トランプ「解放日」の混乱、苦い結果が到来!米国4月商品輸入が20%暴落、記録開始以来最大の下落幅

2025-06-02 21:09
アメリカ経済。アリゾナ州の農地とトラクター。(AP通信)

トランプは今年4月2日、ホワイトハウスのローズガーデンで演説を行い、その日を正式に「解放日」とすると共に、アメリカが「膨大かつ持続的な貿易赤字」に直面し、緊急事態に突入したと宣言した。さらに彼は「国際緊急経済権力法」(IEEPA)を引用し、全ての国に対する10%の「基礎関税」(4月5日施行)と、不公正貿易がより深刻な国に対する「対等関税」(4月9日施行)を発表した。トランプは4月9日に中国以外の「対等関税」を一時的に見送ったが、4月のアメリカの輸入商品数は大幅に縮小し、英『フィナンシャル・タイムズ』はこれがトランプの「解放日」関税が外国製品のコストを押し上げたためだと報じた。

アメリカの4月の輸入量は前月比で20%急減し、過去の最大の下落幅を記録した。トランプの関税政策が企業をして緊急にブレーキを踏ませ、この世界最大の経済大国への出荷を一時的に停止させたためである。アメリカ国勢調査局が30日に発表した予備経済指標によれば、今年4月の商品輸入総額は前月比19.8%減の2,761億ドルとなり、3月におけるトランプの「解放日」関税発表前の外国製品駆け込み購買との対照的な状況である。

商品輸入量が急減する中、国際経済の不安定化により、アメリカの消費者の行動もますます慎重になった。アメリカ経済分析局の30日発表したデータによれば、消費者支出の成長率は3月の0.7%から4月の0.2%に減速した。『フィナンシャル・タイムズ』はこれらのデータがトランプの関税政策が国際貿易をいかに影響し、市場をかき乱し、アメリカと世界の商業関係を覆したかを明確に示していると見ている。

2025年5月30日、アメリカのトランプ大統領がペンシルバニア州の製鉄所で演説を行い、その場の製鉄工から熱烈な歓迎を受けた。(AP通信)
2025年5月30日、アメリカのトランプ大統領がペンシルバニア州の製鉄所で演説を行い、その場の製鉄工から熱烈な歓迎を受けた。(AP通信)

企業がトランプの4月の関税期限前に外国製品を急いで購入したため、アメリカの第1四半期のGDPは年率0.2%縮小し、2022年以来のマイナス成長を記録した。しかし、4月の急激な輸入減少がアメリカ企業に国内製造品への購買を促し、第2四半期の経済データに好影響を与える可能性がある。アメリカ国勢調査局のデータによると、4月の消費財輸入額は32%急減して696億ドル、特に打撃を受けた。工業用品の輸入量は31%減の518億ドル、自動車の輸入額は19%減の336億ドルとなった。

『フィナンシャル・タイムズ』は、アメリカの輸入業者が中国製品に対する高関税や10%の基礎関税を含む、広範囲の外国製品関税に対応しなければならない現状を指摘する。アメリカは2週間前に中国と停戦協定を結び、両国間の報復関税を一時的に引き下げたが、30日には両国の緊張が再び高まり、トランプはソーシャルメディアで北京が「我々との合意に完全に違反した」と非難した。トランプは4月9日に多数の国に対する「対等関税」の実施を見送ったものの、アメリカの現行関税率は依然として数十年ぶりの高水準に達している。 (関連記事: 米造船業の凋落はなぜ?建造費アジアの5倍高、トランプ政権の復活戦略は 関連記事をもっと読む

2025年5月30日、アメリカのトランプ大統領がエアフォースワンでペンシルバニアに到着した。(AP通信)
2025年5月30日、アメリカのトランプ大統領がエアフォースワンでペンシルバニアに到着した。(AP通信)

一方、アメリカの国際貿易裁判所は28日、トランプの「解放日」関税が全て違法で無効であると判断したが、連邦控訴裁判所は29日に国際貿易裁判所の判決を一時的に停止し、関連関税措置を継続できると裁定した。このためにトランプの「解放日」関税にはさらなる不確実性が生じているが、専門家は最終的に連邦裁判所が「解放日」関税を無効と判断しても、トランプ政権は他の法源をもって「解放日」関税を維持できる可能性があると述べる。しかし、アメリカ政府が関税措置を頻繁に変更するため、市場や各国政府が慎重になり、アメリカ経済にさらなる打撃を与える恐れもある。