陸文浩の視点:米露首脳がアラスカで対峙、中露海軍の合同巡航が直撃

2025-08-15 16:15
中露の海軍艦艇が北太平洋の公海上で合同巡航を行う様子。(資料写真)
中露の海軍艦艇が北太平洋の公海上で合同巡航を行う様子。(資料写真)

中国とロシアによる第6次合同巡航は8月6日、西太平洋北部海域に入った。今回の巡航は中露海軍史上、兵力規模が最も小さいとみられるが、「西太平洋の安全保障上の脅威に共同で対応する」という戦略任務を担っている可能性がある。今後は、日米の海上軍事同盟への対抗策として定期的な巡航となる可能性も指摘されている。ロシアのプーチン大統領と米国のトランプ大統領は15日、アラスカの米軍基地で「ロシア・ウクライナ戦争」をめぐる協議を行ったが、この後には第9回「合同空中戦略巡航」任務が予定されている。さらに英国の空母打撃群が9月上旬まで日本に滞在する予定で、この間、中露両国の軍事協力は一層緊密になる見通しであり、中国東部戦区は警戒態勢を強化するとみられる。

中央気象局によると、台風11号(ポードル)は8月13日午後1時ごろ台東県太麻里付近に上陸し、同日午後4時ごろ台南市七股から台湾海峡に抜けた。14日午前5時の時点で中心は金門の西約210キロにあり、西北西に向かって広東省汕頭へ進んでいる。中国艦は早ければ14日から15日にかけて台湾周辺海域に戻る可能性があり、中国軍機も15日から次々と海上に展開する見込みだ。気象局の予報では、16日(土)から17日(日)にかけて台湾各地は晴天に向かい、中国艦艇や航空機は即座に台湾海峡へ戻って演習を再開すると予想される。

まず、筆者の推測では、気象庁の情報に基づき、台風11号は8月10日午前8時時点で北緯21.4度、東経138.5度付近にあり、時速19キロで西進していた。この進路は、米国、英国、日本などの軍事同盟が西太平洋海域で演習を行っていたエリアに向かう可能性があり、演習が早期終了するか、中露合同巡航編隊が日本周辺海域への接近を一時延期するか、さらには台湾海峡を含む両岸関係が一時的に冷却期間に入るかが注目される。(関連報道:陸文浩の視点:ジョンソンと頼清徳が連携して中国を牽制、中国軍戦備の強化新模式!)

日本防衛省統合幕僚監部は8月12日、4件の発表を連続して行い、このうち2件では中国海軍艦艇3隻(052D型駆逐艦「淄博」=156、054A型護衛艦「揚州」=578、815A型電子偵察艦「玉衡星」=798)が8月10日と11日に西太平洋から宮古海峡および大隅海峡を経由して東シナ海へ戻ったことが報告された。これらの艦は、浙江省舟山の定海第6駆逐艦支隊および第2作戦支援艦支隊に所属し、西太平洋での監視と電子偵察任務を終了。米英日豪西ノルウェーが8月4日から12日まで西太平洋で行った海上合同訓練の影響を受け、さらに台風の進路が演習海域を直撃する予測もあったため、東部戦区海軍の艦艇は8月10日と11日に宮古海峡および大隅海峡を通過して浙江省舟山の基地へ戻り、台風に備えたとみられる。 (関連記事: 陸文浩の見解:英ジョンソン氏初訪台 賴総統と示す対中姿勢と中国軍の動き 関連記事をもっと読む

英国海軍の「エリザベス女王」級空母「プリンス・オブ・ウェールズ」(R09)は8月12日、神奈川県の米軍横須賀基地に接岸した。同行する打撃群の一員である英国海軍Type45防空駆逐艦「ダントレス」(HMS Dauntless)や、ノルウェー海軍の対潜フリゲート艦「ロアルド・アムンセン」(HNoMS Roald Amundsen)も、近隣の海上自衛隊横須賀基地などに到着。西太平洋での合同演習は、台風対策のため少なくとも5日間前倒しで終了し、日本の軍港で休養に入った。

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