特集》王鴻薇氏試練を乗り越え 頼清徳氏が意外な後押し 今回、リコールリストに含まれている国民党団書記長の王鴻薇氏は、党内で「最も運命に試される国民党議員」と冗談めかして呼ばれている。(資料写真、劉偉宏撮影)
台湾政界を揺るがした大規模なリコールは、7月26日に第一段階の投票が行われた。意外にも「激戦区」となったのは台北市で、とりわけ注目を集めたのは市内第3選挙区(中山区・北松山区)選出の王鴻薇氏だった。この選挙区は台北市長の蔣萬安氏がかつて地盤としていた場所で、王氏は2023年に急遽この区へ転じて立候補し当選を果たしたものの、「地盤を深く築けていない」との批判がつきまとっていた。最終的に王氏はリコールを乗り切ったものの、2023年補選、2024年の立法委員選挙、そして2025年のリコールと、3年間で3度もの厳しい選挙戦を経験したため、党内では「最も苦労続きの国民党立法委員」と揶揄されている。
今回、なぜ王氏がこれほど危険な立場に立たされたのか。党内では「陸戦(テレビやネット、SNSなどを通じて世論を動かす広報・宣伝戦)」と「空戦(地元組織や後援会を使い、現場で票を固めていく地上戦)」の二つの側面から分析する声が多い。空戦面では、王氏は今年、国民党団の書記長を務め、総召集人の傅崐萁氏と連携してきた。しかし、立法院長の韓国瑜氏が5月末に立法院で農産物のPR演説をした際、「最近は人前に出るのが恥ずかしいようだ」と冗談交じりに語ったように、かつてメディアで強気な発言を連発していた傅氏もリコールの重圧により地元・花蓮へ頻繁に戻らざるを得なくなった。その結果、総召集人が不在の間の発言や説明の役割は、当然のように書記長である王氏に集中することになった。
傅崐萁氏と行動を共にし 王鴻薇氏は青鳥の矢面に 王鴻薇氏は元記者で、その後は新党から台北市議に立候補した。2013年からは国民党を代表して台北市議を務め、これまでに5回連続当選を果たしている。国民党の文伝会副主任委員を務めた経歴もある。一般的に、国民党との選挙戦で資源の乏しい新党は「空中戦」を中心とした戦略を取ることが多く、地方組織を基盤とする国民党の政治家に比べ、新党出身者は弁が立つ傾向が強い。メディア出身の王氏はその代表格で、立法院での記者からの質問や応答でもたじろぐことはない。ただ、新党の政治的な立場が影響し、今回の「憎しみ動員」による大規模リコールでは発言が青鳥(立法院の前で抗議や監視を行う、市民運動系のグループ)の怒りをさらにあおり、攻撃の的となる場面が増えた。それでも多くの立法院スタッフは王氏に同情し、「実際は傅崐萁氏に巻き込まれたのではないか」と擁護の声を上げている。
(関連記事:
台湾リコール「25対0」で民進党大敗 中国研究者「頼清徳氏は決して諦めない、対中関係に光明は見えず」
|
関連記事をもっと読む
)
大規模リコールを前に、国民党団の総召集人・傅崐萁氏(写真)は頻繁に花蓮へ戻って対応に追われ、その結果、発言の重責は党団書記長の王鴻薇氏にのしかかった。だが、それがかえって彼女への反感を高めることにもつながった。 (資料写真、劉偉宏撮影)
王鴻薇氏、区をまたぐ選挙活動で不利 前党部主任委員の収監で組織動員に大打撃 本来「陸戦」は国民党の得意分野であり、青陣営(国民党を中心とした保守・親中寄りの勢力)にとって組織的な動員は今もなお最も効果的に地盤票を掘り起こす手段のひとつとされている。しかし前述のとおり、王鴻薇氏はこれまで深く地盤を築いてきた松山・信義の議員選挙区から、中山・北松山へと移った。選挙区は隣接しているものの、松山・信義は青陣営の強い地域であるのに対し、第3選挙区の中山区は緑(与党・民進党やその支持勢力)寄り、北松山は青寄りだが人口が少なく、王氏がこれまで重点的に活動してこなかったため、もともと不利な状況にあった。
国民党内では「王氏が勝つためには北松山の深い青票を引き出すことが鍵だ」との声があるものの、複数の議員秘書は「北松山が深い青とは言い過ぎだ」と指摘する。支持層の高齢化で国民党支持者は減少し続け、地域内には健康国宅、婦聯新村、民生コミュニティなどがあるが、高騰する住宅価格により移住してきた層は中間層や富裕層が多く、いわゆる中間的な有権者が増えている。北松山を「深い青の地盤」と言い切るのは、この選挙区の変化を十分に見ていない評価だという。
