女子ゴルフの山下美夢有選手が8月5日、日本記者クラブで会見を行い、1日に終了した海外女子メジャー「AIG全英女子オープン」での初優勝について心境を語った。日本勢による海外メジャー制覇は、樋口久子、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、西郷真央に続き6人目。日本記者クラブで会見した女子ゴルファーとしては2019年8月の渋野日向子選手以来2人目となった。
山下選手は、最終日を同組で回った韓国のキム・アリム選手から祝福を受けた場面を振り返り、「すごく優しく接してくださって、最後にお祝いしていただき嬉しかった」と笑顔を見せた。リンクス特有の強風や深いバンカーに苦しみながらも、「4日間ショットが安定し、バンカーにほとんど入らなかったことが優勝につながった」と手応えを語った。
今回の勝利で世界ランキングは9位から6位に浮上。トップ選手たちについては「誰がというより、トップで戦う選手の技術を見て参考にしている」と話した。
石川県七尾市出身の母を持つ山下選手は、今年の能登半島地震にも言及。「結果で恩返ししたいという思いがあった。優勝を届けられて嬉しい」と被災地への思いを述べた。父が富山県滑川市出身であることから、北陸のファンにも「応援が届いていたら嬉しい」と感謝を表した。
会見では家族の支えについても語られた。父からの技術的助言には「間違っていないと信頼している」と述べ、弟や妹も同じくゴルフに取り組む兄弟として「一番近くで支えてくれた」と涙ぐむ場面もあった。「兄弟で結果を残したい」と今後の目標も口にした。
優勝を決めた後の賞金の使い道については「まだ考えていないが、美味しいものを食べたい」と笑い、好きな食べ物として焼肉やステーキ、寿司を挙げた。米国生活では週1回のペースでハンバーガーを食べるなど、食のエピソードも披露した。
パリ五輪での4位入賞経験も糧になったという。「あの時は悔しかったが、精度重視のプレーを心掛けた結果、今回の優勝につながった」と振り返った。
今後については「1勝だけでなく2勝、3勝と優勝を目指す。他のメジャーでも勝ちたい」と意気込みを語った。週末の国内ツアー、北海道明治カップへの出場も予定しており、「日本のファンの前でプレーするのを楽しみにしている」と話した。
最後に、自身の名前「美夢有」に込められた思いについても触れた。「小さい頃からの夢だったメジャー優勝を叶えることができた。父と母がつけてくれたこの名前が大好き」と語り、会見を締めくくった。
編集:佐野華美
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