中国軍が台湾侵攻した場合、日本は支援するのか?元安保局長が前提を明かす:自衛隊は法に基づき対応する

日本の元国家安全保障局長北村滋。(黄信維撮影)

蔡英文前総統から「大綬景星勲章」を授与された日本の前国家安全保障局長であり、北村エコノミックセキュリティ合同会社の代表を務める北村滋氏が、近日《風伝媒》の独占インタビューに応じた。これは北村氏にとって台湾メディアへの初めての単独インタビューとなる。自身の経歴について語るとともに、専門とする経済安全保障の課題について深く掘り下げた分析を展開した。また、現在『国家安全保障とインテリジェンス』という新刊を執筆中であり、国際情勢の最新動向を取り上げながら、情報と国家安全保障の関係について論じ、現代の安全保障環境への洞察を提供する予定であると明かした。

台湾の前・現総統のリーダーシップスタイルについての見解を尋ねられると、北村氏は、蔡英文前総統とはこれまで何度も会談を行い、関連する議題について深く議論してきたため、彼女の政策の方向性について一定の理解を持っていると語った。一方、頼清徳総統とは直接の接触はないものの、周囲の話を聞く限りでは、決断力とリーダーシップを備えた指導者であるとの評価を得ているという。蔡前総統が築いた日台関係の方向性は、頼総統のもとでも変わることなく継続され、さらに発展していると分析し、現在の日台協力は安定しており、「良い方向に進んでいる」と述べた。

また、《風伝媒》の記者が日本の憲法の制約のもと、仮に「台湾有事」が発生した場合、日本が軍事介入することは原則として難しいが、同盟国である米国が軍事行動を起こした際、日本がどのような対応を取る可能性があるのかを質問。日本の法律では、「存立危機事態」に該当する場合、集団的自衛権の行使が認められているが、「台湾有事」がこの枠組みに当てはまる場合、日本政府の対応について尋ねた。

これに対し北村氏は、「台湾有事」が「存立危機事態」に認定されれば、自衛隊は法に基づいて対応すると説明した。さらに、「故・安倍晋三元首相が『台湾有事は日本有事である』と述べたのも、まさにこの法的枠組みに基づくものだ」と指摘した。日本には米軍基地が存在することから、台湾で突発的な事態が発生すれば、米国がどのように対応するかは即断できないが、日本も「必然的に影響を受ける」との認識を示した。

日本による南西諸島自衛隊配備強化 北村滋:台湾海峡の平和と安定維持のため

また、台湾が日本の地理的に極めて近い存在であることを強調し、日本政府が近年、南西諸島での自衛隊の配備を強化していることについて、「日本政府はこの地域の安全保障環境の緊張度が高まっていると認識している」と述べた。特に沖縄は戦略的に極めて重要な地点であり、日本はこの地域の防衛を強化し、抑止力を高めることで、台湾海峡の平和と安定につなげたいとの考えを示した。 (関連記事: トランプに大きな贈り物を?ロイター独占:台湾が対米軍事調達を検討、金額は最大100億ドル規模 関連記事をもっと読む

北村滋氏は、「このような戦略調整は、台湾海峡の平和と安定を維持するためのものだ」と説明した。これは最近になって始まった政策変更ではなく、「私が国家安全保障局長であった時から、すでにこの方向で戦略的調整を進めていた」と述べた。同時に、日本が地域の安全保障上の課題に対応する際、交通ネットワークの整備と防衛・抑止力の強化が極めて重要な戦略方針であると強調。これらの施策は、日本自身の安全だけでなく、台湾海峡の平和と安定にも直接影響を及ぼすという。「台湾海峡の平和と安定」という概念が日米共同声明に初めて盛り込まれたのは、彼が国家安全保障局長を務めていた菅義偉内閣の時期であった。