国民党台北市党部の主任委員・黄呂錦茹氏(中央)が収監され、台北市における青陣営の組織動員力に大きな打撃を与えた。(資料写真、顏麟宇撮影)
蔣萬安氏が地盤死守へ全力 賴清德氏は「団結十講」で反リコール後押し では、最終的に王鴻薇氏はなぜリコールを乗り越えられたのか。
《風傳媒》が把握したところによると、国民党本部や台北市政府の情報では、王氏や徐巧芯氏らの情勢は一時「黒(不利)」だったが後に「赤(有利)」へと転じ、最終的に差を広げたという。その理由は「緑陣営の支持者が投票を控えた」からではなく、「青白陣営の支持者が大量に投票へ向かった」からだと分析されている。主な理由は三つある。第一に、青陣営の支持者は当初「反リコールには投票しなければならない」という認識が薄かったが、国民党が積極的に呼びかけたことで投票率が大きく伸びたこと。第二に、賴清德総統の「団結十講」での「雑質を取り除く」発言が刺激となり、反リコール票を投じようとする青陣営支持者が増えたこと。第三に、前台北市副市長・彭振聲氏の妻が自死した悲劇が「小草」と呼ばれる中間層の投票意欲を刺激したことだ。
終盤の熱戦期に入ると、国民党の大物たちはこぞって王氏の選区を支援した。蔣萬安台北市長は自ら街頭に立ち、かつて自らの選挙区でもあった「本命区」で王氏を全面支援。これまでの穏やかな姿勢を一変させ、緑陣営に強く反論する場面も増えたことで、青陣営の票を固め、台北市の青陣営支持者を鼓舞した。さらに、中廣の前董事長・趙少康氏も東アフリカへの旅行を取りやめ、約40万元の旅費を放棄してまで現場支援に回り、その姿勢が戦況にプラスとなった。
こうした動きの結果、王氏をはじめとする「危険」と目されていた国民党の立法委員は、青陣営全体の総力戦によって救われた。そして皮肉にも、多くの国民党関係者が「今回もっとも感謝すべきは賴清德氏だ」と口をそろえる。数字が示すとおり、「団結十講」が結果的に国民党支持者をより強く結束させたからである。
台北市長の蔣萬安氏(右)は、王鴻薇氏(左)とともに自らの「本命区」へ積極的に入り、支援に回った。(資料写真、陳品佑撮影)
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
三重県が東京で観光PRイベント開催 相川七瀬さんが伊勢神宮の魅力を語る 三重県は7月18日、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で、県の観光資源を広く紹介する大規模なPRイベントを開催した。会場には報道関係者やインフルエンサーらが集まり、伊勢神宮の式年遷宮や伊勢参りの歴史、庭園ツーリズム、食文化など、多彩な魅力が披露された。7月18日、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で、三重県の観光PRイベントが開催された。(写......
松阪牛も伊勢茶も忍者体験も!東京で「三重の魅力」大集合 三重県の観光資源を首都圏に向けて発信するイベント「みえ旅レセプション2025」が18日、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で開催された。会場にはメディア関係者や旅行会社の担当者が集まり、県内各地の観光スポットや食文化、体験型コンテンツが一斉に紹介された。三重の魅力が東京に集結 みえ旅レセプション2025三重県知事の一見勝之氏は冒頭のあいさつで「三重県......
台湾新幹線ホームに現れた謎の目盛り?その正体と乗客への影響を専門家が解説 台湾高速鉄道(高鉄)は、台北から高雄までわずか1時間40分で結ぶ高速交通手段として多くの人に利用されている。通勤や旅行の時間を大幅に短縮できる便利さから、日常的な移動手段として定着している。しかし最近、Threadsに投稿されたある写真が話題を呼んだ。ユーザーが「高鉄のホームに謎の目盛りがある」と紹介したのだ。初めて目にした人は「何のため?」と首をかしげたが......
