ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5月25日、ロシア軍が同日、首都キーウに対して行った無人機(ドローン)とミサイルによる大規模攻撃で、強力な極超音速弾道ミサイル「オレシュニク」を再び使用したと明らかにした。この攻撃で少なくとも2人が死亡し、83人が負傷した。ロシア側がこの兵器を戦場で使用したのは、ロシアによるウクライナ侵攻開始以降、今回で3回目となる。
ウクライナ当局によると、この大規模な空からの攻撃により、キーウ全域で甚大な被害が出た。政府庁舎周辺を含め、住宅、学校、市場などが損壊したという。ゼレンスキー氏は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、核弾頭または通常弾頭を搭載可能な「オレシュニク」がキーウ州のビラツェルクバに着弾したと説明した。ただし、具体的な攻撃目標は現時点で明らかになっていない。
ロシアは「民間施設攻撃への報復」と主張 国連安保理でも応酬
ロシア国防省は5月25日、ロシア軍が「オレシュニク」やその他のミサイルを発射したことを認めた。攻撃の目的については、ウクライナの「軍事指揮・統制施設」や空軍基地、軍需企業を標的にしたものだと説明したが、具体的な攻撃地点は明らかにしなかった。
同省は、今回の大規模空爆について、ウクライナによる先の「ロシア領内の民間施設」への攻撃に対する報復措置だと主張している。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5月22日、ロシア軍が占領するウクライナ東部の教育機関の寮に対する無人機攻撃を公に非難し、キーウ当局によるものだと主張した。そのうえで、ロシア軍に報復作戦案を提出するよう命じた。プーチン氏は当時、同施設の周辺に軍事施設や法執行機関の施設は存在しなかったと述べていた。
ロシア非常事態省はその後、ルハンスク州スタロビルスクの寮が攻撃された事件について、捜索救助活動の終了後、死者が21人に上り、42人が負傷したと発表した。ロシアが支配するルハンスク州の親ロ派当局は、5月24日と25日を服喪の日と宣言した。
これを受け、国連安全保障理事会はロシアの要請により緊急会合を開いた。ウクライナのアンドリー・メルニク国連大使は会合で、ロシア側の戦争犯罪との主張を否定し、「政治宣伝にすぎない」と反論した。そのうえで、5月22日のウクライナ軍の軍事作戦は「完全にロシアの戦争機構を標的にしたものだ」と強調した。
無人機600機、ミサイル90発の複合攻撃 防空能力の限界浮き彫りに
ウクライナ空軍が発表した統計によると、ロシア軍による今回のミサイルと無人機を組み合わせた複合攻撃は極めて大規模だった。自爆型無人機600機に加え、空中、海上、地上から各種ミサイル90発が発射されたという。
ウクライナ防空部隊は、無人機549機とミサイル55発を迎撃または妨害した。さらに、約19発のミサイルは目標を外れたとしている。
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これに先立ち、ゼレンスキー氏は米国や西側同盟国から提供された情報に基づき、ロシア軍が「オレシュニク」を使用する計画があると警告していた。




















































