台湾で祝日4日増加、労働節も全国休暇に 年休最大10日へ

2025-05-09 17:46
台湾・立法院は5月9日に《記念日及び祝日実施条例》の修正案を正式に三読通過し、全国民の祝日が5日間増加することになった。今年の9月28日教師節から実施される予定である。(資料写真/蔡親傑撮影)
台湾・立法院は5月9日に《記念日及び祝日実施条例》の修正案を正式に三読通過し、全国民の祝日が5日間増加することになった。今年の9月28日教師節から実施される予定である。(資料写真/蔡親傑撮影)

台湾・立法院は5月9日、「記念日及び節日実施条例」の改正案を正式に三読通過した。今後、台湾の国定祝日は4日増え、具体的には9月28日の孔子誕生日(教師の日)、10月25日の台湾光復および古寧頭戦勝記念日、12月25日の憲法記念日、旧暦の小年夜が追加される。また、これまで労働者のみの休暇とされてきた5月1日の労働節が全国共通の休日に格上げされ、すべての業種に適用されることとなった。

国定祝日が4日増、労働節も全国休暇へ

新法は総統の公布後すぐに施行され、早ければ今年の9月28日(教師の日)から適用される見込みだ。労働団体が長年訴えてきた「休暇の正義」が大きな前進を遂げることとなった。

今回の改正を推進した国民党会派は、「国定祝日の法制化は、労働者が長年街頭で訴えてきた成果だ」と強調。立法委員の牛煦庭氏は、「台湾経済は年々成長しているが、その裏には無数の労働者の努力と犠牲がある。政府は長らく十分な休息時間を保障してこなかった」と指摘。休暇が増えることで家族との時間が増え、希望する人は残業で2倍の賃金を得られるとして、「労働者にとって損はない」と述べた。

国定休日が増えた!新たに4+1日休暇。(図/風傳媒制作)
国定休日が増えた!新たに4+1日休暇。(画像/風傳媒制作)

既存の休日は影響なし、年間休日は最大10日へ

今回の改正では、一部の特定グループの休暇規定も見直された。原住民族の伝統行事による休暇は1日から3日に増え、各民族の慣習に基づいて日程を選べるようになる。民俗行事では、中元節(旧暦7月15日)、重陽節(旧暦9月9日)、祖父母の日(8月第4日曜)が新たに祝日または記念日に加わった。

さらに、法文には今後の全国統一休日は最低7日、最大10日と明記。元旦、平和記念日、大晦日から正月三が日、児童節(こどもの日)、清明節、端午節、中秋節、国慶日といった既存の11の国定祝日は影響を受けず、そのまま休暇が継続される。

記念日も多数追加、重陽・中元・祖父母の日も

新法では、休日とならない記念日も体系的に整理された。3月21日民族平等記念日、4月7日言論自由日、6月16日原住民族抵抗日、8月1日原住民族の日、8月15日終戦記念日、9月21日国家防災日など、20を超える歴史的意義のある日が記念日として定められ、国民に追悼・記念の機会を提供する。

この改正審議に対して、民進党の立法委員・蘇巧慧氏は留保意見を表明。「国定記念日の設定は社会的合意と歴史的価値に基づくべきで、単なる労働時間短縮の道具と化すべきではない」と主張。また、「今回の法案は拙速に可決され、多くの委員が最終的な修正内容を理解していない」とし、審議の質と手続き的正義の改善が必要だと指摘した。

一方、国民党会派は「この法案は『生活重視』であり、国民の期待に応えるもの。全員で休暇を享受する権利を推進し、内需消費や経済発展にも寄与する」と強調している。 (関連記事: トランプのアジア同盟国、残るは台湾だけ?親米の風向きが変わった日本、頼清徳政権は「安倍カード」に固執か 関連記事をもっと読む