大規模リコールはなぜ失敗したのか 民進党の多正面作戦を医師が分析し浮かぶ10の敗因 国民党所属の立法委員を対象としたリコールの第1次投票がきょう(26日)行われ、午後4時に投票が締め切られた。午後5時時点で、全台湾で「リコールに不同意」の票がほぼ優勢となっている。これについて、医師の蘇一峰氏はFacebookへの投稿で「10の敗因」を総括し、民進党が戦線を広げすぎたことや「リコールのためのリコール」で正当性を欠き、人々の反感を買ったと指摘し......
独占》朱立倫が党首退任決意 リコール反対運動後の焦点は盧秀燕へ 24人の国民党立法委員を対象としたリコール投票の結果が、きょう26日夕方に明らかになった。関係者によると、リコール投票を経て党内の権力構図が変わるのは避けられない情勢で、国民党主席の朱立倫氏は10月の任期満了をもって職を退き、次期党主席選には出馬しない決意を固めたという。
国民党内部の事情に詳しい関係者によれば、リコール投票の10日前、党全体が罷免阻止の動き......
2025桃園駅グルメおすすめ》小吃激戦区で食べ歩き!通が選ぶ名店15軒 台湾・桃園駅周辺の商業エリアは、清朝の康熙年間までその起源をさかのぼることができる。漢民族がこの地に移り住んだ際、近隣の原住民との交易を目的として人々が集まり、自然と集落が形成された。その後、清朝末期に桃園駅が開業すると、発展の中心は徐々に南側へと移動し、旧市街と新たに敷設された鉄道の中間に「新街」と呼ばれる新たな市場エリアが生まれた。現在の桃園駅周辺は、駅......
WHGホテルズが全国28ホテルで「印度カリー子と味わう!辛麗なるカレー祭り」開催へ 藤田観光株式会社が展開するWHGホテルズ(ワシントンホテル・ホテルグレイスリー)28施設にて、2025年7月15日から9月30日まで、朝食フェア「Spice Up Your Morning ~印度カリー子と味わう!辛麗(かれい)なるカレー祭り~」が開催される。全国のホテルごとに開発されたオリジナル朝カレーを通じて、夏の朝をスパイスの香りで彩る。— 朝からスパ......
台湾リコール否決、賴清德総統「これは勝ち負けではない」民主の力を強調 台湾で26日に行われた国会議員への大規模なリコール投票(7・26リコール投票)について、同日夜、賴清德(らい・せいてい)総統は自身のフェイスブックを通じてコメントを発表した。「今日、台湾の人々は再び憲法で保障された権利を行使し、自らの意思を示した。結果については、すべての人が尊重し受け入れるべきだ」と述べた。今回のリコールは、反リコールを含む市民団体と与党・......
特集》台湾・花蓮市の「地元の王」傅崐萁氏 反対勢力まとまらずリコールを回避 台湾政界を揺るがした大規模リコール、その第1段階が7月26日に幕を下ろした。民進党陣営とリコール賛成派が標的にした花蓮の立法委員、国民党の傅崐萁氏は、最終的にリコールを免れた。この結果に国民党陣営内部では「予想通り」との声が多い。傅氏は長年にわたる地元での実績と強固な支持基盤を持ち、さらにリコール賛成派や民進党陣営が推進した「反傅陣営」が結束できなかったこと......
特集》台湾・台中市長 盧秀燕氏が支えた若手3人 リコールの荒波を乗り越え大統領選への布石に 7月26日に行われた大規模リコール投票の結果、国民党所属の立法委員である羅廷瑋氏、廖偉翔氏、黄健豪氏は、台中市長・盧秀燕の直弟子として知られる3人で、全員がリコールの危機を乗り越え議席を守り抜いた。3人の「盧ママの子どもたち」は、選挙戦初期には「支持者からもリコール賛成の声が多い」というプレッシャーにさらされていたが、国民党の組織的な動員、国民党と民衆党の協......
特集》葉元之氏、まさかのリコール回避 「全党で一人を救う」も、なお漂う暗雲 台湾・新北市板橋区の縣民大道と台65線沿いでは、東西でまったく異なる空気が広がっている。第7選挙区に含まれる61里では、最近のリコール投票をめぐって一段と熱気を帯びた。注目の的となった国民党の立法委員・葉元之氏は、約3年で3度目となる投票を経て、ついにリコールを回避。政界の予想を覆す結果となった。2024年1月、葉氏は立法委員選挙をかろうじて制したが、その後......
