『防衛白書』は日本の防衛省が毎年発表する安全保障報告で、日本周辺および世界における軍事情勢・防衛政策・自衛隊の動向を系統的にまとめたものだ。これは防衛政策の年間指針として国内の国民に政策の正当性を説明するだけでなく、国際社会に対して日本の軍事透明化の責任を示している。2025年の『防衛白書』は前年とどのように異なり、どのような内容が追加されたのか。防衛省は明確な分析を示した。
防衛省の関連資料によると、2025年版『防衛白書』は、中国が台湾への軍事行動や演習の内容を前年度より「さらに攻撃的かつ現実的」にしたと述べており、台湾への封鎖や侵攻作戦を具体的に模擬して「グレーゾーン」における行動戦略を強化、中国が武力統一を加速する意図を表す。防衛省の説明によると、2025年4月中国が台湾周辺で実施した軍事演習について、「事前通告による封鎖、阻止行動と抑留措置」など具体的な封鎖行動を強調しており、これは中国軍が「より実戦に近い」台湾封鎖の模擬を行っていることを示す。

準軍事行動により台湾を圧迫し、米軍のリズムを乱す
『防衛白書』は、こうした演習が台湾への全面的な侵攻計画の一環であり、「演習」を通じて実際の軍事行動を準備している可能性があると分析する。白書はまた、中国が海上勢力の運用を積極化させていると指摘。2024年5月の演習では、中国海警船が初めて台湾東部海域で活動しており、同年10月には中国海警船が台湾全島を囲むように航行する事態も発生し、その「グレーゾーン事態」における役割が急速に拡大している。日本防衛省は、中国が海警など「法執行機関」を主体として、正式な交戦状態を避けつつ台湾を封鎖し圧迫する行動を試み、米軍など第三国の軍事介入の正当性を回避しようとしていると分析。
2024年版と比較して、2025年版白書は「グレーゾーン」行動の面で、中国が直接的な軍事脅威に加え、準軍事的な手段で台湾に対する長期的圧迫を考慮していると初めて明確に指摘。これは海警を使った曖昧な実質的封鎖や、速やかに全面侵攻に移行して米軍の介入リズムを乱す準備であり、奇襲成功の確率を高めようという意図があると分析する。

防衛省が大白話を展開 中国軍の動きは「前例のない最大戦略的挑戦」と明言
軍事動態データでは、2024年に中国軍機が台湾周辺での活動が3000回を突破し、2023年の1700回と比べて大幅に増加。中国艦艇の活動も2023年の約1900隻から2024年には約2500隻に増加した。演習の頻度に関して、2022年以降、中国は2023年4月や8月、2024年5月や10月、2025年4月にも台湾周辺で軍事演習を継続しており、防衛省は図表形式で演習の項目と時間を整理し、その規模と頻度の体系化を強調する。 (関連記事: 米シンクタンク、在韓米軍の大幅削減を提言 1万人体制に縮小、危機対応は韓国任せに 日本・フィリピンが「新たな前線」に? | 関連記事をもっと読む )
防衛省の関連説明によれば、2025年版『防衛白書』は中国の軍事動向が日本および国際社会に「前例のない最大の戦略的挑戦」をもたらしていると明言した。報告書は、中国が透明性を欠いたまま、高い水準で防衛予算を増加させており、核兵器やミサイル、海軍および空軍の軍事能力を急速に向上させて範囲と速度が今までにない規模で強化されていると指摘。中国の習近平国家主席は中国共産党第20回全国代表大会で「国家安全」と軍事の近代化を強調しており、実際の軍事行動も急速に日本周辺に拡大している。
