台湾積体電路製造(TSMC)が日本・熊本に工場を建設したことで、地域経済や税収が大幅に増加している。日本には地方自治体への補助金に関する「不交付団体」という特別な制度がある。これは、税収が豊かで国からの交付金に頼らずとも財政運営が可能な自治体を指す。九州の熊本県菊陽町が今年初めてこの不交付団体に指定され、注目を集めている。主な要因は、TSMCの進出により地方税収が急増したことにある。
『産経新聞』などの報道によれば、総務省は7月29日、全国の地方自治体に対する「普通交付税」の配分を公表した。いわゆる国の補助金にあたるものである。今年度の不交付団体は85自治体に達し、前年より2つ増加した。TSMCが立地する熊本県菊陽町もその一つであり、同町が不交付団体となるのは実に17年ぶりのことである。
報道によれば、熊本県菊陽町を含む10市町村が今年初めて不交付団体に指定された。とりわけ菊陽町は、世界最大の半導体受託製造企業である台湾積体電路製造(TSMC)の進出と本格稼働により税収が伸び、初めて不交付団体の仲間入りを果たした。
報道ではまた、2025年度の日本の普通交付税総額は17兆8198億円で、前年度比1.6%増となったと伝えている。不交付団体の数は日本経済の動向と密接に連動しており、2000年度以降では2007年度の142団体が最多、2010年度の42団体が最少であった。その後、2019年度には86団体まで回復したが、コロナ禍で54団体に減少し、パンデミック収束後は企業業績の回復に伴って再び増加傾向にある。 (関連記事: TSMC、熊本第2工場の遅延と米国拡張の加速?学者が政治的考慮を指摘:台湾政府は備えるべき | 関連記事をもっと読む )
編集:柄澤南
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