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舞台裏》台湾・国民党主席選 盧秀燕台中市長は出馬せず 朱立倫主席への反発強まる 台湾・台中市長の盧秀燕氏(写真)は次期党主席選への立候補を否定。国民党の党首人事をめぐる混乱はなお続いている。(写真/劉偉宏撮影)
台湾で8月23日に予定される第2波リコール投票では、社会的雰囲気や選挙情勢を踏まえ、リコール対象となっている国民党の立法委員7人全員が信任を得る見通しだ。半年以上にわたり重圧を受け続けてきた国民党は、最終的に「31対0」という圧倒的勝利を収める可能性がある。外部の危機はひとまず乗り越えられる形となるが、次期党主席をめぐる党内の混乱はむしろ激化している。現主席の朱立倫氏は7月26日の第1波リコール後、改めて「交代する」と表明し、再任を求めない意向を示した。だが、後継として最有力視されていた盧秀燕台中市長が出馬を否定したことで、10月に予定される党主席選は不透明感を増している。
盧氏の不出馬意向が早くも党内に広がり、不安と焦燥感が広まっている。関係者によれば、盧氏は8月23日のリコール投票終了当日に、正式に立場を表明するとみられる。すでに国民党議員との会合では「台中市長の職に専念する」と本人が明言しており、翻意の余地はないとされる。ただし、次期主席選にどの程度関与するのかについては、まだ結論を出していないという。
現任の朱立倫党主席(中央)は、7月26日の第1波リコール投票後に「バトンタッチする」と公言し、再選を目指さない考えを示した。(写真/劉偉宏撮影)
「2028年総統選に直行」盧氏の狙い 会合に同席した若手議員によると、盧氏は「2028年の総統選を目指す」と明言したという。台中市政で成果を示し、支持率を高めることが最終的に総統選で現職の賴清德氏に挑む最善策と考えている。韓国瑜元高雄市長(2019年)や侯友宜新北市長(2023年)が任期途中で総統選に出馬し「市政放棄」と批判され支持率を急落させた前例を踏まえ、同じ轍を踏むつもりはない。
さらに、今後の大きな選挙の変数とされる「藍白合作」(国民党=藍営と民衆党=白営の連携)についても、盧氏はすでに民衆党との関係が良好で、党主席職を通さずとも協力は可能だと自信を示している。
台中市長の盧秀燕氏は、市政をしっかりと運営し高い評価を維持することを優先しており、韓国瑜氏(左)や侯友宜氏(右)のように任期途中で大統領選に出馬して「市政放棄」と批判され、支持率が急落する失敗を繰り返さない方針だ。(写真/顏麟宇撮影)
新党主席の行方は国民党の政権奪還を左右 盧秀燕氏「無関心ではいられない」 盧秀燕氏を支持する国民党の有力者は、次期党主席選をめぐり三つのシナリオを挙げる。第一に盧氏が出馬せず朱立倫氏が続投、第二、盧氏が出馬せず朱氏は交代、盧氏が後ろ盾となる代理候補が勝利、第三に盧氏も朱氏も不出馬で盧氏が「党内民主を尊重する」として関与を避ける、の三つだ。この有力者は「第三の可能性は最も低く、実現すれば党にとって大災難になる。現実的には一か二のいずれかで、最終的には盧氏の判断次第だ」と語る。
さらにこの人物は「盧氏が党主席に立候補しないのはまだ理解できるが、『誰が次期党主席になっても構わない』と突き放すような態度は、党内で強い不満を招く」と指摘。盧氏は次期総統候補として最有力視され、国民党の「共主」となる立場にある以上、党の進路を無関心でいることは許されない。もし盧氏が党主席選を傍観し、結果的に孫文学校の張亜中総校長ら「親中・統一派」に党権を握らせれば、路線対立や党務混乱は避けられず、党のイメージは大きく失墜しかねない。その場合、盧氏自身の総統選戦略にも深刻な悪影響が及び、「本来責任を負うべき立場で逃げた」と党内外から批判が集中するのは必至だと警鐘を鳴らす。
関係筋によれば、盧氏や側近もすでにこうした「無関心では済まされない」という空気を認識している。次期主席人事に中立を貫く余地はなく、最終的な政治的帰結はすべて盧氏に跳ね返るからだ。一方、朱立倫氏の続投については、本人が「823リコール投票が最後の戦い」と明言しており、正当性は乏しい。朱氏の側近も「823投票後、党本部は交代準備に入る」と述べ、去意を固めていることを示唆。10月の主席選挙後に退任する姿勢を崩していない。
もし孫文学校総校長の張亜中氏(写真)のような「統一派」が党権を握れば、国民党の路線は再び混乱し、党のイメージ失墜が盧秀燕氏の大統領選にも影響を及ぼしかねない。(写真/顏麟宇撮影)
