韓国スタバ「タンクデー」炎上、不買広がり運営グループ会長が謝罪

2026-05-27 16:05
新世界グループの鄭溶鎮会長は26日に記者会見を開き、傘下のスターバックスコリアによる不適切な販促手法を公式に謝罪した。(AP通信)
新世界グループの鄭溶鎮会長は26日に記者会見を開き、傘下のスターバックスコリアによる不適切な販促手法を公式に謝罪した。(AP通信)


一見、単純に見える販促キャンペーンが、韓国における最も深い歴史的トラウマを刺激し、予期せず国中を巻き込むマーケティング上の危機に発展している。騒動発生から丸8日が経過した26日、韓国でスターバックスを展開する新世界(シンセゲ)グループの鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)会長自ら事態の収拾に乗り出し、ソウル市江南区のホテル「朝鮮パレス」で記者会見を開き、3度にわたり頭を下げて謝罪した。

韓国の歴史的トラウマを刺激した保温マグカップ

今回の騒動の発端は、韓国スターバックスが今月18日に展開した「タンク・タンブラー」と呼ばれるステンレス製保温マグカップの販促キャンペーンだった。このマーケティング戦略は、インターネット上で「タンク(戦車)デー 5/18」と銘打たれ、宣伝文句に「机をドンと叩く」といった表現が使用されたことで、韓国社会の激しい反発と公憤を買った。

韓国メディアは、5月18日は韓国において決して冗談にしてはならない日だと指摘。同国では1980年5月18日、当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領率いる軍事政権が戦車を出動させ、血みどろの弾圧を行って多数の民間人死傷者を出した「光州事件」が発生国際社会を震撼させた。「戦車」を意味する「タンク」という言葉と「5/18」が並んだ時、韓国国民が連想するのはタンブラーの発売日ではなく、当時、光州市内で抗議者たちを弾圧した戦車だった。

2026年5月26日、韓国・ソウルのスターバックス店舗。(AP通信)
韓国・ソウルのスターバックス店舗。(AP通信)

さらに事態を悪化させたのは、「机をドンと叩く」というフレーズが、韓国民主化の過程における別の傷跡に触れたことだ。1987年、ソウル大学の学生、朴鍾哲(パク・ジョンチョル)さんが警察の拷問により死亡した際、警察側は真相を隠蔽するため、「机をドンと叩いたら、死んでしまった」と発表。この荒唐無稽なうそが同年の「6月民主抗争」につながる導火線となった。その表現に酷似したフレーズを「タンクデー 5/18」の宣伝文句と共に使用したことが、韓国スターバックスに致命的な危機をもたらした。

この情報が報じられるや否や、韓国のネットユーザーは激怒し、ソーシャルメディアには批判的な投稿があふれ、民間に不買運動や会員カードの切断といったボイコット活動が急速に広がった。韓国スターバックスは19日、謝罪声明を出したものの、世論の怒りを鎮めるには至らなかった。 (関連記事: 韓国の女子高生、ダイエット薬使用が上昇 K-POP時代の「やせ志向」が影響か 関連記事をもっと読む

鄭氏「国民の感情を傷つけた責任は私に」

事態に収束の兆しが見えない中、新世界グループの鄭会長は、自ら事態の鎮静化に乗り出すことを決断。26日午前9時に記者会見を開き、沈痛な面持ちで声明を読み上げるとともに、3度にわたり深く頭を下げて謝罪した。鄭氏は「スターバックスの不適切なマーケティング活動が、多くの方々に多大な苦痛と怒りを与えた事実を、非常に重く受け止めている」と述べた上で、「いかなる理由であれ、国民の感情を傷つけた責任は決して軽くはなく、一切の弁解はしない。本件に関するあらゆる責任は私自身にあり、すべて私の過ちだ」と表明した。

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