独自》台湾海軍・海巡で中国身分証保有 陸委会が発覚・処分

陸委会は海軍人員1名、海巡上等兵1名が中国身分証を所持していることを発見した。写真は総統賴清徳が以前に海軍艦隊の官兵を激励した様子。(資料写真、柯承惠撮影)

台湾大陸委員会(陸委会)は先ごろ、台湾の軍人、公務員、教職員中国の身分証、定居証、居住証、もしくは戸籍を有していないかを一斉に調査した。その第1弾の結果が明らかとなった。総統府、五院、各級公立学校、国防部所属機関などを対象とした調査で、2名が中国の身分証を所持していたことが判明。さらに75名が中国の居住証を所持しており、その中には現役の軍人も含まれている。陸委会主任委員の邱垂正氏は本日、立法院で取材に応じ、これらの最新の処置状況を公表した。

《風傳媒》の独自取材に入手した情報によると、中国の身分証を所持していた2名のうち、1名は現役の海軍関係者であり、もう1名は海巡署の上等兵であった。いずれも国家安全関連の部署に所属しており、衝撃的な内容といえる。両者とも現在は中国の身分証をすでに抹消している。

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大陸委員会主任委員の邱垂正氏は本日、立法院での質疑に出席し、軍人・公務員・教職員による中国の身分証保有状況について説明を行った。(柯承惠撮影)

最近、陸委会をめぐる話題は相次いでいる。今回の軍公教職員の中国身分証・戸籍保有状況の調査に続き、中国出身配偶者インフルエンサー「亜亜在台湾」こと劉振亜氏が「武力統一」を称賛する内容の動画を投稿したとして、入国管理局により居留許可が取り消され、国外退去を命じられた。さらに、陸委会は1万人規模の中国配偶者およびその子女に対し、中国の除籍証明の提出を求めており、新たな論争を呼んでいる。最近では、師範大学附属高校の優秀な生徒が国防医学院を受験したものの、南京生まれであることを理由に「中国住民」と見なされ、受験資格を失った事例も報告されている。

今回の調査は、軍公教人員による中国の証明書類の保有状況を確認するための特別調査として実施されたもので、第1波の調査は4月末に完了している。対象は主に「中核的な」軍人・公務員・教職員であり、総統府、五院をはじめ、52の行政機関、209校の公立学校、国防部傘下の各機関など、約37万人が調査対象となった。その結果、2名が中国の身分証を、75名が居住証を所持していたことが判明した。

なお、『公務人員任用法』の規定によれば、中華民国の国籍を有していない者、または国籍を喪失した者は、公務員となる資格を持たない。また、『両岸人民関係条例』によれば、中国の身分を取得した場合、台湾住民としての身分が抹消され、同時に中華民国国籍も失われることになる。つまり、公職に就く資格を自動的に喪失することになる。

邱垂正主任委員は本日、立法院で行われた陸委会予算の凍結解除に関する審査会に出席し、その前に報道陣の取材に応じた。

邱氏によると、調査は複数の段階に分けて実施されており、第1段階では「中核的な」軍公教人員約37万人を対象としており、すでに4月末に完了している。このうち、99.87%が「誓約書」に署名し、中国の身分証や戸籍、定居証、居住証を持っていないと表明したという。

邱氏は、結果として2名の公務員が中国の身分証を申請していたが、陸委会の協力によりすでに抹消手続きが完了していると説明した。居住証を申請していた75名については、一部が現役の徴集兵(義務役軍人)であり、それ以外の者に対しても、抹消手続きの支援を行ったとしている。

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