日本の与党連立政権である自民党と公明党は20日の参院選挙で歴史的な大敗を喫し、従来の過半数議席が大幅に縮減され、石破茂首相の政権基盤が揺らいだ。複数の日本の学者は、長期にわたって自公連立を軸とした政治構造が崩壊の危機に瀕しており、永田町は前例のない「連立政治」時代を迎える可能性があり、日本政治も「漂流期」に入り、さらには「政権交代のない自壊」に向かう可能性があると指摘している。
有権者はなぜ自民党を見放したのか
「今回の参政党の躍進は、自民党に教訓を与えたいと考えた有権者が、第一野党の立憲民主党を飛び越えて、直接参政党に票を投じた結果である」。日本の政治学者で中央大学教授の中北浩爾氏は朝日新聞のインタビューで、有権者の怒りを「単なる批判ではなく、燎原の火のような怒り」と表現し、これが直接自民党の崩壊を招いたと述べた。
この怒りの根源は、2023年に発覚した自民党の「政治とカネ」問題(自民党派閥の政治献金スキャンダル)にあり、自民党の政治的信頼を大きく損なった。その後の政治改革は遅々として進まず、今なお国民の信頼を回復できずにいる。多くの国民は、いわゆる改革は見せかけに過ぎないと考え、政治家が「勝手に決める」政治のあり方に対して不満を募らせてきた。
石破茂氏は選挙前に「必達目標」を掲げたが、選挙結果は明らかに目標を達成できなかった。中北浩爾氏は、石破氏は「トランプ関税への対応を理由に権力に固執する誘惑を断ち切り、直ちに辞任を表明すべきだ」と断言し、さもなければ「勇気と真心で真実を語る」という選挙スローガンが大いなる皮肉となると述べた。
立憲民主党の苦境:「飛び越えられた」第一野党
しかし、与党の惨敗は第一野党である立憲民主党の勝利には直結しなかった。選挙区では一定の成果を上げたものの、これは主に参政党が自民党の票を分割したことによる「漁夫の利」であった。政党の実力を測る比例代表議席では、立憲民主党はほとんど成長していない。
「政権批判の票が立憲民主党に流れなかったのは、極めて深刻な危機である」と中北浩爾氏は指摘した。同氏は、立憲民主党が選挙戦で政権を担う決意と気概を示せなかったと考えている。例えば、党代表の野田佳彦氏が「安保法制のどの部分が違憲か」と問われた際、「政権を取った後に検証する」とのみ答えたが、このような曖昧な態度は責任感に欠けると映った。
慶應義塾大学教授の津田正太郎氏も朝日新聞のコラムで、野田佳彦氏が選挙前最終日に立憲民主党の決起集会に駆けつけた際の現場の雰囲気を「好意的に言っても全く活気がなかった」と述べ、参政党などの新興勢力の熱気とは雲泥の差があったと指摘した。同氏は、立憲民主党が政策と広報宣伝で大胆な革新を行わなければ、今後は現状維持が精一杯となる恐れがあると考えている。 (関連記事: 石破政権が崖っぷち 高市早苗氏が総裁選出馬表明、ポスト石破へ動き加速 | 関連記事をもっと読む )
日本政治の新たな構図:「準連立政治」時代の到来か
自公連立が国会過半数の優位性を失った後、日本政治はどこへ向かうのか。東京大学の政治学者である牧原出教授は朝日新聞に対し、日本は既に「準連立政権」の時代に入った可能性があるという斬新な見解を示した。