独占インタビュー》中国人からの妨害にも屈せず――「反送中」第一人者・平野雨龍氏、日台注目の2025参院選に最年少で挑む

2025-07-15 19:20
「日本の反送中第一人者」と称される平野雨龍氏。新宿での街頭演説中に中国人から妨害を受け、日台両国で議論を呼んだ。現在は東京選挙区から無所属で立候補する最年少候補となっている。(写真/黃信維撮影)
「日本の反送中第一人者」と称される平野雨龍氏。新宿での街頭演説中に中国人から妨害を受け、日台両国で議論を呼んだ。現在は東京選挙区から無所属で立候補する最年少候補となっている。(写真/黃信維撮影)
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「日本の反送中第一人者」と呼ばれる社会運動家の平野雨龍氏が、東京都新宿で街頭演説中に中国人とみられる人物から妨害行為を受けたことが、日本と台湾の双方で議論を呼んでいる。演説中、平野氏は中指を立てられ、飲料をかけられ、ペットボトルを投げつけられたほか、マイクを奪われそうになるなどの被害に遭ったという。

こうした妨害にも屈せず活動を続ける平野氏は、現在、無所属で参議院選挙の東京選挙区に立候補しており、中国人移民に対する規制強化や、台湾・香港との関係深化を主要政策として掲げている。

「日本の反送中第一人者」と称される平野雨龍氏は、新宿での街頭演説中に中国人から妨害を受け日本と台湾で議論を呼び、現在は東京選挙区から無所属で立候補する最年少候補となっている。黃信維
「日本の反送中第一人者」とされる平野雨龍氏。新宿での街頭演説中に中国人から妨害を受け、日台で議論を呼んだ。現在は東京選挙区から無所属で参院選に立候補している最年少候補。(写真/黃信維撮影)

新宿での街頭活動妨害と波紋 2019年の香港支援が原点

香港民主化運動の支援やウイグル問題の啓発活動で知られる平野氏は、参院選終盤を迎える中、台湾メディア《風傳媒》の独占取材に応じた。2019年に初めて香港支援に関わった当時の思いや、日本社会の反応、街頭活動での経験、中国への姿勢、さらには今回の選挙で掲げる政策について率直に語った。

「日本の反送中第一人者」と呼ばれる平野雨龍氏は、新宿での街頭演説で中国人からの妨害を受け日本と台湾で話題となり、現在は東京選挙区から無所属で立候補し、中国人移民の規制強化を訴える最年少候補である。黃信維
「日本の反送中第一人者」と呼ばれる平野雨龍氏。新宿での街頭演説中に中国人から妨害を受け、日台双方で注目を集めた。現在は東京選挙区から無所属で立候補し、中国人移民の規制強化を訴える最年少候補である。(写真/黃信維撮影)

2019年の香港支援を振り返り、平野氏は次のように述べた。

「2019年は初めて香港の運動を支援しました。そのとき日本国内の反応はどう感じたかというと、多くの方が当時は香港デモに関心を寄せていたと思います。ただ、それは2019年だけという印象です。2020年以降は香港への関心がまったくなくなってしまいました。大きく変わったのです。コロナの影響もあり、法律の影響もあり、国安法の影響もありました。ただ、日本国内への影響はかなり大きかったと思います。」

「自分の国は自分で守る」 同世代の香港人に受けた衝撃

当時の心境について、平野氏はこう語った。

「私と同世代、20代、私はそのとき25歳でしたが、同世代の香港人が故郷を守るために命がけで戦っていました。その姿に強い感銘を受けました。そして同時に、自分の国は自分で守らなければならないという思いがそこから生まれました。」

中国政府の圧力が国際的に強まるなか、日本社会はどのように対応すべきかと問われた平野氏は、日本政府に対し明確な態度を求めた。

日本政府はウイグルジェノサイドを認定すべきだと思います。はい、今はまだ認定していません。ですが、日本政府はすぐにでもウイグルジェノサイドを認定すべきです。

ウイグル証言を漫画化し、無料配布 市民啓発の取り組み

ウイグル問題への取り組みについても触れ、平野氏は自身が続けてきた市民啓発活動について語った。 (関連記事: 台湾民意基金会世論調査》国民党議員の安定?過半数が「罷免反対」意向 游盈隆氏「前例ない緊張」 関連記事をもっと読む

「ウイグルに関しては、証言を漫画化し無料配布する活動を行っていました。ウイグルの証言者の話を漫画にしたものを小冊子にまとめて配布していました。台湾でも大きな話題になりました。クラウドファンディングで印刷代を集め、無料配布する活動を3年ほど続けています。今は選挙期間中なのでやっていませんが、ずっと続けていますし、これからも続けます。とても重要な活動だと思っています。」

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