台湾で週末にかけて天候が急変する見込みだ。気象専門家の呉徳栄氏(中央大学大気科学系兼任副教授)は、軽度の台風7号(フランシスコ)と台風8号(コメイ)が「藤原効果」によって互いに反時計回りに接近しているとし、25日から27日にかけて、台湾全土がこれらの台風およびモンスーン循環の影響を受けると警告した。特に中部以北では雨が強まり、南部でも局地的なにわか雨や雷雨の可能性があるという。
2つの台風が「共舞」 台風7号(フランシスコ) と台風8号(コメイ)の進路
中央気象署によれば、台風7号(フランシスコ)と台風8号(コメイ)が23日に相次いで発生したのに続き、グアム北西の海域にあった熱帯低気圧が第9号台風「クローサ」へと発達したことが、24日午後に発表された。
呉氏は、財団法人気象応用推進基金会のコラム「洩天機教室」で、「最新の進路予測図では、台風7号は琉球西方の海域に位置し、構造は緩いまま北方へ進んでいる」と解説。一方、台風8号は東北方向に進みつつあり、ルソン島を通過後に次第に弱まると予測されている。
両台風はモンスーン循環の影響下にあり、藤原効果の影響で互いに反時計回りに接近しているが、いずれも熱帯低気圧に弱まる可能性があるという。
第9号台風クローサは北上傾向、台湾への影響は限定的
第9号台風クローサは現在、グアム北方の海域で勢力を強めつつあるが、欧州中期予報センター(ECMWF)の最新モデルでは北方へ進路を取るとされ、「共舞」に加わることはなく、台湾への影響はほとんどないとされている。
今後の天気と気温の見通し
呉氏によれば、今日から27日にかけては台風7号と台風8号の外縁部とモンスーン循環の影響で、中部以北では強い雨や突風が発生する見込み。南部も局地的ににわか雨や雷雨の可能性がある。
気温については、25日の予想最高・最低気温は北部で24〜29度、中部で24〜33度、南部で25〜35度、東部で22〜34度となっている。
さらに呉氏は、「28日から31日もモンスーン循環の影響が続き、大気の不安定な状態が続く。中南部を中心に局地的な雷雨や激しい突風、瞬間的な強い雨(ゲリラ豪雨)などの『極端気象』が発生するおそれがあるため、災害への警戒が必要だ」と注意を促した。東部の風下地域では影響は比較的少なく、短時間のにわか雨を除けば蒸し暑い天気が続く見通しだ。 (関連記事: 蔡英文元総統、「リコールは民主の力」 7月26日に市民として投票参加表明 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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