櫻井翔の頼総統インタビューで日台メディアが反発? 総統府「在台日本メディアと事前調整済み、抗議なし」

2025-05-30 10:30
日本の芸能人・櫻井翔(左から2番目)は先日、台湾総統の頼清徳(右)とインタビューを行った。(資料写真、総統府公式サイトより)
日本の芸能人・櫻井翔(左から2番目)は先日、台湾総統の頼清徳(右)とインタビューを行った。(資料写真、総統府公式サイトより)
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台湾総統の賴清徳は就任周年を迎える520を前に、一連のインタビューを受けた。Podcast番組『敏迪選読』に出演し、司会者の敏迪と対談する中で、両岸関係について「大小企業の合併」という表現を用いたことが疑問視された。また、日本の有名タレントで「嵐」メンバーの櫻井翔からのインタビューを受けた際にも話題となった。注目すべきは、大東文化大学教授で日本の記者である野島剛がFacebookで『Wedge Online』に記事を投稿し、櫻井翔が5月20日に総統府を訪れた際、一時現地記者の「騒動」を引き起こしたことを明かした。

野島剛は記事で、賴清徳が『日本経済新聞』のインタビューを受けるほか、台湾と日本で話題となったのは、日本テレビのニュース番組『NEWS ZERO』の司会者、櫻井翔であると指摘した。総統府の報道官、郭雅慧はSNSで珍しく発言し、インタビューの背景を詳細に説明。なぜ2つの日本メディアを選んだのかについて語り、台日関係が世界情勢において重要な一環であることを強調し、国家の発展方向を示し、台海の平和を守る決意、台日経済貿易協力の重要性を伝え、日系メディアを通じて世界へ発信することを望んでいると述べた。さらに、総統府が声明を発表した主な理由は、日本メディアからの不満の声であり、なぜ駐台記者がいない日本テレビのインタビューを受けたのかという疑問だったことを明かした。

野島剛は、台湾に駐在記者を置く日本のテレビ局は『NHK』だけであり、新聞では『朝日』、『読売』などがあり、彼らがインタビューを申請すべきであると言及した。そのため、「なぜ彼らなのか」という疑問が浮上した。台湾のメディアはもっと率直に反応し、今回の賴清徳は台湾と日本の各2つのメディアのインタビューを受けたことに対して、かなり不満を表明した。野島剛は、この選択は賴清徳チームの「伝統的なインタビューフォーマットにとらわれない」プロモーション戦略を考慮したものであり、日本テレビを選んだ大きな理由は櫻井翔であると述べた。だが、櫻井翔のインタビューも他の面で波紋を呼び、5月20日に櫻井翔が総統府会場に現れると、多くの記者が撮影しようとしたが、日本テレビのスタッフが「写真を撮らないでください」と強く要求し、台湾メディアの反発を招いた。「彼は台湾でも有名な人物なので、写真を撮られたくないなら記者会見の場に現れるべきではない」という意見が総統府に伝えられた。

さらに、野島剛は、櫻井翔のインタビュー場所は総統府内の会客室ではなく、正面玄関に設けられていたことで、台湾のネット上で「軽視」の表現ではないかという憶測が広がった。この点について、郭雅慧は櫻井翔のインタビューには突破的な効果があり、アイドル出身の彼は通常政治外交に無関心な層にも大統領の話を伝えられると説明した。郭雅慧はさらに、賴清徳が櫻井翔に香菜なしの台湾式ホットドッグを選び、台湾のスナック、ポテトチップス、パイナップルケーキ、ヌガーキャンディを選び、総統府の番号が印刷されたぬいぐるみと水筒を贈り物にしたと付け加えた。野島剛は、明らかに総統府は台湾と日本のメディアからの反発を予想せず、報道官が今回のインタビューの背景を説明することになったと分析した。

野島剛が総統府に説明 台日メディアの不満は「推測」だと指摘

賴清徳が櫻井翔のインタビューを受けたことが台湾と日本のメディアに本当に不満を引き起こしたのかどうか。総統府は、野島剛はこの手法が不満を引き起こす可能性について「推測」に過ぎず、直接的に台日メディアが不満を持っていたわけではないと説明した。さらに総統府は、野島剛が最初に報道した『聯合報』の記者と連絡を取り、記者は彼に翻訳上の不備を伝え、謝罪したと述べた。総統府も、事前に駐在日本メディアとコミュニケーションを取り、現在日本メディアからの抗議を受けていないとし、台日メディアの不満というのは野島剛の意向ではなく、事実とも異なると述べている。

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