トップ ニュース 陸文浩の視点:中国共産党軍のキロ級潜水艦、北上して中露合同演習に参加
陸文浩の視点:中国共産党軍のキロ級潜水艦、北上して中露合同演習に参加 中露の「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航は、8月1日から5日まで実施され、その後、一部部隊が西太平洋で合同巡航任務を実施した。(写真/中華軍網提供)
ロシアの報道によると、8月3日午前5時、ロシアのタグボートと軍港支援スタッフが協力し、中国海軍の潜水艦救援艦「西湖浩」とロシアの「ベロウソフ号」救難船が港を出航した。中露合同の「海上共同-2025」演習では、従来の「潜水艦救援」演習を発展させ、両国海軍の「援潜救生」を中心にした合同訓練が行われている。
ロシアと中国の国防省は、2025年8月1日から5日まで「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航を実施し、演習終了後は一部兵力が西太平洋での合同巡航任務に入る予定だと発表した。両国は、この活動が年次協力計画に基づくものであり、第三国を対象とせず、現在の国際及び地域情勢には関係しないことを強調している。しかし、この演習は「戦略航路の安全維持」をテーマにし、特に「西太平洋の安全脅威への対応」を新たにテーマに加えている。この変更は、米国や日本、豪州、カナダ、フランス、英国などの軍事同盟による西太平洋での合同軍事演習に対する反応と見なされている。
演習には、両国の水中静粛性に優れた「キロ級潜水艦」が参加しており、その注目度は高い。中国海軍とロシア海軍はそれぞれ、潜水艦救援、合同対潜、対空防衛、対海作戦の訓練を行い、実戦的な演習を進めている。
日本の防衛省統合幕僚監部、ロシア太平洋艦隊、中国国防部の情報を基に、2025年7月24日、中国の北部戦区海軍の052D型駆逐艦「ウルムチ号」(118)と「紹興号」(134)及び第2作戦支援艦隊の903型補給艦「千島湖号」(886)が、黄海を経て対馬海峡から日本海に入ったことが確認された。その後、北部戦区海軍の927型援潜救難船「西湖浩」(841)が7月24日から25日にかけて、黄海を経て対馬海峡から日本海に入ったと推測されている。これらの艦艇は、通常潜水艦任務に伴う護衛任務の一環として動いていたと見られる。
ロシア太平洋艦隊は、2025年7月31日、ロシアの「海軍駆逐艦アドミラル・トリブツ 号」と「リュウラン号」及びディーゼル電気潜水艦「ヴォルホフ号」、救援船「イゴール・ベロウソフ号」がロシアのウラジオストク港に停泊していることを報じた。「トリブツ海軍大将号」の大型対潜艦と「リュウラン号」の護衛艦は、中国艦艇と共に桟橋に停泊しており、この合同演習の重要な参加者である。
ロシアと中国の国防省は、「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航を発表。(写真/中華軍網提供)
新華社の報道によると、8月1日にロシアのウラジオストクの軍港で始まった中露「海上共同-2025」合同演習は、主に「戦略航路の安全維持および西太平洋の安全脅威への対応」をテーマにしており、両国の協力を深め、国際・地域の平和と安定の維持能力を高めることを目的としている。
演習の範囲はロシアのウラジオストク周辺の海空域であり、8月1日と2日は港岸での計画段階にあたる。両国は共同で計画や専門的な討論、スポーツイベント、艦艇見学、甲板でのレセプションなどの交流活動を行った。その後、3日からは海上での合同演習が始まり、潜水艦救援、合同対潜、対空防衛、対海作戦などの科目が練習された。また、実際の武器を使用した訓練も実施された。
これに続き、筆者は中国海軍が現在配備しているロシア製のキロ級潜水艦に関する情報を調べ、東部戦区に6隻、南部戦区に4隻のキロ級潜水艦が配備されていることを確認した。東海艦隊の6隻は浙江省の象山第42潜水艦隊所属であり、636型の2隻(366、367)、および636M型の4隻(368、369、370、371)で構成されている。南海艦隊の4隻は海南フィリップス第32潜水艦隊に配属され、全て636M型の潜水艦(372、373、374、375)である。
新たな報道によると、8月3日には中国海軍が潜水艦救援艦「西湖浩号」と潜水艦「長城210号」を派遣したとされ、これらの潜水艦は中国海軍のキロ級636M型/371に該当すると考えられている。前回の筆者の推測と一致し、中国の「キロ級」潜水艦が東部戦区象山第42潜水艦隊所属の371艇として、ロシア太平洋艦隊ウラジオストクに向かったことが確認されている。
今回の中露「海上共同-2025」演習に参加する艦船や演習科目を踏まえ、「援潜救生」という項目が特に注目されており、両国の協力関係の深さとともに、潜水艦救援船やロシアの「ヴォルホフ号」、中国がロシアから購入したキロ級潜水艦の存在が強調されている。
中国がロシアから購入したキロ級潜水艦12隻の艇型、艦番号、就役年は以下の通りである:
877EKM/364(就役1994年11月15日)
877EKM/365(就役1995年8月15日、退役済み)
