米国が台湾と本格軍事連携へ RIMPAC招待「強く推奨」法案可決

2025-07-15 14:47
環太平洋軍事演習(RIMPAC)は米国が主導し、2年ごとに開催される世界最大規模の国際海上演習だ。米国海軍はこれを「独自の訓練の機会」と強調し、参加国間の協力強化や海上交通の安全確保に寄与するものであるとしている。  台湾が参加すれば、国際的な知名度向上や同盟国との協同作戦能力の強化に役立つだろう。(写真/2024年環太平洋軍事演習の資料写真、米国海軍公式サイトより)
環太平洋軍事演習(RIMPAC)は米国が主導し、2年ごとに開催される世界最大規模の国際海上演習だ。米国海軍はこれを「独自の訓練の機会」と強調し、参加国間の協力強化や海上交通の安全確保に寄与するものであるとしている。 台湾が参加すれば、国際的な知名度向上や同盟国との協同作戦能力の強化に役立つだろう。(写真/2024年環太平洋軍事演習の資料写真、米国海軍公式サイトより)
目次

アメリカ上院軍事委員会は最近、2026年度国防授権法案(NDAA)を承認し、台湾の環太平洋軍事演習(RIMPAC)参加について、これまでの「提案」から「強い推奨」に格上げする方針を明確にした。法案では、国防長官が台湾海軍を招待しない場合、議会に理由を通知するよう求めており、台湾との軍事協力をより積極的に進める姿勢を示している。

台湾関連で示された5つの具体的協力計画

今回の法案には、台湾との協力を強化するための具体的な内容が盛り込まれている:

  • RIMPACへの台湾参加を強く推奨し、招待しない場合は理由を議会に説明すること。
  • 国防部と台湾が共同でドローンや対ドローン能力を開発し、防衛技術を向上させること。
  • 台湾の重要デジタル基盤を評価し、強化案を提示することでサイバー防護を強化すること。
  • 台湾安全協力イニシアティブとして10億ドルを許可し、戦闘傷病救護や医療設備に活用すること。
  • 国防部、国務院、アメリカ在台協会が連携し、台湾関連組織の契約手続きを発展させること。

アメリカ国防授権法案の立法プロセスと意義とは?

プロセス段階内容説明
委員会審査上院軍事委員会が法案を承認し、台湾関連条項を含む
本会議採決法案を上院全体で採決し、通過後に下院版と協議
両院協議上院と下院が各自の版を調整し、合意に達する
大統領署名最終法案をホワイトハウスに送り、大統領が署名して施行
法案の意義毎年の軍費と政策権限を決定し、アメリカ軍と国防の優先事項を確保

RIMPAC参加の戦略的価値と今後の展望

RIMPACは米海軍主導で2年ごとに行われる世界最大級の国際海上演習であり、参加国は相互訓練を通じて協力体制を強化し、海上交通の安全を確保することを目的としている。台湾が参加できれば、国際的な認知度が高まり、同盟国との協調作戦能力も向上。地域安全保障でより積極的な役割を果たせると期待されている。

また、法案が推進する「台湾安全協力イニシアティブ」により、米台は今後、共同訓練や先端防衛技術での協力、デジタル・サイバー防護の強化、医療・戦時救護資源の拡大、産業チェーンの連携促進を進めていく見通しだ。

台湾条項が持つ意義

国防授権法案(NDAA)は毎年通過する米国の重要法案で、国防予算だけでなく対外軍事政策の方向性を示す指標でもある。今回、台湾関連条項が「提案」から「強い推奨」に引き上げられたことは、米議会が台湾の安全保障を重視している証左だ。台米の軍事協力はさらに強化され、国際的な安全ネットワークにおける台湾の位置づけも高まるとみられる。地域情勢の変化とともに、台米の連携は今後も拡大を続け、アジア太平洋地域の安定に深い影響を及ぼすだろう。

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​編集:田中佳奈

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