中国語関連記事

編集:梅木奈実

台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp

最新ニュース
共に米国に対抗!習近平とプーチンが3.5時間の首脳会談:供給連鎖の安定と台湾に対する立場を強調
呉典蓉コラム:《エコノミスト》大規模な対外宣伝活動、なぜ民進党を不快にさせるのか
舞台裏》国民党主席争いにダークホース登場か!盧秀燕は決断できず、朱立倫には人気なし 党内では彼に期待が集まる
2024年の査証(ビザ)発給件数が急増 中国・フィリピン・ベトナムが全体の9割近く占める
トランプ氏「半導体は台湾に奪われた」再び発言、関税50〜100%導入を示唆
独占インタビュー》「日本防衛は台湾防衛そのもの」――元陸自将軍が語る、中国抑止のカギと“ワンシアター”構想の全貌
連邦準備制度理事会は現状維持》パウエル議長「利下げを急がない」 トランプ氏の圧力にも影響されないと強調
『フォーリン・ポリシー』誌が見るペンタゴンの台湾海峡新戦略:太平洋配置は「島伝い戦術」をより重視、一方でトランプは同盟国を遠ざける
トランプのアジア同盟国、残るは台湾だけ?親米の風向きが変わった日本、頼清徳政権は「安倍カード」に固執か
新教皇レオ14世誕生 米出身 サンピエトロ広場に10万人集結、世界が注目
舞台裏》台湾スパイ事件で米国激怒 民進党政権に信頼危機、政権内部も対立激化
トランプ氏、英と貿易協定 相互関税の先陣、次は中国
金沢市長が台湾・台中訪問、建築と文化の縁深める 両市の友好93年
舞台裏》アメリカの意向に頼清徳が緊急指令! 民進党が国家安全法改正を急ぐ中、複数省庁「慎重な検討を」と懸念
白煙か黒煙?“ピンクの煙”で声を上げる女性達! フランシスコも解決できなかった難題:カトリック千年の伝統に対し、聖職者の男女平等を求める
米国、半導体関税発表へ 台湾・行政院『意見書を提出済み』
独身を恥じず活用:日本「独身経済」は百兆円突破。 自由を愛しぼっち飯を楽しむが、歳を取った際誰が側にいるのか?
舞台裏》局面に変化!花蓮の罷免、司法案件に悩む傅崐萁氏は「彼」に支援を求める?
舞台裏》罷免の偽造署名問題で検察が本格捜査へ! 2つの捜査チーム、国民党本部捜索で競合
『名探偵コナン 隻眼の残像』公開記念、スタンプラリーやカフェなど全国でイベント続々登場
台湾野党主席、頼清徳氏を「ヒトラー」と批判 ドイツ在台協会が異例の声明で非難
ガンダム最新作『GQuuuuuuX -Beginning-』特別企画展 アニメ東京ステーションで開催へ
台湾問題めぐる米中協議の噂、当事者不在の交渉報道も 米副大統領「対話行われていない」と否定
習近平の軍粛清が台湾侵攻能力を弱体化?米専門家が警鐘「過剰反応避けよ」
トランプ氏の関税戦争の次は「マール・ア・ラーゴ協定」か 専門家が警鐘「論理破綻の自滅行為」
米中関係、貿易戦争から協議へ 中国側「すぐ成果期待せず」カギは首脳会談
論評:台湾ドル壊滅的な大幅上昇、米台交渉のブラックボックス
歴史新ニュース》楽園から地獄へ──カシミール、印パ戦争の舞台と南アジア火薬庫の歴史的背景に迫る
論評:まだ「中共同路人」でない者はいるのか?
トランプの「映画関税戦争」開始、ハリウッドは再び偉大になれるか? 業界困惑:異常事態だ
人物》NVIDIA・CEOと会談、次は米国と交渉に臨む「中国経済貿易の皇帝」何立峰とは何者か?
半導体大手NVIDIAの黄仁勲CEO、中国AI市場に期待 「500億ドル規模、逸すれば大きな損失」
「台湾危機が前倒しに?」郭正亮氏が警告 関税戦争の陰で中国が動く恐れ
呂紹煒コラム:アメリカは賭けをするも、日本はアメリカを売却する? 頼政権は学ぶべきである
台湾発「フォルモサ債」発行減少、米住宅ローン市場に影響か 英FTが警鐘
トランプ氏「米国と取引できず中国経済は今ひどい」 中国側と「適切な時期に会談」
蔡英文氏、9日から欧州訪問 コペンハーゲン民主サミット出席へ
「中国ファン」の信仰が崩壊?ドイツの経済学者:中国の実態は外部の想像よりはるかに悪い
舞台裏》台湾での派閥争いなし、2023年には既に攻撃型無人艇が!米国、大統領が非対称戦を強要 軍は何を求めているのか不明瞭
嵐、2026年春のコンサートツアーをもって活動終了を発表 結成27年の歩みに幕【コメント全文】
教皇名に込められた意味 :「良」名復活なら伝統回帰の証? 単なる呼称を超えたカトリック教会の転換点を告げる重要性
「民主主義への第一歩は、メディアと大学への攻撃!」ノーベル賞受賞者スティグリッツ氏、トランプ2.0を厳しく批判
ドル安協調の代償、プラザ合意から30年 日本を襲ったバブルと長期停滞の教訓
李忠謙コラム:AIテクノロジーは自由民主主義の味方か、それとも専制政権の共犯者か?
アメリカ「他国を養う」ことに不満 商務長官:「なぜAIチップは台湾で製造されるのか?」
米ドル覇権は黄昏か?トランプ氏の政策にハーバード教授が警鐘
新台湾ドル急騰、中銀総裁「為替市場にハゲタカ出現」 異常変動に介入と表明
関税戦争が終わらず、通貨戦争が始まり:台湾は日本の「失われた30年」を辿るのか?
元外交官・垂秀夫氏が台湾訪問 蕭美琴副総統『日台の地域課題への関心に感銘』
北京観察》尖閣諸島で再び領有権争い!日本側は中国のヘリが領空侵犯と主張、日中に亀裂か