陸文浩の視点:中国共産党軍のキロ級潜水艦、北上して中露合同演習に参加

2025-08-06 15:22
中露の「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航は、8月1日から5日まで実施され、その後、一部部隊が西太平洋で合同巡航任務を実施した。(写真/中華軍網提供)
中露の「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航は、8月1日から5日まで実施され、その後、一部部隊が西太平洋で合同巡航任務を実施した。(写真/中華軍網提供)

ロシアの報道によると、8月3日午前5時、ロシアのタグボートと軍港支援スタッフが協力し、中国海軍の潜水艦救援艦「西湖浩」とロシアの「ベロウソフ号」救難船が港を出航した。中露合同の「海上共同-2025」演習では、従来の「潜水艦救援」演習を発展させ、両国海軍の「援潜救生」を中心にした合同訓練が行われている。

ロシアと中国の国防省は、2025年8月1日から5日まで「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航を実施し、演習終了後は一部兵力が西太平洋での合同巡航任務に入る予定だと発表した。両国は、この活動が年次協力計画に基づくものであり、第三国を対象とせず、現在の国際及び地域情勢には関係しないことを強調している。しかし、この演習は「戦略航路の安全維持」をテーマにし、特に「西太平洋の安全脅威への対応」を新たにテーマに加えている。この変更は、米国や日本、豪州、カナダ、フランス、英国などの軍事同盟による西太平洋での合同軍事演習に対する反応と見なされている。

演習には、両国の水中静粛性に優れた「キロ級潜水艦」が参加しており、その注目度は高い。中国海軍とロシア海軍はそれぞれ、潜水艦救援、合同対潜、対空防衛、対海作戦の訓練を行い、実戦的な演習を進めている。

日本の防衛省統合幕僚監部、ロシア太平洋艦隊、中国国防部の情報を基に、2025年7月24日、中国の北部戦区海軍の052D型駆逐艦「ウルムチ号」(118)と「紹興号」(134)及び第2作戦支援艦隊の903型補給艦「千島湖号」(886)が、黄海を経て対馬海峡から日本海に入ったことが確認された。その後、北部戦区海軍の927型援潜救難船「西湖浩」(841)が7月24日から25日にかけて、黄海を経て対馬海峡から日本海に入ったと推測されている。これらの艦艇は、通常潜水艦任務に伴う護衛任務の一環として動いていたと見られる。

ロシア太平洋艦隊は、2025年7月31日、ロシアの「海軍駆逐艦アドミラル・トリブツ号」と「リュウラン号」及びディーゼル電気潜水艦「ヴォルホフ号」、救援船「イゴール・ベロウソフ号」がロシアのウラジオストク港に停泊していることを報じた。「トリブツ海軍大将号」の大型対潜艦と「リュウラン号」の護衛艦は、中国艦艇と共に桟橋に停泊しており、この合同演習の重要な参加者である。

筆者提到,俄、中兩國國防部,先後公布中俄「海上聯合-2025」與第6次聯合巡航,於8月1至5日,以及5日後中俄部分兵力向西太平洋進行聯合巡航任務。(中華網)
ロシアと中国の国防省は、「海上共同-2025」演習と第6回合同巡航を発表。(写真/中華軍網提供)

新華社の報道によると、8月1日にロシアのウラジオストクの軍港で始まった中露「海上共同-2025」合同演習は、主に「戦略航路の安全維持および西太平洋の安全脅威への対応」をテーマにしており、両国の協力を深め、国際・地域の平和と安定の維持能力を高めることを目的としている。

演習の範囲はロシアのウラジオストク周辺の海空域であり、8月1日と2日は港岸での計画段階にあたる。両国は共同で計画や専門的な討論、スポーツイベント、艦艇見学、甲板でのレセプションなどの交流活動を行った。その後、3日からは海上での合同演習が始まり、潜水艦救援、合同対潜、対空防衛、対海作戦などの科目が練習された。また、実際の武器を使用した訓練も実施された。

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