トップ ニュース 独占インタビュー》2025年「台湾映画上映会」が大学に拡大開催 林家威監督と曾鈐龍センター長が語る
独占インタビュー》2025年「台湾映画上映会」が大学に拡大開催 林家威監督と曾鈐龍センター長が語る イベントのキュレーター・林家威氏。(写真/黃信維撮影)
台北駐日経済文化代表処台湾文化センターが主催する「2025台湾映画上映会」は、例年の台湾映画紹介活動をさらに発展させ、今年は初めて日本の有名大学キャンパスにも拡大した。日本未公開作品を多数上映し、映像と対話を通じて日本の若い世代の視野を広げることを目指している。開催期間中、「風傳媒」は本上映会のキュレーターである林家威(リム・カーワイ)監督と台湾文化センターの曾鈐龍(そう けいりゅう)センター長に独占インタビューを行い、選定方針や日台文化交流の戦略、そして台湾映画の国際的な展望について話を聞いた。
イベントのキュレーター・林家威氏(写真/黃信維撮影)。 台湾文化センター主任・曾鈐龍氏(写真/黃信維撮影)。 林家威監督は、本上映会のテーマが「歴史と人文の眼差し」であり、歴史的記憶と人間へのまなざしを選定基準にしていると説明する。「台湾映画は中国や香港と比較して、より誠実かつ自由に歴史と向き合い、政治や社会課題に対する見解を表現できる。これは台湾映画最大の魅力の一つです」と語った。また、人と都市、自然との関係を描く際の感性や包容力においても、台湾のクリエイターは際立っていると述べた。
作品選定については「日本の観客がどのような台湾映画を観たいのかを意識しました。今回は、日本で未公開だった8作品を厳選し、主流作品だけでは触れられない台湾映画の現場に日本の観客が出会えるようにしました」と語った。多くの優れた台湾映画が商業的な理由で日本市場に届かない中、この上映会がそのギャップを埋める役割を担っているという。
台湾映画の国際的な魅力について、長年国際共同制作に携わってきた林監督は「中華圏の中でも、台湾は海外との共同制作が最も活発な地域です」と述べ、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督、廖克発(リャオ・コーファ)監督、曾威量(チャン・ウェイリャン)監督などを挙げ、マレーシアやシンガポールとの深いネットワークを紹介した。台湾政府も近年「TAICCA(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー)」など国際共同制作を支援する仕組みを積極的に推進しており、「今後はベトナムやタイの監督が台湾で映画を撮るような動きがさらに広がっていくだろう」と期待を寄せた。
一方、台湾文化センターの曾鈐龍センター長は、主催者の立場から本上映会の方針を語った。今年のキーワードは「キャンパスへ足を運ぶ」。これまでセンター内での上映が主だったが、今年は東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、日本大学、大阪大学など、日本を代表する5大学と連携して8回の上映会を開催する。「無料上映という形で、より多くの日本の若者に台湾と直接触れ合ってもらいたい」と述べた。
選定においては「人権、多様なジェンダー、民族共生」の3つのテーマを重視する。曾センター長は「日本社会にあまり経験のないテーマだからこそ、関心を持ってもらえるのではないか」とし、台湾の民主化の歴史、同性婚の法制化、そして原住民や客家(ハッカ)などの多民族文化が共存する社会的背景を挙げた。「日本より進んでいるということではなく、日本の観客が“なぜ台湾では可能なのか”と考えるきっかけになるような作品を選びました」と語る。
さらに、日本の映画祭キュレーターや観客からのフィードバックを分析しながら、次回以降のプログラム選定にも反映させているという。「台湾映画に対する日本側の評価や注目が年々高まっている」と述べた。
曾センター長はまた、映画以外の今年の文化活動についても触れ、「出版、ビジュアルアート、漫画、舞台芸術などの分野にも注力しています」と話す。特に漫画分野では、台湾の作品が外務省の国際漫画賞で毎年のように受賞しており、2027年には台湾に国家漫画館も開館予定だ。「漫画を通じて台日交流をさらに深めたい」と意気込んだ。
近年、日本各地の芸術祭においても台湾人アーティストの活躍が目立つ。2024年の北アルプス国際芸術祭では、台湾人アーティスト・游文富(ヨウ・ウェンフー)氏による作品『竹波』が展示され、地元の市民と台湾・竹山鎮の住民が協力して制作に携わった。約120mの竹材を使用したこの作品は、芸術監督・北川フラム氏からも高い評価を受け、日本の有名雑誌『Discover Japan』の表紙を飾るなど話題を呼んだ。
また、2025年の瀬戸内国際芸術祭では、台湾のアーティスト王文志(ワン・ウェンジー)氏が5度目の参加を果たし、継続的な創作力と国際的な影響力を見せた。曾センター長は「これらの成果は、台湾の芸術家が国際舞台でいかに注目されているかを示すもの。今後も文化センターは国際芸術祭への参加を支援し、台湾の創造力と多様性を日本社会に広めていきます」と語った。
インタビューの最後に、林監督と曾センター長は「映画というメディアを通して、日本社会が台湾の歴史や文化、価値観をより深く理解できるよう願っています」と語り、今後も企画や創作、大学・映画祭・芸術機関との連携を続けながら、「自由で多様で創造力に富んだ台湾」を世界に発信していく意志を改めて表明した。
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