中国が台湾に攻めれば「世界破滅」 米国防長官が異例の強硬メッセージ

2025-06-02 19:25
米国防長官ヘグセス氏は、中国共産党が軍事的手段で台湾を強制的に奪取すれば、インド太平洋地域全体さらには世界の安全保障に壊滅的な影響を与えるだろうと明言した。(AP通信)
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米国国防長官ヘグセス氏は31日、シンガポールのシャングリラ会合で、これまでで最も強硬な対中国・台湾擁護の発言を行った。彼はトランプ政権時代には中国共産党が台湾に侵攻することは絶対にあり得なかったと改めて強調し、米国が同盟国と共に「揺るぎない抑止ライン」を構築し、地域での戦争勃発を防ぐと述べた。

中国共産党が武力で台湾侵攻すれば、どのような結果を招くのか?

ヘグセス氏は率直に、中国共産党が軍事手段で台湾を奪取しようとすれば、インド太平洋地域全体さらには世界の安全保障に壊滅的な影響を与えるだろうと述べた。「我々は現実を取り繕うつもりはない。中国の脅威は存在するだけでなく、差し迫っている可能性もある」と警告した。

ヘグセス氏は中国共産党の侵攻に対して米国がどのように具体的に対応するかについては明言しなかったものの、北京が実際に武力行使に出た場合、米国は傍観しないと公に表明した。彼は「我々の目標は中国に対し、代償が極めて高くつくこと、そして平和が唯一の選択肢であることを理解させることだ」と強調した。

なぜこれがトランプ政権のこれまでで最も強硬な台湾擁護声明なのか?

ヘグセス氏は特に、トランプ大統領が「中国共産党は彼の任期中に台湾に手を出す勇気はない」と既に明言していることを強調した。この発言は台湾の安全保障に対する揺るぎない支持を示すだけでなく、トランプ政権による台湾海峡情勢に対する最も率直な防衛コミットメントと受け止められている。

今回、中国は董軍国防部長を派遣せず、代わって国防大学副校長の胡鋼鋒氏が代表団を率いた。この対応は、近年で最も低いレベルの参加と見なされている。演説の中でヘッセス氏は名指しこそ避けたものの、「我々は来たが、来ていない国もある」と皮肉を込めて述べた。

米国はなぜアジアの同盟国に軍備増強を呼びかけているのか?

ヘグセス氏は会議で中国の脅威について警告するだけでなく、インド太平洋諸国が軍事的自衛能力を高めるべきだとも強調した。彼はヨーロッパを例に挙げ、「抑止にはコストカットはできない」と指摘し、同盟国は安全保障の負担を共有すべきだと述べた。さらに、米国がオーストラリアで初めて中距離兵器の実弾実験を行い、地域防衛網を強化する予定であることも明らかにした。

議会とヘグセス氏の意見は一致しているのか?

ヘグセス氏はトランプ政権の台湾安全保障に対するコミットメントが明確であると強調したが、民主党のダックワース上院議員は、彼の口調は保護主義的で、インド太平洋の同盟国に対して「高圧的すぎる」と考えている。彼女は、米国は同盟国に対して陣営選択を強いるのではなく、共に国際秩序を維持すべきだと強調した。 (関連記事: 習近平の軍粛清が台湾侵攻能力を弱体化?米専門家が警鐘「過剰反応避けよ」 関連記事をもっと読む

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編集:柄澤南

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