台湾総統府は8月1日、米国が台湾に対して発動した「相互関税」措置に関する記者会見を開き、頼清徳総統は「現時点で交渉は段階的な成果を得ており、税率は32%から20%に引き下げられたが、20%という水準は当初から台湾側の交渉目標ではなかった」と述べた。今後の協議において、さらに有利かつ妥当な税率を目指す方針であり、米国側もその意向を示しているという。
頼総統によれば、米国が4月2日以降、世界各国に対して新たな関税政策を導入したことを受け、台湾はこれまでに4回の対面交渉と複数回のオンライン協議を通じて、米側と積極的な協議を重ねてきた。その過程で双方は誠意ある姿勢を示し、米台間の貿易不均衡の是正と相互補完的な利益の追求という原則のもと、交渉が進められているという。
しかし、現在までに完了しているのは技術的な協議に限られており、最終的な「総括会議」はまだ開催されていない。したがって、現時点での20%という関税率はあくまで暫定的なものであり、今後の交渉次第で変更される可能性があるとした。
また、頼総統は、鄭麗君氏と楊珍妮氏が率いる交渉チームの尽力に謝意を示し、「この数カ月間、台湾でも米国でも常に待機し、交渉のために尽力してくれた。台湾政府の関連部門も常にバックアップ体制を整えていた」と語った。
関税の影響については、「税率の如何にかかわらず、台湾の産業にとって大きな影響を及ぼすことは避けられない」とした上で、卓榮泰(ジョウ・ロンタイ)氏が提案した支援策に言及。中小企業の打撃を緩和するため、政府はこれまでに20回の業界別意見交換を実施し、特別予算を880億台湾ドルから930億台湾ドルに増額した。関連の特別法案はすでに立法院で可決されており、行政院に対して「できるだけ早く予算案を立法院に提出し、執行に移してほしい」と求めた。 (関連記事: 台湾株、トランプ関税で夜間に180ポイント急落 非農業統計控え市場に緊張走る | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実
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