ロシアは、今回の演習で参加しているキロ級潜水艦が改良型の第3世代通常潜水艦であり、現在最も静粛性が高いとされていることを強調している。艦名は「ヴォルホフ号」で、636.3型/B-603は2020年10月24日に就役し、ロシアの「ルビン」設計局によって開発された。ロシアと中国のキロ級潜水艦の就役年には15年の差があり、中国軍がなぜ新しい元級潜水艦ではなく、ロシアから購入したキロ級潜水艦を派遣したのかについての疑問が生じている。
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ロシアと中国の国防省は、「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航を発表。8月1日から5日まで実施され、その後、一部部隊が西太平洋で合同巡航任務に従事する予定。(写真/中華軍網提供)
回想すると、中国の公式メディアである新華網は2014年12月中旬に報じた。深夜、戦備遠航任務を遂行していた372号潜水艦、通称「大洋の黒穴」が静かに潜航していたという。この訓練では、突然の深海沈没や水の浸入といった危機的状況が発生したが、指揮官の王紅理は冷静かつ果敢に指揮を執り、全員が命を懸けて乗り越え、多くの困難を克服して任務を完了させた。
この訓練の成功は、潜水艦の危機管理の重要な教訓となり、海軍潜水艦部隊の貴重な財産となったと評価されている。海軍潜水艦学院の支天龍院長は、この訓練を「生と死の駆け引きであり、成功例として教案に採用されるべきだ」とし、海軍潜水艦部隊にとって不可欠な学びの機会となったことを強調した。
その後、中露海軍は「潜水艦救援」科目を中心に合同訓練を開始。2017年には、初めて日本海とオホーツク海で実施された「海上共同2017(Ⅱ)」演習において、対潜・援潜救生の実弾訓練が行われた。また、2019年の「海上共同2019」演習では、ロシアの「イゴール・ベロウソフ号」救援船が中国側の潜水艦と連携し、事故潜水艦の乗員移送を成功させた。
そして、今回の「海上共同-2025」演習では、両国が共同で潜水艦救援能力を強化する訓練を行い、両国の潜水艦救援船や「ヴォルホフ号」キロ潜水艦、中国がロシアから購入したキロ級潜水艦が参加した。この訓練は、両国の海軍が「戦略航路の安全維持」や「西太平洋の安全脅威への対応」をテーマに行われ、強力な連携を築くことを目的としている。
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世界で最もAIが使いやすい国へ 城内実大臣が描く日本の未来 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)は2025年7月30日、内閣府特命担当大臣(科学技術政策)の城内実氏を招き、「日本の最新科学技術政策:世界で最もAIを開発・活用しやすい国、研究者にとって最も魅力的な国を目指して」と題するハイブリッド記者会見を開催した。城内氏は日本語と英語を交えて講演と質疑に応じ、AI政策の全体像や国際的な展望を丁寧に説明し......
台湾東部・台東人気観光地ランキング発表 絶景と便利さで富岡が1位に 台湾で最も長い海岸線を誇り、豊かな文化資源を持つ台東は、自然景観や原住民文化、特色ある市集やスローライフの雰囲気で観光客を魅了する地域だ。2025年1月から4月までの台東観光統計によると、最も訪問者数が多かったのは「東部海岸富岡地質公園と加路蘭休憩区」で、累計816.1万人に達した。2位は「都蘭遊憩区と周辺地域」の615.2万人、3位は「台東森林公園」の48......
台湾の旅行客が日本の心霊スポットで遺体発見 廃墟ビルから白骨化した遺体見つかる 新潟県妙高市で、廃墟となった商業施設から白骨化した遺体が発見された。現場を訪れていた若者たちが肝試し中に見つけたもので、遺体は腐敗が進み骨が露出しており、死後1年以上が経過しているとみられる。警察の調べで、遺体は観光ビザで入国していた40代の台湾人男性と判明した。
肝試しで白骨遺体を発見事件が発生したのは5月24日夜。『新潟日報』によると、妙高市内の廃棄され......
少年犯罪と闇バイト急増 龍谷大・浜井浩一教授が警鐘「日本の治安は揺らいでいる」 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)は29日、龍谷大学法学部教授の浜井浩一氏を招き、「日本は本当に安全か? イメージとのギャップから読み解く日本の治安」と題した記者向けブリーフィングを開催した。治安大国とされる日本の実態を、犯罪統計や社会調査の分析を通じて解説する内容で、ベルギーやシンガポール、米国など海外メディアの記者も参加した。
浜井氏は冒......
台湾発TeamT5、サイバー脅威の最新動向と防御戦略を解説 2025年7月24日、台湾発のサイバーセキュリティ企業TeamT5は、「迫るサイバー攻撃、対応の遅れが命取りに?~脅威インテリジェンスで後手から先手の守りへ~」と題したWEBセミナーを開催。本セミナーでは、国家支援型APT(高度持続的脅威)の増加や、高度化する攻撃手法への対応策として、TeamT5が提供する脅威インテリジェンスプラットフォーム「ThreaVi......