東京・渋谷の夏の風物詩「渋谷盆踊り」が8月2日、SHIBUYA109前のイベントスペースで開催された。主催者発表によると、当日の来場者数はおよそ6万2,000人にのぼり、そのうち約3割が外国人観光客だったという。
このイベントは2017年にスタートし、「渋谷で暮らす人」と「渋谷を訪れる人」がともに楽しめる、日本文化の発信イベントとして毎年実施されている。第6回目となる今回は、ホノルル市との姉妹都市交流や、沖縄出身バンド「BEGIN」による生演奏、渋谷にゆかりのある演歌歌手・伍代夏子との共演など、バラエティに富んだプログラムが展開された。

地域と観光が融合する「渋谷発」の盆踊りイベントに
開会式では、主催者を代表して渋谷区商店会連合会会長・渋谷道玄坂商店街振興組合理事長の大西賢治氏が登壇。「台風の接近により開催を断念しかけたが、多くの方に足を運んでいただき感謝している。渋谷は幸運の街。ぜひ買い物や食事も楽しんでほしい」と挨拶した。また、婦人連など地域の協力に触れ、「渋谷をさらに盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

続いて、渋谷区の長谷部健区長も「渋谷は“違いを力に変える”まち。交わり、認め合い、新しい文化を生み出していきたい」と述べ、「『渋谷盆踊り(通称・渋ボン)』が世界中に広がっていくことを期待している」とコメント。昨年姉妹都市提携を締結したホノルル市との関係にも触れ、「国際交流の場としても多くの方に楽しんでもらいたい」と語った。

点灯式にはホノルル市長らも参加 渋谷の夜に灯りがともる
点灯式には、大西理事長、長谷部区長のほか、一柳直生・渋谷区議会議長、ホノルル市のリック・ブランジャルディ市長、髙橋雅夫・渋谷警察署署長、喜多英二・渋谷消防署署長、堀江正広・東急株式会社社長らが出席。関係者が一斉にスイッチを押すと、会場には温かな光が灯り、観客からは拍手が湧き起こった。

《風傳媒》が現地で取材したところ、会場では、日本人のみならず、欧米やアジア各国からの観光客も多く見られた。浴衣姿で踊りに加わる人々、偶然通りがかってスマートフォンで撮影する外国人旅行者の姿も目立ち、言語や文化の垣根を越えて、会場全体に一体感が生まれていた。

BEGINと伍代夏子が共演 道玄坂に響く和太鼓と盆踊り
ステージでは、今年デビュー35周年を迎えた沖縄出身のバンド「BEGIN」が3年連続で出演。「渋谷百年総踊り」などの楽曲を生演奏で披露した。また、渋谷生まれ・渋谷育ちの演歌歌手・伍代夏子氏も登場し、「第2の故郷」と語る渋谷の地でBEGINとの夢の共演が実現した。
点灯式の後は、道玄坂婦人連など地域団体による盆踊りがスタート。訪れた人々も自然と踊りの輪に加わり、会場には和太鼓の音が響き渡った。渋谷の中心地が一夜限りの「踊りのまち」となり、熱気に包まれた。
編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾の旅行客が日本の心霊スポットで遺体発見 廃墟ビルから白骨化した遺体見つかる | 関連記事をもっと読む )
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