フジロック2025初日、落日飛車×HYUKOHが共演 アジアをつなぐ音楽の熱狂 フジロックフェスティバル2025が25日、新潟・苗場スキー場で開幕した。初日は早朝から国内外の観客が続々と集まり、ステージが始まる頃には会場全体が期待と熱気に包まれていた。国籍や言語の異なる来場者が音楽を通じて自然に交流する光景は、まさにフジロックならではだ。《風傳媒》の記者として現地を訪れた筆者も、会場の高揚感と熱狂を肌で感じた。USからFred agai......
インタビュー》東京・大久保に「媽祖廟」誕生秘話 詹徳薫氏が語る信念と構想 東京媽祖廟の理事長を務める詹徳薫氏が《風傳媒》のインタビューに応じ、廟の構想から建設、運営に至るまでの経緯を詳しく語った。建廟を決めた動機は宗教的な野心ではなく、長年日本で暮らしてきた台湾人コミュニティの願いを叶えるためだったという。特に日本に渡り、ママやホステスとして働いてきた女性たちが年齢を重ねるにつれ、心の拠り所を求めている現状を見て、その思いに応えた......
2025年台中駅グルメおすすめ》老舗激戦区の16軒 庶民派小吃と小点心が6元から 台湾・台中市中区に位置する台中駅は、日本統治時代の鉄道建設をきっかけに周辺の商業が栄えた。だが、中区の混雑を緩和するため、政府は西屯や南屯、いわゆる七期エリアの開発を進めた。市街地の高騰する地価で人口が郊外へ流れたうえ、1990年代に中区で発生した大火災は多くの死傷者を出し、怪談やうわさが広まったことで地価が急落し、多くの店舗が閉じて「空き街」と化した。それ......
大阪アジアン映画祭2025、オープニング作品に『万博追跡』(2Kレストア版)を世界初上映へ 第21回大阪アジアン映画祭(OAFF)は、2025年8月29日(金)に開幕し、オープニング作品として台湾映画『万博追跡』(1970年公開/2Kレストア版)を世界初上映することと発表した。本作は、1970年の大阪万博を舞台に、台湾から来た少女が恩人を探し奔走する姿を描いたヒューマンドラマで、当時圧倒的な人気を誇ったジュディ・オング(翁倩玉)が主演を務める。台湾......
大阪アジアン映画祭 オープニング作品にジュディ・オング主演『万博追跡』決定 2025年8月29日(金)から9月7日(日)にかけて開催される「第21回大阪アジアン映画祭」(Osaka Asian Film Festival EXPO 2025 – OAFF 2026)のオープニング作品に、ジュディ・オング主演の台湾映画『万博追跡』(2Kレストア版)が決定した。同作は1970年の大阪万博を舞台に描かれたミュージカル&アクションエンタテイ......
大谷翔平×鬼滅の刃!MLB公式コラボTシャツ、7月25日から受注開始 大人気アニメ『鬼滅の刃』とメジャーリーグベースボール(MLB)のスペシャルコラボTシャツが、7月25日(金)よりMLB公式オンラインショップにて受注販売される。今回の企画は、7月18日に日本全国で公開された劇場版『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』の上映に合わせて展開されるもので、北米(アメリカ・カナダ)では9月からの公開が予定されている。コラボTシャ......
フジロック2025前夜祭が開幕!盆踊り・花火・深夜ライブに歓声沸く フジロックフェスティバル2025の本編開幕を翌日に控えた7月24日夜、恒例の前夜祭が新潟・苗場スキー場で開催された。盆踊りや豪華賞品が当たる抽選会、打ち上げ花火、さらに深夜のRED MARQUEEステージでのライブなど、多彩なプログラムが繰り広げられた。会場には国内外から多くの来場者が詰めかけ、初対面同士が自然と交流を深める光景も。前夜祭ながらも本編に匹敵す......
独占》台湾の関税は20%未満に? 開放の裏に潜む代償 米国のドナルド・トランプ大統領は、米国の貿易問題を改善するために4月に最初の関税率を発表し、その内容は世界を驚かせた。その後、数カ月にわたる交渉を経て、7月から各国の関税率を順次公表している。台湾についても最終交渉が続いており、外部の見方では最終的な関税率が初回発表の32%を超えることはないと見られている。最新の情報では、台湾の関税率は韓国や中国など近隣諸国......
