中国の裁判所は、スパイ活動に関与したとして告発された日本籍の製薬会社社員に対して3.5年の実刑判決を下した。この件について、日本駐中国大使の金杉憲治氏が確認し、その男性が大手日本製薬会社アステラス製薬に勤務していると明らかにした。
中国の裁判所による有罪判決を受け、日本駐中国大使館は直ちに声明を発表し、北京当局に対してこの事件に関わる日本人および他の拘留者の早期解放を強く求めた。日本のメディアによる統計では、2014年に反スパイ法が施行されて以来、「スパイ活動に関与した疑い」で17人の日本人が中国で拘留されており、現在も5人が拘束されていることが報じられている。
【速報】中国でスパイ罪で起訴されたアステラス製薬日本人男性社員の判決公判が終了https://t.co/5RoZbmDECW
— ライブドアニュース (@livedoornews)July 16, 2025
公判は先ほど終了したが、現時点で判決内容は明らかにされていない。日本政府は男性の早期解放を中国側に繰り返し求めていて、有罪判決となれば日中関係に影響を与える可能性もある。pic.twitter.com/lE9BBdJbkz
《日経新聞》によると、このアステラス製薬の日本人社員は現在約60歳で、同社中国支社の高位幹部であり、20年以上中国に駐在した経験がある。また、中国日本商工会議所の重要な幹部も務めていたという。
この日本人男性は2023年3月に拘留され、その際には日本への帰国便と予定がすでに組まれていた。日本政府は外交ルートを通じて繰り返し北京に国民の解放を求めたが、努力は実らず、同年10月に逮捕、2024年8月に正式に起訴された。
中国は近年国家安全を理由に外国の組織や個人に対する監視を強化しており、2014年の《反間諜法》の制定と2015年の《国家安全法》施行以来、複数の外国人が拘留・起訴されている。しかし、多くの事件はこの日本人男性のようであり、関係者がどのような「レッドライン」に違反し、どの敏感な領域を侵したのかについて、外部から明確にはわからない。
アステラス製薬は、山之内製薬と藤沢薬品工業の合併により設立。東京に本社を置き、東京証券取引所に上場しており、従業員は1万6000人、台湾にも支社を構えている。
編集:佐野華美
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