すべての偉大な都市には、唯一無二の建築物が存在する。クリスマスの季節に華やかな灯りで彩られるニューヨークのエンパイア・ステート・ビルは、かつて19世紀で最も高い建築であり、今日に至るまで文化的象徴として揺るぎない地位を保っている。ドバイのブルジュ・ハリファは、まるでロケットのように天を突き抜け、建築技術の粋を示すだけでなく、独創的な超高層建築の美学を世に示している。そして台北101は、地震帯に位置する台湾ならではの安全設計思想から生まれ、卓越した耐震技術を誇ると同時に、独自の外観デザインや大晦日の華麗な花火演出によって都市そのものを世界の舞台へと押し上げた。これにより、台北は世界で最も人気のあるアジアの観光都市の一つとして確固たる地位を築いている。
92階にそびえる豪華な金の球、建築家の訪問地
2004年に竣工した台北101は、当時世界一の高さを誇る建築物であっただけでなく、92階の床下に吊り下げられた黄金の「チューンド・マス・ダンパー」が、世界中の旅行者や著名な建築家を引き寄せる象徴的な存在となっている。現在でも観光客に最も人気のある場所は、高層展望台から間近に眺められる直径5.5メートル、総額400万元の巨大な金球だ。強風による揺れを軽減する機能を持ちながら、圧倒的な視覚的インパクトを放っている。
さらに、台北101の88階展望台からは360度の視野が広がり、松山空港に離着陸する航空機や山々に囲まれた台北盆地の地形美を一望できる。都市の通りに並ぶ建築群や人と車の流れを見下ろすことで、台北という都市の鼓動を肌で感じられる、他にない体験となる。
度胸のある人は、最高地点に近い屋外アクティビティ「101 Skyline 460」に挑戦するのもよい。雲に手が届きそうな高さを歩けば、これまでにない開放感と絶景を味わえる。一方で、より穏やかに楽しみたい人には、台湾で最も高い88階のカフェ「興波咖啡」や85階のレストランで一息つき、台北の昼夜が織りなす美しい景観に浸るという贅沢な過ごし方も用意されている。
象山歩道と四四南村、台北の小さな芸術の宝庫
現地での体験に加え、台北101をより豊かに楽しむ方法は数多く存在する。台北市信義区にある「象山登山歩道」は、約600段の石段が連なることで知られている。この登山路を進むごとに視界に入る台北101は地平線から少しずつその姿を現し、わずか20分で摩天楼と肩を並べる高さに到達することができる。登山途中には、巨人の指の隙間のように見える「一線天」や「六巨石」といった写真映えする名所も点在する。さらに進めば、台北の街並み全体が青空を背景とした小さなアート作品のように眼前に広がり、その中心にそびえる台北101が最も際立つ存在として輝きを放つ。
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体力をあまり消耗せずに楽しみたい人には「四四南村」が好適である。ここはかつて国民政府来台後、「聯勤第四十四兵工廠」の従業員が暮らした集落であり、木材や竹、石灰、瓦などで建てられた素朴な平屋建ての眷村が並んでいた。台湾の重要な発展期を証言する歴史的空間は、現在では高層ビルが立ち並ぶ信義区の中心にありながら、静かな時間を感じられる貴重な場所となっている。敷地内にはベーグルで人気の「好丘」や、定期的に開かれる文創市集や芸術イベントもあり、多彩な形で台北の土地の魅力を伝えている。
