張鈞凱コラム：印パ交火、台湾海峡の予演か？

多くの人がパキスタンとパレスチナを混同する台湾では、インドとパキスタンの航空戦が話題を呼んでいる。この背後にある軍事的および政治的意味合いが、確かに衝撃を引き起こしている。最近最も議論されたのは、パキスタンが中国製のJ-10C戦闘機とPL-15ミサイルを使用して参戦し、フランス製のラファール（Rafale）を含むインドの複数の戦闘機を撃墜したことである。これは中国と西洋の空中装備の実戦比較の分水嶺であり、「ディープシークの瞬間」として見られている。

印パ航空戦の状況は一方的、パキスタンの2つの能力が鍵

確かに、パキスタンが中国製の先進軍事技術を活用し、優位を得たことは今回の印パ紛争の最大のハイライトである。J-10C戦闘機とPL-15ミサイル以外にも、ZDK-03早期警戒機（KJ-500の輸出型）や紅旗-9長距離地対空ミサイルが大きな役割を果たした。しかし、ある博士号を持つ軍事専門家により、これらは事実だが細部に過ぎず、今回のパキスタン側の成果が世界で注目される本当の鍵は「データリンク共有」と「システム作戦能力」にあると指摘された。

彼の提供した情報によれば、J-10Cとラファールが対峙するとき、ZDK-03早期警戒機は「データリンク共有」を通じて発見した目標をJ-10Cに伝える。J-10Cはその後、警戒機の提供した情報を基に自らのレーダーを作動させ、指定された方向を探知する。目標のロックオン後、レーダー画面にはミサイル射程の境界線が表示され、敵機が射程内に入るとJ-10CはPL-15ミサイルを発射する。

PL-15ミサイルが発射された後、初期の飛行軌道はやや上昇する。この段階では、ミサイルのエンジンは大量の固体燃料を使用し、初期の加速を行い、より遠くまで到達する。発射後、J-10Cはレーダーをオフにし、再び静寂モードで超低空飛行を行うか、その空域を離脱し、隠密性を高める。PL-15ミサイルの第一段階の加速が終了すると、エンジンはオフになり、慣性誘導の中間段階に入る。この段階では、早期警戒機がPL-15ミサイルをデータリンクで更新し、ミサイルの飛行方向を指示し、自動的に飛行経路を修正できる。これは、PL-15の双方向データリンク修正能力である。

PL-15ミサイルが敵機に近づくと、ミサイル自身のアクティブレーダーが起動し、ラファールをロックオンし、再点火して加速し、残りの固体燃料を使い切り、ミサイルの終末運動エネルギーと命中率を向上させる。ミサイルの自己レーダー誘導により、比例誘導法に従って、ラファールの飛行ルートを予測し、正確に目標を命中できる。 （関連記事： 南アジア、核戦争の危機迫る！インド空爆で31人死亡 パキスタン首相「血には血を」と報復示唆 ｜ 関連記事をもっと読む ）

一方的な透明な航空戦、米国と日本も心配

最近、「2025年の『中国製造』から中国の国防現代化を語る」という非公開フォーラムの主講者であるこの軍事専門家は、上記のプロセスを「A射B導」モデルと呼び、システム協力とシステム作戦の威力を示すものと強調している。これがインドの戦闘機がまだパキスタン領空に入る前に撃墜された理由でもある。彼のもう一つの資料では「単面透明な航空戦」と表現されている。パキスタン機がインド側に接近する際、インド側が何も知らないのに対し、ZDK-03早期警戒機は戦場全体の状況を完全に把握していた。

パキスタンのシステム作戦能力に対して、インドも早期警戒機と防空システムを持っているが、専門家によると、インドの早期警戒技術はイスラエルからのもので、データリンクがなく、システム作戦も形成できない。完全なデータリンク共有能力には、強力で先進的な通信技術と機器のサポートが必要で、中国の衛星は情報を受けた後、5GとAIで戦場の状況を作成し、リアルタイムで早期警戒機にフィードバックできる。彼はさらに、中国が開発した「成層圏飛行船」がシステム作戦に加われば、アメリカ軍の先進的なステルス戦闘機さえも「逃れられない」と述べた。

パキスタン空軍は中国本土の空軍の「ミニ版」であり、インドに対して「低次元攻撃」ができるだけでなく、中国のシステム空中戦の縮図でもある。多くの人がこの印パ航空戦が台湾海峡に与える示唆が気になるところで、情報筋によると、台湾にはアメリカ製の早期警戒機や対潜機があるが、我々はデータアップロード後のダウンロードリンクを持たない。つまり、戦場情報は完全にアメリカの手に委ねられ、これは我々の言わない空戦の「致命的な欠陥」の一つである。

また、軍事専門家は、一旦台湾海峡で戦争が起これば、その規模は印パ以上に「華麗」で、相手は「フルスペック版」、標準装備の解放軍であると指摘する。別の匿名の国防省の退職シニア・アナリストは、今日の印パ航空戦のシナリオは、将来の台湾海峡空戦で必ずしも再現されるとは限らないと述べる。それは解放軍の対台空中優勢戦略が「地上での敵制御」であり、「空中での敵撃破」でないためだ。

さらに重要なのは、両岸が近すぎるため、我々の軍用機が過密化し、戦略的深さに欠け、解放軍の長距離精密攻撃能力が強すぎるため、解放軍が開戦した瞬間、「地上での制圧」が可能であり、空中戦のシナリオは生じないことだ。彼は付け加えて、印パ航空戦のシナリオが第一列島線で再現されることを心配すべきは、むしろアメリカと日本である。台湾海峡戦争に介入するなら、彼らはまず自分の「データリンク共有」と「システム作戦」の実力を「掂量」する必要がある。

空中戦の新時代が正式に到来、まだ幻想にとらわれるか

ラファール戦闘機と同じフランスダッソー社製のミラージュ2000は、我が空軍の主力戦闘機の一つであるが、ラファールの性能はミラージュ2000を上回る。国軍は2020年にイメージビデオを制作し、飛行士の名句「ミラージュを倒したい？残念ながら、それは妄想だけです」と併せて発表し、国軍フォン文化映画金賞でマルチメディア広告象徴イメージ賞を受賞した。

印パ航空戦は台湾にとって、確かに学ぶべき教訓がある。現代の航空戦が「もはやエースパイロットも英雄もいない」と形容される体制戦争の新時代に突入する中、台湾の主政者と社会が伝統的な戦争の認識と幻想から抜け出せず、戦闘機プラットフォームの迷信と幻想を打ち破れないのか？アメリカ軍の高官は台湾海峡を「無人地獄」にしたいと述べたことがあるが、それは現代空中戦の新形態に対する「自己陶酔」ではないか。

緊張が急速に高まる印パ状況の中で、なぜインドが突然パキスタンに軍事攻撃を仕掛けたのか？アメリカの副大統領ヴァンス（JD Vance）がインドを訪問し、「テロリスト」に対するインドの報復権を支持したばかりだったことを忘れてはならない。台湾が平和を追求するためには、単なる軍備競争に溺れるのではなく、誰が本当の「国外敵対勢力」であり、台湾海峡を戦争の縁に追いやろうとしているのかを深く考えるべきだ。