台湾最大の脅威は武力侵攻か?垂秀夫元大使「エネルギー問題は軍事危機より深刻」 一年に一度行われる「漢光41号演習」が、過去最多となる10日間の日程で先週終了した。副総統の蕭美琴氏は18日の外国メディアとの記者会見で、中国本土の侵略的な姿勢が台湾に脅威を与えていると述べた。しかし、台湾・中国本土・香港に精通する元日本の高官は、台湾にとって最大の脅威が本当に中国の武力行使なのかについて、別の見方を示している。2021年に退任した安倍晋三元......
舞台裏》米台が宇宙港協力を協議中 「台北~ヒューストン2時間半」の未来構想とは? 2025年7月14日、米国在台湾協会(AIT)はSNSで「F4が五月天のコンサートで再集結し、名曲『流星雨』を歌うと観客が一斉に歌声を合わせた」と投稿し、大きな話題を呼んだ。注目すべきは、その投稿でAITが「米台の宇宙科学技術分野での協力は、流れ星のように輝き続け、着実に深まっている」と表現したことだ。その一週間後、AITは「宇宙港協力」をめぐる交渉が進行中......
夏珍コラム:24時間後 私たちはまだ「台湾人」と呼べるのか 台湾は神秘的な島であり、幻想のような国家である。ある朝目を覚ましたとき、もう自分は台湾人ではなくなっているかもしれない──そんな事態を誰が想像しただろう。かつてなら「そんなはずはない、中国大陸に長期滞在し居住証を取得した学者だけが『台湾人資格を失う』」と言い切れた。しかし今、民進党総召集人の柯建銘氏は断じる。「リコールに行かなければ、あなたは台湾人ではない」......
台米関税交渉》米専門家が警告:注目すべきは税率より台湾経済の「3つの時限爆弾」 米トランプ政権はアジア諸国に対して新たな高関税を課す方針を進めているが、台湾への具体的な適用内容はまだ決まっていない。最終決定が8月1日までに下されるかも不透明なままだ。しかし複数の専門家は、税率の高低よりも、台湾経済が抱える長年の構造的リスクに目を向けるべきだと警鐘を鳴らす。指摘されているのは、過大な経常収支黒字、新台湾ドルの長期的な低水準為替政策、そして......
「TSMCの米国投資は“タダ同然”」 台湾・郭正亮氏が頼政権の対米交渉を痛烈批判 台湾の前立法委員である郭正亮(かく・せいりょう)氏は、自身が出演するネット番組『亮話天下』において、台湾の対米関税交渉に関する政府の対応を強く批判した。郭氏によれば、アメリカが日本との貿易協議により関税を15%に引き下げると発表したのに対し、台湾は同様の成果を得られておらず、頼清徳(らい・せいとく)政権は交渉の主導権を失っているという。郭氏は「頼政権は、TS......
評論:米国は台湾の「大リコール」をどう見るのか──沈黙するワシントンの真意 台湾の「大規模リコール」の第1波投票が26日に行われる。世論調査はすでに公表が終了しているが、各界からの賛否の声が一気に噴き出し、うねりとなって広がっている。アメリカが戦後、台湾の政治に深く関与してきたことは、もはや公然の事実と言っていい。でなければ、台湾の総統選のたびに、各候補がアメリカに「面接」に赴く必要もないはずだ。最近終了した漢光41号演習では、「英......
フン・セン上院議長、「中国逃亡」報道を否定 カンボジア・タイ国境衝突で反撃指揮を主張 カンボジアの元強権首相で現在上院議長を務めるフン・セン氏は、両国国境での衝突が激化した直後、密かに航空機で海外に逃亡し中国へ向かったとタイメディアが報じたことについて、その後メディアを通じて反駁した。タイメディアが偽ニュースを作り上げていると反発し、自分は絶対に国を離れておらず、ビデオ会議を通じて軍幹部と会議を行い、今後の軍事行動やタイへの反撃について協議し......
天気予報》台風7・8号が接近 藤原効果で台湾、週末にかけ大雨・強風のおそれ 台湾で週末にかけて天候が急変する見込みだ。気象専門家の呉徳栄氏(中央大学大気科学系兼任副教授)は、軽度の台風7号(フランシスコ)と台風8号(コメイ)が「藤原効果」によって互いに反時計回りに接近しているとし、25日から27日にかけて、台湾全土がこれらの台風およびモンスーン循環の影響を受けると警告した。特に中部以北では雨が強まり、南部でも局地的なにわか雨や雷雨の......