盧秀燕氏が朱立倫氏を支える? 総統への道にリスクも しかし8月17日、台中市での反リコール集会で盧氏は、朱立倫氏の手を掲げ「党主席として素晴らしい働きをしている」と称賛し、聴衆に拍手を求めた上で「お母さんからの『いいね』をあげる」と発言。これまで「党主席選には関与しない」と言われてきただけに、党内では「盧氏が朱氏を支え続投を容認するのでは」との観測が広がった。ある国民党元幹部は「単なるリップサービスの可能性もあるが、823前に同様の場面が繰り返されれば、本格的なメッセージと受け取られるだろう」と語る。
ただし同幹部は「仮に盧氏が朱氏を支持しても、朱氏の再選は容易ではない」と強調する。党内では反朱感情が高まり、基層の党員にまで浸透している。特に退役軍人組織「黄復興党部」では「誰でもいいから朱以外」との空気が強く、朱氏が張亜中氏と一騎打ちになった場合でも勝てるかは不透明だという。盧氏が朱氏を後押ししても、必ずしも勝利につながらないリスクがある。
国民党のある立法委員も「盧氏が本気で朱氏を残したいなら、自ら応援するだけでは足りない」と語る。台北市長の蔣萬安氏や桃園市長の張善政氏ら首長、さらに国会の過半を占める国民党立法委員団、さらには馬英九元総統や呉伯雄元主席といった党の重鎮まで動員しなければ、党内の反朱ムードを抑え込むことはできないという。しかし「果たして盧氏にそこまでのリスクを負う必要があるのか」という疑問も強い。もし朱氏が盧氏の全面支援を受けても敗北すれば、朱氏のみならず盧氏自身の政治的打撃も避けられない。慎重な盧氏の性格を踏まえれば、安易に朱氏と心中する可能性は低いとの見方が有力だ。
盧秀燕氏(右から2人目)は朱立倫氏(中央)の党主席としての働きを壇上で称賛し、拍手を促す姿を見せた。この発言は「朱氏続投を支持する意思表示ではないか」との憶測を呼んでいる。(写真/柯承惠撮影)
盧秀燕氏の「代理人」案 党内で浮上する2人の大物 国民党の次期主席をめぐる混乱を収束させる現実的な解決策として、盧秀燕氏が「代理人」を立てる案が取り沙汰されている。党を担えるだけの力量や経験を備え、かつ盧氏と連携可能な人物を主席に据え、今後2年間はその人物が党務を主導し、盧氏の2028年総統選出馬に向けて地盤を固めるという構想だ。
ただし現時点でその条件を満たす人材は限られており、反朱派から推されている前台中市長の胡志強氏は盧氏の選択肢に入っていないという。さらに、前立法委員の鄭麗文氏や前彰化県長の卓伯源氏ら、自ら立候補を表明している面々も対象外とされる。盧氏に近い関係者は「盧氏はまだ代理人案を決めていない。したがって具体的な接触も行っていない。誰かが『盧氏の支持を得た』と称するのは誤情報だ」と強調する。
この関係者によれば、盧氏は8月23日のリコール投票終了後に不出馬を明言し、その後9月4~5日の主席選登録までに約10日間の猶予がある。その間に代理人を立てるのか、それとも朱立倫氏続投を容認するのかを決断するとみられる。党内で「代理人」としてふさわしい人物は実質2~3人に絞られており、盧氏はいずれとも個人的関係があるため、直接話し合えば済む話で、中間者を介する必要はない。遅くとも8月末までには、次期主席の輪郭が明らかになる見通しだ。
前台北市長の郝龍斌氏(右)と嘉義市長の黄敏惠氏(左)は、党内で「盧秀燕氏の代理人」として有力候補に名前が挙がっている。(写真/曾原信撮影)
次期主席に浮上するのは黄敏惠氏と郝龍斌氏 有力候補として名前が挙がるのは、嘉義市長の黄敏惠氏と前台北市長の郝龍斌氏の2人だ。両者とも副主席経験があり、過去に主席選に出馬した実績も持つため、党務には精通している。就任すれば比較的スムーズに職務をこなせるとみられる。
黄敏惠氏は2026年に8年間による市長任期が満了予定で、施政満足度は高く、地元に根ざした「本土派」としての親和力を持つ。一方、郝龍斌氏は軍系人脈に加え、国民党内強硬派「戦闘藍」の支持を得ており、本土派とも一定の関係を維持している。ただし両者とも弱点はある。黄氏は深藍(親中保守派)の支持を取り付けにくく、郝氏は外省人出身であるがゆえに地方派閥との調整が難しいとの声もある。そのため、いずれも盧氏の全面的な支援が不可欠とされる。
実際、このところ郝氏に出馬を勧める声は増えているが、本人は「新主席は国民党が政権を奪還するために役立つ人物でなければならない」との立場を崩していない。単なるポスト争いでは党に益はなく、盧氏の意向が固まらない限り立候補は考えないという。黄氏も同様の判断をしているとみられる。というのも、次期主席は「茨の道」であり、リコール署名をめぐる虚偽問題で拘束・起訴された党職員が百人単位で存在し、その訴訟費用だけでも数十億円規模が必要とされる。また、2026年地方選に向けた候補者選定という難題も控えているからだ。
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