台湾で祝日4日増加、労働節も全国休暇に 年休最大10日へ

台湾・立法院は5月9日に《記念日及び祝日実施条例》の修正案を正式に三読通過し、全国民の祝日が5日間増加することになった。今年の9月28日教師節から実施される予定である。(資料写真/蔡親傑撮影)

台湾・立法院は5月9日、「記念日及び節日実施条例」の改正案を正式に三読通過した。今後、台湾の国定祝日は4日増え、具体的には9月28日の孔子誕生日(教師の日)、10月25日の台湾光復および古寧頭戦勝記念日、12月25日の憲法記念日、旧暦の小年夜が追加される。また、これまで労働者のみの休暇とされてきた5月1日の労働節が全国共通の休日に格上げされ、すべての業種に適用されることとなった。

国定祝日が4日増、労働節も全国休暇へ

新法は総統の公布後すぐに施行され、早ければ今年の9月28日(教師の日)から適用される見込みだ。労働団体が長年訴えてきた「休暇の正義」が大きな前進を遂げることとなった。

今回の改正を推進した国民党会派は、「国定祝日の法制化は、労働者が長年街頭で訴えてきた成果だ」と強調。立法委員の牛煦庭氏は、「台湾経済は年々成長しているが、その裏には無数の労働者の努力と犠牲がある。政府は長らく十分な休息時間を保障してこなかった」と指摘。休暇が増えることで家族との時間が増え、希望する人は残業で2倍の賃金を得られるとして、「労働者にとって損はない」と述べた。

国定休日が増えた!新たに4+1日休暇。(図/風傳媒制作)
国定休日が増えた!新たに4+1日休暇。(画像/風傳媒制作)

既存の休日は影響なし、年間休日は最大10日へ

今回の改正では、一部の特定グループの休暇規定も見直された。原住民族の伝統行事による休暇は1日から3日に増え、各民族の慣習に基づいて日程を選べるようになる。民俗行事では、中元節(旧暦7月15日)、重陽節(旧暦9月9日)、祖父母の日(8月第4日曜)が新たに祝日または記念日に加わった。

さらに、法文には今後の全国統一休日は最低7日、最大10日と明記。元旦、平和記念日、大晦日から正月三が日、児童節(こどもの日)、清明節、端午節、中秋節、国慶日といった既存の11の国定祝日は影響を受けず、そのまま休暇が継続される。

記念日も多数追加、重陽・中元・祖父母の日も

新法では、休日とならない記念日も体系的に整理された。3月21日民族平等記念日、4月7日言論自由日、6月16日原住民族抵抗日、8月1日原住民族の日、8月15日終戦記念日、9月21日国家防災日など、20を超える歴史的意義のある日が記念日として定められ、国民に追悼・記念の機会を提供する。

この改正審議に対して、民進党の立法委員・蘇巧慧氏は留保意見を表明。「国定記念日の設定は社会的合意と歴史的価値に基づくべきで、単なる労働時間短縮の道具と化すべきではない」と主張。また、「今回の法案は拙速に可決され、多くの委員が最終的な修正内容を理解していない」とし、審議の質と手続き的正義の改善が必要だと指摘した。

一方、国民党会派は「この法案は『生活重視』であり、国民の期待に応えるもの。全員で休暇を享受する権利を推進し、内需消費や経済発展にも寄与する」と強調している。 (関連記事: トランプのアジア同盟国、残るは台湾だけ?親米の風向きが変わった日本、頼清徳政権は「安倍カード」に固執か 関連記事をもっと読む

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編集:梅木奈実

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