「皆さんに大きな喜びの知らせを告げます。我々には教皇が誕生しました!」枢機卿団の筆頭枢機卿ドミニク・マンベルティは8日、サンピエトロ大聖堂の中央バルコニーから、ラテン語の「Habemus Papam(我々には教皇がいる)」という歴史的な言葉で世界に向け発表した。そして、第267代教皇の名前として「レオ14世(Leo XIV)」を公表した。
システィーナ礼拝堂の煙突から上がった白煙は、信者と世界に新しいローマ教皇、ペトロの後継者が選出されたことを告げた。133人の枢機卿の投票によって、アメリカ出身のロバート・プレヴォスト枢機卿が選出され、故フランシスコ教皇の後継者となった。マンベルティ枢機卿は「ローマ聖教会の枢機卿ロバート・プレヴォストは、レオ14世という名前を選びました」とラテン語で宣言した。

2025年5月8日、新たに選ばれた教皇レオ14世がバチカンのサンピエトロ大聖堂のバルコニーで信徒に手を振っている。(AP)
アメリカ出身の新教皇
今年70歳になるレオ14世はアウグスチノ会士で、1955年9月、米イリノイ州で生まれた。シカゴのカトリック統合神学校で神学を学び、ローマの聖トマス・アクィナス大学で教会法を専攻。1984年に修士号を取得後、ペルー・ピウラのチュルカナスで奉仕。1987年博士号を取得後、翌年にはトルヒーリョで活動した。
1999年にシカゴ管区の管区長に選ばれ、2001年にはアウグスチノ会総長、2007年に再選。2013年10月にシカゴの修道会に戻り、フランシスコ教皇によって2014年にペルー・チクラヨ教区の使徒管理者に任命され司教に叙階。2023年からバチカンで司教省長官、同年9月に枢機卿となった。
レオ14世の初スピーチ
5月8日午後7時半ごろ、プレヴォスト枢機卿は「教皇レオ14世」としてサンピエトロ大聖堂のバルコニーに初めて登場。約10万人がサンピエトロ広場に集い、新教皇の初スピーチを見守った。
彼は「恐れずに手を取り合い、主と共に歩もう。私たちはキリストの弟子だ。キリストは私たちの先を行く。世界は彼の光を必要としている」と強調した。
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、これが復活したキリストの最初の挨拶です。善き羊飼いであるキリストは、神の群れのために道を開かれました。この平和の挨拶が、皆さんの心に、家庭に、世界中の人々に届きますように。
これは武器を捨てさせる平和、心を落ち着かせ、謙虚にし、忍耐強くする平和です。私たちの耳にはいまだに、フランシスコ教皇がローマを祝福したかすかながらも力強い声が響いています。
枢機卿団の兄弟たち、私をペトロの後継者として選んでくださったことに感謝します。キリストに忠実な使徒として、福音を恐れず宣べ伝え続ける努力を共に続けましょう。
私はアウグスチノ会の修道士で、聖アウグスチヌスの後継者です。聖人は言いました『あなた方のために私は司教、あなた方と共に私はキリスト者です』。共に歩み、神が私たちのために用意された家に向かいましょう。
ローマ教会へ特別な挨拶を送ります。我々は宣教する教会、橋を架け、対話する教会でありたい。両手を広げ、すべての人々を迎え入れる教会でありたいと思います。
私の心は、ペルー・チクラヨ教区の忠実な人々にも向かっています。彼らは主教と共に歩み、イエス・キリストに忠実な教会として前進し続けます。
ローマ、イタリア、世界中の兄弟姉妹の皆さん、我々は常に平和を求め、慈善を行い、苦しむ人々を特に大切にする教会でありましょう。
今日はポンペイの聖母に祈る日です。マリア様が常に私たちと共にいてくださいますように。
最後に、皆さんと共に祈ります。新しい使命、教会全体、世界の平和のため、そしてマリア様の特別な恵みを祈りましょう。」
新教皇の誕生
枢機会議で新教皇が選出された後、何が行われるのか?
教皇名の決定
『教皇選挙儀礼秩序(Ordo Rituum Conclavis)』および使徒憲章『主の全群れ(Universi Dominici Gregis)』の規定によると、システィーナ礼拝堂である枢機卿が所定の多数票を獲得すると、選挙は教会法上有効に完了する。

2025年5月8日、バチカンの聖ペトロ広場に集まった大勢のメディア関係者が、教会の煙突から濃煙が上がるのを待っている。(AP)
バチカンニュースによれば、主教級の最年長枢機卿(本人が当選者の場合は次点の枢機卿)が全選挙枢機団を代表してラテン語で当選者に尋ねる。「あなたは教会法に従って教皇に選出されたことを受け入れますか?」同意が得られると、続けて「あなたはどの教皇名を選びますか?」と質問する。その後、教皇儀典長が2人の儀典係立ち会いのもと、当選者が受諾したことと選ばれた教皇名を記録する文書を作成する。
白煙と「涙の間」
選挙が完了すると、すべての投票用紙および投票に使用された書類は焼却され、システィーナ礼拝堂の煙突から白煙が上がることで、新教皇が選出されたことを告げる。当選者はシスティーナ礼拝堂を出て、隣接する更衣室、通称「涙の間」へ向かう。そこで教皇儀典長の補助を受け、枢機卿の赤い法衣を脱ぎ、あらかじめ用意されている3種類の教皇用白衣の中から1着を選んで着替え、しばし黙祷を捧げる。

2025年5月8日、新たに選ばれた教皇レオ14世がバチカンのサンピエトロ大聖堂のバルコニーに現れました。(AP)
初の儀式、敬意表明、テ・デウム(感謝の賛歌)
教皇は着替えを終えると再びシスティーナ礼拝堂に戻り、教皇座に着座し、簡単な儀式を行う。主教級首席枢機卿が挨拶を述べ、続いて執事級首席枢機卿が福音の一節、「あなたはペトロ(岩)である。この岩の上にわたしの教会を建てる」または「わたしの羊を飼いなさい」などを朗読する。その後、司祭級首席枢機卿が新しいペトロの後継者のために祈る。
続いてすべての枢機卿は、主教級、司祭級、執事級の順で新教皇に敬意と忠誠を示す。最後に、全員で「テ・デウム(感謝の賛歌)」を歌い上げる。

2025年5月8日、バチカンの聖ペトロ広場は煙が教会の煙突から上がるのを待つために集まった大勢の信徒と観光客で溢れました。(AP)
パウロ礼拝堂での祈り
執事級首席枢機卿のマンベルティは、サンピエトロ大聖堂の「祝福の間」バルコニーに立ち、ラテン語で「皆さんに大きな喜びの知らせを告げます。我々には教皇が誕生しました(Annuntio vobis gaudium magnum: Habemus Papam!)」と発表する。

2025年5月8日、新たに選ばれた教皇レオ14世がバチカンのサンピエトロ大聖堂のバルコニーで信徒に手を振っている。(AP)

2025年5月8日、新たに選ばれた教皇レオ14世がバチカンのサンピエトロ大聖堂のバルコニーで信徒に手を振っている。(AP)