米ドナルド・トランプ大統領は、ブラジルに対して最大50%の輸入関税を課すと発表した。この措置は、コーヒーを愛する一般の米国市民にとって、好ましいニュースではない。米国は世界最大のコーヒー消費国であり、大量の輸入に依存しているからだ。米国農務省の輸出入データによれば、ブラジルは米国の生豆の最大の供給国であり、全米の3分の1強を占めている。
『彭博』の報道によれば、米政府が新関税を本格的に開始した場合、過去数年間でコーヒー価格が高騰した後で、再び米国の消費者にとって負担となる可能性があるという。過去数年では、干ばつと霜害による供給不足が特にブラジル産の豆に関する問題だったが、今回の潜在的な危機は自国政府の決定によるものだ。
Trump's 50% tariffs on Brazilian imports would hit ~$42B goods, including 75% of pig iron imports, 30% of juice imports, 20% of coffee imports, & 10% of aircraft imports—ridiculous to make this stuff more expensive, especially since so much of it *literally can't grow here*pic.twitter.com/XHduQZZVkF
— Joey Politano 🏳️🌈 (@JosephPolitano)July 10, 2025
対象となるブラジルへの50%関税は8月1日に発効し、それまでには1か月を切る状況で、ブラジル政府はホワイトハウスと交渉する余地がある。ブラジルの業者だけでなく、米国の食品・飲料業者も「特定の農産品に関する米国内での生産が不可能な物品」に対しては免除を願う声が上がっている。コーヒー豆がその一例だ。
コーヒー豆は暖かい熱帯気候で栽培される必要があるため、米国ではハワイとプエルトリコのみが栽培に適している。これらの地域で生産されるコーヒー豆は、米国内の197.5億ドル規模のコーヒー市場を満たすには不足しており、不足分を補うために輸入に頼らざるを得ない。ブラジルはスターバックスなど多くのチェーンにとって重要な供給地でもあり、材料費の高騰による経営圧力を生じる。

地理的に赤道近くに位置し、豊かな熱帯雨林を有するブラジルは、世界最大のコーヒー豆生産国であり、多様な品種を提供し続けてきた。アラビカやロブスタ(現地ではコニロンと呼ばれる)などの主要品種はもちろん、ブルボン、ティピカ、高品種のゲイシャなども生産され、輸出されている。
ブラジルが高関税の影響を受けると知った米国消費者ブランド協会の副会長トム・マドレキ氏は、「どの企業も効率化を図り、インフレ圧力を軽減しようとしている。しかし、米国内で生産が不可能な商品に50%の関税を課すことに、解決策はほぼない」と指摘した。唯一の対応策は、他国からのコーヒー豆輸入への切り替えであるが、結局コストがさらに高くなる可能性がある。
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— Latinometrics (@LatamData)April 15, 2025
your coffee habit is shaping global economies...
here's how Brazil alone provides nearly a third of the world's coffee beans.
a thread ↓🧵pic.twitter.com/aUfEmpZ47P
マドレキ氏は、多国間で同時に関税が課されれば、必然的に価格が上昇することを認めている。「特定の産地のコーヒー豆が比較的安く入手できても、売り手は低価格で提供せず、買い手には選択肢がないと見越して価格を引き上げるだろう。」 (関連記事: 「書簡外交」で読み解くトランプ流 直筆署名に込めた「交渉術」と舞台裏 | 関連記事をもっと読む )
廠商因應之道:転嫁コスト
米国の家庭用コーヒー豆ブランドで、台湾の読者にも馴染みのあるマックスウェルハウスを持つクラフト・ハインツは、今年はすでに原材料コストの高騰を理由に価格を改定しており、トランプ関税により再度価格を引き上げる可能性を示唆している。そして、飲料・コーヒーマシン大手のクリューグ・ドクターペッパー社のCEOティム・コーファーは、2025年下半期にもう一度価格改定を考慮しているという。
