トランプ氏、プーチン氏に「完全に狂っている」発言 和平案届かず、今週にも制裁か

2025-05-28 18:22
ロシア軍による最近の大規模な無人機攻撃でウクライナの首都キーウに多数の死傷者が出たことを受け、トランプ氏は「絶対に」ロシアへの経済制裁を拡大する意向を示した。(AP通信)
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米国のトランプ大統領は最近、自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」を通じて、ロシアのプーチン大統領に対し連続して発言を行った。彼はプーチン氏を「完全に狂っている」と評し、さらにロシアの行動を「火遊びのようだ」と直言した。トランプ氏は「過去の自分の行動がなければ、ロシアでは既に非常に、非常に悪いことが起きていただろう」と強調したが、「悪いこと」が具体的に何を指すのかは明らかにしていないものの、強い警告のニュアンスが感じられた

米露電話会談後、「和平覚書」はなぜ届かない?

CNNやウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、トランプ氏はプーチン氏との電話会談で、ウクライナに関する和平合意案を数日中に提出するという約束を得ていたという。しかし、1週間以上経っても米国側は当該文書を受け取っていない。トランプ氏の側近にはロシアの「言うこととやることが違う」態度に非常に不満を抱いているとの声があり、対抗策として新たな制裁を検討しているという。

制裁強化がトランプ氏の次の一手か?

ロシア軍が最近、ウクライナの首都キーウを大規模なドローン攻撃し、多数の死傷者を出したことを受け、トランプ氏は「必ず」ロシアに対する経済制裁を拡大する意向を示した。米国議会でも共和党と民主党の超党派の合意が見られ、ロシアのエネルギーを購入する国々に対する二次的制裁を実施し、モスクワの孤立をさらに進めるよう求めた。

クレムリンはトランプ氏の怒りにどう応じるのか?

トランプ氏の激しい発言に対し、ロシアのドミトリー・メドベージェフ前大統領はX(旧Twitter)で「第三次世界大戦こそが本当の悪だ」と反論し、トランプ氏が結果に対してはっきりと認識していることを皮肉った。クレムリンは引き続き責任をウクライナに押し付け、その挑発的な行動が平和を破壊していると主張している。

トランプ氏、対露戦略を書き換えるのか?

トランプ氏が過去の対ロシア方針を全面的に見直すかどうかに高い関心が寄せられている。かつてプーチン氏との良好な関係を持ちながら、今や「人が変わったように」公然と批判している。トランプ氏の対露戦略はより強硬な方向へと転じる可能性があり、この言葉の応酬が米露関係を再び対立へと導く兆しともなっている。

編集:田中佳奈 (関連記事: 「ロシア制裁」について避け続ける、エコノミスト誌が批判:トランプはプーチンに対し異常なほど軟弱だ 関連記事をもっと読む

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