論評:なぜ柯文哲は民主国家の囚人となったのか?

2025-07-19 09:49
元台北市長の柯文哲は京華城事件で既に11カ月近く拘留されている。(陳佩琪のフェイスブックより)
元台北市長の柯文哲は京華城事件で既に11カ月近く拘留されている。(陳佩琪のフェイスブックより)
目次

「天がこの人に大任を下す時、必ずその心志を試み...」という言葉の通り、現在のコミットメントを続け、さらに追加で投入する準備を整えている柯文哲の胸に繰り返し浮かぶ独白は、「天が自分に大任を下す時」だろう。汪精衛が「从容做楚囚」と絶命詩を残した時には、「引刀成一快」で公開処刑されるリスクがあったが、柯文哲が成すのは賴としての囚であり、見せられるのは司法の形骸化だ。そして、排隊して刃向かう執行人は、権力に屈し、平凡に上意を汲む司法官たちだ(検査と審査を含む)。

重要なのは、司法官が汲む「上意」がどれほど「上」なのかという点である。柯文哲が十か月半も収監され、「民主時代の冤案を象徴する存在」となった今、検審は「上意の犠牲者」となるのだろうか。

鄭文燦事件との比較、保釈金から収監期間まで異常

「政治干預司法」を認める者はいない。特に政治権力者はなおさらだ。しかし、政治干預は至る所に存在し、検審自身が「想像」したり、大きな事件を得た際の功を狩ろうとする心構えの中に、柯文哲の拘留が近十一ヶ月続き(さらに二ヶ月続く可能性がある)ことは、司法の反面教材となり、民進党の「司法改革」が羊頭狗肉を売るような詐欺であることの裏付けとなる。彼の事件は、民主台湾の司法が威權時代に逆戻りしていることの象徴である。

威権時代の「冤案」は政治案件にほかならず、政治案件がなくとも腐敗利得が政敵粛清の道具となる民主時代は考えにくい。京華城の賄賂利得事件は、未だに金流が見つからず、政治献金が検方の無限延長請求の理由とされている。何故なら、政治献金の一つ一つを検察が証人としてリストアップすれば、法廷はすんなりと応じる。証人が呼ばれれば訴因延長の「正当な理由」となるのだ。検察官が嫌疑人の共謀逃亡の恐れがあると判断した時、必ず訴因が認められる。

正常か?決してそうでない。詐欺やマネーロンダリング常習犯であることが多額の保釈金の保証となる。元桃園市長の鄭文燦の例では、47日間の拘留後、台湾ドル2,800万元の保釈金で釈放された。鄭文燦の華亜科開発事件では、500万元の現金が官邸内に明白に流入(鄭文燦は「見捨てられた」捨て駒扱いと主張)し、住居の暗押保管庫に近700万元の現金が見つかった―此は華亜科と関係がある証拠が無い。柯文哲の京華城事件においては金流が見つからず、唯一、金流が出るのは應曉薇の基金会と、民眾党への寄付金210万元のことだ。保釈金が7000万元に一度上昇、鄭文燦の保釈金の2.5倍となった。起訴後も拘留が続く中、父の喪葬の時のみ半日許可され、電子手庇願望をも発しても却下され、現在まで十か月半の拘留を続け、鄭文燦との比較は、党証の有無で大いなる差異があることを示している。 (関連記事: 揭仲コラム:台湾軍の「漢光41号」演習を徹底分析 関連記事をもっと読む

フェイスブック「司法を迫害」、まさに前例のない事態

皮肉なことに、審問が続き、検方が証人を召喚することによって、京華城事件の弱点がますます明らかになっている。7月15日に行われた台北地裁の延押審では、検察の理由を見てみると、「柯が個人名義で運営するフェイスブックには、ほぼ毎日投稿があり、証人にプレッシャーを与え、意見を形にして批判メディアを攻撃する、その影響力は司法の判断に影響を及ぼす」「これは史上例のない司法に対する手段である」とされている。検察によれば、証拠品のUSBの中の「小沈/1500」は柯自身の記録で、金額は真実であるとされたが、「柯文哲はこれに対して何の説明もしておらず、210万元の政治献金も叙述された事案に重なっている」と主張された。

