、国会第一党の地位に影響する可能性があり、朱立倫氏(左から四番目)は責任を負わなければならない。(資料写真、顏麟宇撮影)

割に合わない役回り 朱立倫氏、国民党主席の続投を固く断念

朱立倫氏に近い人物によると、この1年間、朱氏は党内からの疑問や批判にさらされ、その多くは理不尽なものだったという。朱氏自身も深く感じるところがあったが、大局を考えてひたすら耐えるしかなかった。ようやく大規模リコールが一段落した今、朱氏は「党主席としての段階的な役割は果たした」と考えており、国民党を団結させ新たな空気を生むためにも、今後の立法委員補選、2026年の地方首長選、そして2028年の総統・立法委員選は新たな党主席に託すべきだと判断したという。そのため、リコール投票の結果がどうであれ、朱氏は続投を求めない決意を固めており、たとえリコール阻止に成功しても留任を考えていない。むしろ、党がひとまず危機を乗り越えた後に身を引くことで、自身も未練なく退任でき、新たな主席が士気高揚を背景に国民党を新局面へ導く方がよいと考えている。

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