蔡英文元総統、「リコールは民主の力」 7月26日に市民として投票参加表明 台湾の蔡英文前総統は7月23日、自身のFacebookに投稿し、現在各地で展開されている議員リコール運動について「これは市民による民主主義の実践」と肯定的に評価した。この運動に関わるすべての市民団体に感謝の意を示し、「台湾の民主主義は決してスローガンではなく、日々の生活の中で体現されている」と強調した。蔡氏は「家庭でも、仕事でも、街頭でも、民主主義のために奔......
ロシアAn-24旅客機が墜落 子ども含む49人全員死亡か 老朽機の安全性に懸念の声 ロシア極東アムール州で7月24日、重大な航空事故が発生した。アンガラ航空が運航するAn-24型旅客機が目的地ティンダ(Tynda)に接近する際、地上との通信が途絶え、その後、同機はティンダから約16キロ離れた山岳地帯に墜落しているのが確認された。ロシア非常事態省によると、Mi-8ヘリコプターが捜索中に機体を発見した時点で、現場では火災が発生しており、救助隊が......
Z世代に「死んだ魚の目」無表情で見返された?話題の「Z世代凝視」とは一体なに? あなたも若者から「死んだ魚の目」で見つめられ、心の中で何か愚かな質問をしたのか、相手を怒らせたのかと思ったことはないだろうか。NBCニュースが19日に報じたところによると、「ジェネレーションZ凝視(Gen Z stare)」と呼ばれるこの空虚な表情が、最近TikTokで世代間戦争を引き起こし、教室や職場からソーシャルメディアまで議論が広がっている。これを無礼......
ファーウェイ天才少年が台湾子会社を買収!「63%の株式が買い取られ」株価が640%急騰 中国のヒューマノイドロボット産業で新たな投資ブームが巻き起こる中、ファーウェイ元「天才少年」の稚暉君が共同創設した智元機器人が、科創板上場企業である上緯新材の6割超の株式を取得すると発表した。この発表が資本市場に熱狂をもたらし、上緯新材の株価は7月9日から11営業日連続でストップ高を記録し、640%超の急騰を見せた。
上緯新材がA株の強力なダークホースに
......
タイ・カンボジア国境で住宅地にロケット弾直撃 民間人に多数の死傷者、SNSで悲痛な映像拡散 タイとカンボジアの国境地帯で24日、再び武力衝突が激化し、戦火は民間地域にまで拡大した。複数の死傷者が出ており、現地では人道的被害への懸念が高まっている。Facebookページ「Army Military Force – สำรอง」によると、24日正午ごろ、カンボジア軍がBM-21多連装ロケット砲を用いて、タイ東北部スリン県の住宅地に複数発射。これにより、......
「百年の寺院」巡る紛争激化 タイとカンボジアが交戦、8万人が避難 タイとカンボジアの国境地帯で24日、両国軍による激しい武力衝突が発生した。タイ空軍はF-16戦闘機を投入してカンボジア軍の拠点を空爆。これにより、タイ人2人が死亡、複数の負傷者が出ており、現地の病院では患者の緊急避難が行われた。国境沿いの村々からはおよそ8万人の住民が退避している。今回の衝突は、20世紀初頭のフランス統治時代から続く古代寺院「タ・モアン・トム......
トランプ氏、関税を25%から15%に引き下げ 日本車株が急伸、米メーカーは猛反発 トランプ米大統領は22日、日本との新たな貿易協定を発表し、日本車の対米輸入関税を現行の25%から15%に引き下げると表明した。ロイター通信よれば、この発表を受けて東京株式市場は急反応し、自動車株が軒並み高騰。トヨタ株は前日比14%高、ホンダも12%近く急伸し、いずれも約1年ぶりの高値を記録した。一方で、米国内では「本土産業と労働者を犠牲にする取引だ」として、......
核施設攻撃後、イランで愛国意識が高まる NYタイムズ報道:禁じられた歌と神話で民族主義を強化 米・イスラエル連合軍による核施設への攻撃で甚大な被害を受けた後、イラン社会には沈滞した空気が漂っている。外敵からの圧力が強まる中、イランの神権体制はこの危機を「民族団結」の機会に転じようと動き出した。民間で親しまれてきた文化資源を総動員し、愛国歌や伝統神話を宗教儀式や公共の場に取り込み、国民感情を再結集させようとしている。7月、テヘランで取材した『ニューヨー......