トランプ氏、ロシア・ウクライナ和平会談の参加検討 ゼレンスキー氏歓迎 プーチンが不参加なら平和協定困難と学者指摘

2025年5月12日。アメリカ大統領ドナルド・トランプがサウジアラビア・リヤドに向かう準備をしている。(AP)

アメリカのトランプ大統領は12日、中東諸国への訪問を開始し、15日に行われる予定のロシア・ウクライナ和平交渉に「立ち寄る」ことを検討していると表明した。ウクライナのゼレンスキー大統領は歓迎の意を表し、トランプの参加は「正しい考え」であると語った。一方、ロシアのプーチン大統領が自ら交渉に出席するかどうかはまだ不明である。国際政治の学者は、戦争に関与するすべての利害関係者が交渉のテーブルにつくべきであり、そうでなければ将来において平和を破壊する要因となる恐れがあると指摘している。

トランプ、交渉の場に現れるか検討

トランプの「歴史的な中東行」はサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦を訪れる予定であり、トルコのイスタンブルで15日のロシア・ウクライナ戦争交渉に参加する可能性もある。

「15日に自分がどこにいるかはわからないが、多くの会議を開く予定だ。しかし(トルコに)飛ぶことを考えている」とトランプは12日に出発前、ホワイトハウスで記者に述べた。「本当に話ができると思えるなら、それを成立させる必要があるのだ」と語った。

ゼレンスキー、歓迎の意を表明

ウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカ側の交渉への意欲を歓迎し、13日の声明で「もしトランプ大統領が我々と共に交渉に参加できるなら、ウクライナ全体が非常に感激する。これは正しい考えであり、多くのことを変えられる」と述べた。

ゼレンスキーはプーチン氏を直接名指しし、彼が交渉に出席することを期待している。これが二人にとって2回目の対面となるだろう。初めて、そして唯一の対面は2019年12月のパリであり、2014年ロシアがウクライナ東部ドンバス(Donbas)に侵攻したことについて和平協議は成立しなかった。

「今回はプーチンがまた来られないと言い訳をしないことを願っている。ウクライナは交渉の準備ができており、この戦争を終わらせる準備ができている」とゼレンスキーは述べた。

 2025年4月26日。ウクライナ大統領ゼレンスキーとアメリカ大統領トランプが故教皇フランシスコの葬儀に出席して会話した。(AP)
2025年4月26日。ウクライナ大統領ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)とアメリカ大統領トランプ(Donald Trump)が故教皇フランシスコの葬儀に出席して会話した。(AP)

プーチンは来るのか?

プーチンが交渉に出席するかについて、クレムリンのペスコフ(Dmitriy Peskov)報道官は12日、説明を避けた。しかし、ペスコフはトルコのエルドアン(Recep Erdoğan)大統領が11日にプーチンと電話会談を行い、イスタンブルでの和談開催に合意したと述べた。

10日、ゼレンスキーはドイツ・イギリス・フランス・ポーランドの各国首脳とキエフで会談し、12日からの「30日間の無条件停火」をロシアに対して呼びかけなければ、ロシアに対する「大規模な」新たな制裁を加えるとした。だが、プーチンはヨーロッパが示した「最後通告」について不満を示している。 (関連記事: トランプ氏、米中関係“全面リセット”宣言:「中国を傷つける意図はない!」関税撤廃を交渉前提条件に。 専門家評価「習近平氏、先ずは勝利」 関連記事をもっと読む

ペスコフは強調した。「このような『最後通告』の表現は、ロシアには受け入れられず、適切でもない。ロシアに対してこのような言い方をすることはできない。」ロシア外務省は、「停火に関するいかなる議論も、まずロシア・ウクライナ紛争の根本原因について対話する必要がある」と述べた。

ロシアのプーチン大統領(APによる)
ロシアのプーチン大統領(APによる)