新教皇レオ14世誕生 米出身 サンピエトロ広場に10万人集結、世界が注目

2025-05-09 10:34
2025年5月8日、新たに選出された教皇レオ14世がバチカンのサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーで信者たちに手を振って挨拶する。(AP通信)
2025年5月8日、新たに選出された教皇レオ14世がバチカンのサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーで信者たちに手を振って挨拶する。(AP通信)

「皆さんに大きな喜びの知らせを告げます。我々には教皇が誕生しました!」枢機卿団の筆頭枢機卿ドミニク・マンベルティは8日、サンピエトロ大聖堂の中央バルコニーから、ラテン語の「Habemus Papam(我々には教皇がいる)」という歴史的な言葉で世界に向け発表した。そして、第267代教皇の名前として「レオ14世(Leo XIV)」を公表した。

システィーナ礼拝堂の煙突から上がった白煙は、信者と世界に新しいローマ教皇、ペトロの後継者が選出されたことを告げた。133人の枢機卿の投票によって、アメリカ出身のロバート・プレヴォスト枢機卿が選出され、故フランシスコ教皇の後継者となった。マンベルティ枢機卿は「ローマ聖教会の枢機卿ロバート・プレヴォストは、レオ14世という名前を選びました」とラテン語で宣言した。

2025年5月8日、新たに選ばれた教皇レオ14世がバチカンの聖ペトロ大聖堂のバルコニーで信徒に手を振っている。(AP)
2025年5月8日、新たに選ばれた教皇レオ14世がバチカンのサンピエトロ大聖堂のバルコニーで信徒に手を振っている。(AP)

アメリカ出身の新教皇

今年70歳になるレオ14世はアウグスチノ会士で、1955年9月、米イリノイ州で生まれた。シカゴのカトリック統合神学校で神学を学び、ローマの聖トマス・アクィナス大学で教会法を専攻。1984年に修士号を取得後、ペルー・ピウラのチュルカナスで奉仕。1987年博士号を取得後、翌年にはトルヒーリョで活動した。

1999年にシカゴ管区の管区長に選ばれ、2001年にはアウグスチノ会総長、2007年に再選。2013年10月にシカゴの修道会に戻り、フランシスコ教皇によって2014年にペルー・チクラヨ教区の使徒管理者に任命され司教に叙階。2023年からバチカンで司教省長官、同年9月に枢機卿となった。

レオ14世の初スピーチ

5月8日午後7時半ごろ、プレヴォスト枢機卿は「教皇レオ14世」としてサンピエトロ大聖堂のバルコニーに初めて登場。約10万人がサンピエトロ広場に集い、新教皇の初スピーチを見守った。

彼は「恐れずに手を取り合い、主と共に歩もう。私たちはキリストの弟子だ。キリストは私たちの先を行く。世界は彼の光を必要としている」と強調した。

スピーチ全文は以下の通り:

「皆さんに平和がありますように!

親愛なる兄弟姉妹の皆さん、これが復活したキリストの最初の挨拶です。善き羊飼いであるキリストは、神の群れのために道を開かれました。この平和の挨拶が、皆さんの心に、家庭に、世界中の人々に届きますように。

これは武器を捨てさせる平和、心を落ち着かせ、謙虚にし、忍耐強くする平和です。私たちの耳にはいまだに、フランシスコ教皇がローマを祝福したかすかながらも力強い声が響いています。

復活祭の日曜日の朝、彼は世界に祝福を与えました。私も同じ祝福を与えたいと思います。神は私たちを愛しておられます。悪は勝てません。私たちは皆、神の御手の中にあります。だから恐れずに、主と手を取り合って歩みましょう。キリストは私たちの先を行きます。人類は神と愛への橋が必要です。 (関連記事: 白煙か黒煙?“ピンクの煙”で声を上げる女性達! フランシスコも解決できなかった難題:カトリック千年の伝統に対し、聖職者の男女平等を求める 関連記事をもっと読む

枢機卿団の兄弟たち、私をペトロの後継者として選んでくださったことに感謝します。キリストに忠実な使徒として、福音を恐れず宣べ伝え続ける努力を共に続けましょう。

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