最新ニュース
「さよなら丸の内TOEI」──東映最後の直営館が閉館へ。銀座の記憶を未来へつなぐ壮大なメモリアルプロジェクト始動
桃園メトログリーンラインが現実に!高架区間のテストが順調、2026年北区間・開業に向け前進
『赤い柿 デジタル・リマスター版』上映、東京大学で開催
呉典蓉のコラム:頼清徳、本心から「さらなる民主」を求めず
日本製薬企業の中国駐在役員、3.5年の判決:彼は本当にスパイか、それとも言えぬ事情があるのか?
台湾最大のオンライン旅行サイト「ezTravel(易遊網)」が創立25周年記念キャンペーンを開催
世界初の「ガンプラ」コラボルーム登場 WHG HOTELS×BANDAI SPIRITS
トランプ氏が対中姿勢を軟化 フェンタニルからチップまで揺らぐ戦略 台湾・頼総統の訪米が新たな変数に
揭仲コラム:台湾軍の「漢光41号」演習を徹底分析
トランプ氏「脚の腫れ+手のあざ」の真相 高齢者に多い病気とホワイトハウスが説明
台湾師範大学女子サッカー部の採血騒動》1日に3回も採血と金銭没収…専門家が語る実態に教育部長が震怒
Z世代は中国に好印象?世代間で評価に大きな差 中国の国際イメージが回復傾向
台湾、7月26日に史上初の大規模リコール 「大統領選並み」の厳戒態勢、選挙言論にも規制強化
Suicaのペンギン夏グッズが可愛すぎる!限定アイテム8種がグランスタモールに登場
ゴジラ、ついに台湾「上陸」!ホテルグレイスリー台北にリアルすぎる鳴き声が響く没入体験が話題に
GINZA SIXにLA発・話題の折りたたみサングラス登場 ROAV GALAXYが期間限定ポップアップ
天気予報》台風6号(ウィパー)がバシー海峡通過へ 来週、北台湾に新たな台風直撃の恐れ
北欧発GPSウォッチ「SUUNTO Run」に新色登場!夏に映えるコーラルオレンジ&フロストグレー
SUUNTO、GPSウォッチが最大22%オフに! 夏限定セールで人気モデルがお買い得
「他国の選挙に口を出すな」 トランプ政権が新方針、米国は「民主の警察」をやめるのか
参院選2025、物価と外国人政策が争点 与党過半数割れなら「石破おろし」現実味も
トランプ氏、150カ国に一律関税通知へ、台湾にも波及の可能性 「手紙こそ協定」戦略に転換か
台湾、1.2万人の中国出身配偶者に「除籍証明」要求 未提出なら身分取消の可能性も
台湾TSMCなど20社に中国サイバー攻撃 半導体業界にスパイ活動か、ロイター報道
「五感で楽しむスパイスの世界」Creema HASHTAG GALLERYが6年ぶり復活 HMJ 2025で限定開催
大谷翔平選手、ドジャース移籍後「初本塁打」記念バット 世界限定1本の直筆サイン入りモデルを抽選販売
親子にも、健康志向の女性にも人気!牛乳の3倍カルシウム「キリ&スティック」がスナックタイムに革命
TAKANAWA GATEWAY CITY、「初めての夏」イベント開催!都心で学ぶ・遊ぶ・味わう体験が満載
クリームチーズ売上No.1の「キリ」、夏限定フレーバー&全国スイーツフェアで話題に
日本最大級の祭典「HandMade In Japan Fes’ 2025」開催 全国3,000名のクリエイターが7月に東京ビッグサイトへ集結
【FUJI ROCK FESTIVAL '25】3日通し券&土曜日1日券完売!25周年記念Tシャツや人気グッズも事前予約開始
台湾師範大学、女子サッカー部で「血液と単位交換」強要事件 研究名目の強制採血に批判殺到
トランプ氏、パウエルFRB議長の解任画策か 利下げと改修費で追及、従順な後任を模索
トランプ貿易戦争で米国財政は兆ドル級の増収『フィナンシャル・タイムズ』が分析:各国が対抗せず懐柔を選ぶ理由とは
天気予報》台湾周辺で台風6号(ウィパー)発生か 午後にも形成予測「海上警報の恐れ」 6日続く豪雨に厳重警戒
舞台裏》台湾師範大・女子選手に採血強要 告発から処分まで、8か月前の警鐘を教育部は無視
イスラエル軍がシリアを大規模空爆 土地奪取ではなくドゥルーズ族保護を主張
教皇レオ14世、台湾の台風4号被災者に祈りと支援指示 外交部が感謝表明
「7月5日大災難」予言外れた?香港LCCが「私が見た最低価格」日本行き航空券を発売
調査》日本の『防衛白書』は台湾に何を伝えているのか? 防衛省が台海戦略の要点を明らかに
調査》中国は何を計画しているのか?「台湾有事」に留まらない 日本『防衛白書』が示す異常な動き
トランプ、ゼレンスキー氏に「モスクワを攻撃できるか」と問う通話が流出 ホワイトハウスの対応に注目
フジロック、今年もAmazonで無料配信!完売チケット続出、熱気を自宅で体感 3日通し券&土曜券は完売
サニーサイドアップグループ、福利厚生「32の制度」を刷新 育児・介護・家族支援を強化
【SoftBank World 2025】孫正義氏が「AIエージェント10億体構想」発表 「進化を疑う企業は未来を制限する」
台湾関税はまだ発表されず 学者「税率よりTSMCリスト提出が深刻な問題に」
台風被害から10日 台南・嘉義の通信障害続く インフラ耐性と頼清徳総統発言に注目
防衛白書2025発表:台湾周辺の中国軍活動に強い懸念、平和維持を再確認
台湾・賴清徳総統、米国経由で中南米歴訪へ トランプ・習会談が日程に影響も?
NVIDIA・フアンCEO、H20禁輸を突破 米中狭間で台湾の立ち位置が浮き彫りに