台湾富豪トップ交代 ヤゲオ陳泰銘氏が郭台銘氏を抜く、AI需要で資産急増

台湾株式市場で株価高騰が続く中、台湾長者番付の注意が交代した。イメージ図。(資料写真/顔麟宇撮影)
台湾株式市場で株価高騰が続く中、台湾長者番付の注意が交代した。イメージ図。(資料写真/顔麟宇撮影)

米経済誌『フォーブス』のリアルタイム・ビリオネア・リストが5月20日に更新され、台湾の長者番付トップが入れ替わった。受動部品(パッシブ部品)大手、国巨(ヤゲオ)の陳泰銘董事長(会長)(69)の資産額は一時、約156億ドルに達し、長年にわたり首位を維持してきた鴻海精密工業(ホンハイ)創業者の郭台銘氏を上回った。

これについて、台湾の著名な経済評論家で財信伝媒グループ会長の謝金河氏は25日、自身のフェイスブックに「長者番付にまつわる多くの物語」と題する見解を投稿した。

謝氏は、ヤゲオ株が連日ストップ高を記録し、25日には691台湾ドル(約3500円)まで上昇したことに言及。時価総額は1兆4300億台湾ドル(約7兆2000億円)を突破したとし、「極小の受動部品を製造するメーカーのトップが台湾首位の富豪へと変貌を遂げた。陳氏本人にとっても夢のようで、現実味に欠ける出来事だろう」と指摘した。

一方、同番付で10位に付けた建設業や金融業など幅広く事業を展開する潤泰集団(ルエンテックス・グループ)の尹衍樑総裁が死去したとのニュースが26日に伝えられ、政財界に衝撃が広がった。

20221103-ヤゲオ(国巨)のM&A関連説明会。発言する陳泰銘氏(蔡親傑撮影)
台湾一の富豪となったヤゲオの陳泰銘董事長。(資料写真/蔡親傑撮影)

台湾長者番付トップ10の顔ぶれと資産

​ヤゲオは、人工知能(AI)関連需要の拡大を背景に受動部品への需要が高まり、株価がここ数カ月で大きく上昇した。これが陳氏の個人資産を急速に押し上げる要因となった。

『フォーブス』の最新データに基づく台湾の富豪トップ10(リアルタイム資産額順)は以下の通り。

  1. ヤゲオの陳泰銘董事長:約156億米ドル
  2. ホンハイ創業者の郭台銘氏:約150億米ドル
  3. 広達電脳(クアンタ・コンピューター)の林百里董事長:約146億米ドル
  4. 台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)創業者の鄭崇華氏:約103億米ドル
  5. 台湾積体電路製造(TSMC)創業者の張忠謀氏:約86億米ドル
  6. 富邦集団の蔡明忠董事長:約84億米ドル
  7. 富邦金融控股(富邦フィナンシャル・ホールディング、富邦金)の蔡明興董事長:約82億米ドル
  8. 台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家董事長:約79億米ドル
  9. 長春集団の林書鴻総裁:約77億米ドル
  10. 潤泰集団の尹衍樑総裁(故人):約72億米ドル

ヤゲオ株はなぜ急騰したのか

​謝氏は、ヤゲオが現在、台湾で時価総額9位の企業に成長したことについて、陳氏がM&A(合併・買収)を通じて業界再編を進め、台湾の受動部品産業を世界市場へ押し上げたと分析する。

同氏は、ヤゲオの競争力が高まり続けている背景には、陳氏の知恵たゆまぬ努力があるとし、今回の資産急増は驚くべき成果だと評価した。
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謝氏はまた、過去数十年にわたる台湾の長者番付を振り返った。台湾初期の首位は、台塑集団(フォルモサ・プラスチックス・グループ)創業者の王永慶氏だった。その後、2021年には製靴大手の華利集団が中国A株市場に上場し、株価が117.5人民元(約2750円)まで上昇したことで、「台湾の靴王」と呼ばれる張聡淵氏が台湾首富となった。

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