トランプ氏「フィリピンも再び偉大に」 対比19%関税を発表 マルコス政権の対中接近容認

2025-07-23 15:39
2025年7月22日、ホワイトハウスでフィリピンのマルコス大統領の訪問を迎えるトランプ米大統領。(AP通信)
2025年7月22日、ホワイトハウスでフィリピンのマルコス大統領の訪問を迎えるトランプ米大統領。(AP通信)
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アメリカのトランプ大統領とフィリピンのマルコス大統領は、米東部時間7月22日にホワイトハウスで重要な貿易協定に合意した。トランプ大統領はその後、ソーシャルメディアを通じ、フィリピン商品に対して脅威として掲げていた20%の懲罰的関税を1パーセントポイント引き下げ19%とする一方、交換条件として米国からフィリピンへの全輸出商品は「ゼロ関税」待遇を享受すると発表。この協定はフィリピンの輸出圧力を一時的に緩和するだけでなく、米比軍事協力のさらなる深化を予告するものである。

トランプ大統領はソーシャルメディアへの投稿で「フィリピンは米国に市場を開放している。ゼロ関税だ!」と記した。また、両国が「軍事面で共同協力する」と表明。この一見「不平等」な貿易取り決めは、マルコス大統領の米中二大強国間での均衡外交に対する外部の高い関心も集めている。

貿易赤字21.8%拡大、トランプ大統領が二国間貿易額に驚き

トランプ大統領とマルコス大統領は22日に大統領執務室で会談し、トランプ大統領は会談時に記者団に対し、米比二国間の貿易統計データに「驚いた」と述べた。「(貿易額は)非常に巨大で、我々が行っていることや提案していることの下で、それらはさらに大きくなるだろう」と語った。

2025年7月22日、米国のトランプ大統領がホワイトハウス大統領執務室でフィリピンのマルコス大統領を迎える。(AP通信)
2025年7月22日、米国のトランプ大統領がホワイトハウス大統領執務室でフィリピンのマルコス大統領を迎える。(AP通信)

米国通商代表部(USTR)のデータによると、2024年の米国とフィリピンの商品貿易総額は推定235億ドルに達した。このうち、米国はフィリピンに93億ドルの商品を輸出したが、フィリピンからは142億ドルもの商品を輸入し、米国の対比貿易赤字は49億ドルに達し、前年(2023年)から21.8%大幅に増加した。フィリピンから米国への主要輸出品には電子機器、自動車部品、ココナッツオイルなどの食品が含まれる。明らかに、貿易赤字の縮小はトランプ政権の今回の交渉における中核目標の一つである。

マルコス大統領は2022年にフィリピン大統領に当選し、その父親は元大統領マルコス氏である。マルコス大統領は就任後、前任のドゥテルテ大統領の「親中離米」路線を改め、伝統的な同盟国である米国との関係修復・強化を積極的に進めており、特に国防・安全保障分野においてそうである。しかし、トランプ大統領が2024年にホワイトハウスに復帰した後、その象徴的な「アメリカファースト」貿易保護主義政策は、フィリピンなど東南アジア諸国にも新たな課題をもたらしている。 (関連記事: 「TSMCの1000億ドルは前菜?」 トランプ氏「5500億ドル対日合意」に台湾経済専門家が懸念 関連記事をもっと読む

トランプ大統領との会談で、マルコス大統領は米比関係が100年以上前にさかのぼると強調し、「これは持ち得る最も重要な関係に発展した」と述べた。米国がマニラにとって唯一の条約同盟国であることを再確認し、トランプ大統領が第1期目に二国間関係を「鉄壁のごとし」と表現したことを回想した。しかし、22日のホワイトハウス会談で、トランプ大統領はこの重要な言葉を再び使用することはなかった。

「フィリピンを再び偉大に」トランプ大統領の比中関係への表明が意味深

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