クレムリンは14日、米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領がアラスカ州アンカレッジで会談を行うと発表した。ただし会談後にいかなる文書も署名しない方針である。ロシア大統領府報道官ペスコフ氏は、今回の会談に向けて協定文書は用意していないと強調したうえで、終了後には共同記者会見を開き、両首脳が直接成果を説明すると述べた。また、会談内容について外部が早急に予断を下すべきではなく、「今結論を出すことは大きな誤りだ」と呼びかけた。
なぜトランプ・プーチン会談の準備がこんなにも短期間で行われたのか?
ペスコフ氏はロシアのテレビ局「第1チャンネル」の番組で、今回の首脳会談の準備期間は異例の短さだったが、背景となる情勢もまた特別であると述べた。さらに、トランプ氏が複雑な課題に取り組む際、極めて個性的で非伝統的な手法を示していることに言及し、この姿勢はモスクワから高く評価され、プーチン大統領本人からも強い称賛を受けていると明らかにした。
トランプ・プーチン会談のスケジュールが明らかに
ホワイトハウスが公表した日程によれば、トランプ大統領は現地時間15日午前にワシントンを出発し、同日午前10時10分にアンカレッジへ到着する予定である。プーチン大統領は午前11時に到着し、午前11時30分から両首脳による一対一の会談が正式に始まる。その後、代表団を交えた昼食会を行い、午後3時30分に共同記者会見を開く予定だ。トランプ氏は、今回の対話は今後のロシア・ウクライナ和平交渉の布石であり、状況が整えばウクライナのゼレンスキー大統領や欧州の首脳を招き、三者または多者会談を行う可能性も検討すると表明している。
トランプによる和平プロセスの評価とは?
トランプ氏はインタビューで、もし自分が大統領でなければウクライナはすでにロシアに全面併合されていた可能性が高いと率直に述べた。さらに、プーチン大統領は戦争終結への意思を示しており、自身は会談開始から数分以内に交渉の見通しを判断できる自信があると語った。交渉が順調に進めば、直ちにゼレンスキー大統領や欧州の首脳と連絡を取り、次回会合を手配するとし、逆に交渉が決裂した場合はそのままワシントンに戻り、当面は他の関係者との接触を控える方針も明らかにした。
なぜアラスカがトランプ・プーチン会談の可能性のある会場に選ばれたのか?
トランプ氏は、会談の開催地として3カ所を検討しており、その一つがアラスカであったことを明らかにした。選定理由は地理的利便性に加え、象徴的な意味合いを持つためだという。外部では、アラスカはかつて米露の歴史が交錯した重要な地域であり、今回再び首脳会談の舞台となることで、政治的・外交的な象徴性が一層強まったとの見方が広がっている。
編集:柄澤南 (関連記事: トランプ氏、プーチン氏に停戦迫る構え 米露会談はアラスカ軍事拠点で 領土交渉権はゼレンスキー氏に | 関連記事をもっと読む )
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp