台湾行政院の卓栄泰(チュオ・ロンタイ)院長は8月1日、自身のフェイスブックで「台米貿易協議は最終段階に入った」と述べ、米国からの正式通知により、最終合意までの暫定措置として台湾製品に対し20%の関税が適用されると明らかにした。
卓氏は、協議はすでに多数のオンライン会議と4回の対面交渉を経ており、大部分の内容で合意に達したと説明。一方で、「サプライチェーン協力の枠組み」および米国通商拡大法232条に関する項目については、引き続き協議を継続すると述べた。
協議の残された争点とは?
卓氏によると、すでに20%の暫定関税が設定されたものの、以下の2点が今後の焦点となっている:
- 台米間におけるサプライチェーン協力の在り方
- 米国通商拡大法232条の適用問題
これらは台湾の経済と産業発展に直結する重要項目であり、台湾側は国益と産業界の利益を両立する最終合意を目指すとしている。
交渉チームの使命とは?
卓氏は、副院長の鄭麗君(チョン・リージュン)氏と政務委員の楊珍妮(ヤン・ジェンニー)氏が率いる交渉団を称賛し、彼らが次の4つの使命を堅持して交渉に臨んでいると述べた:
- 国家利益の維持
- 産業の利益保護
- 国民の健康の確保
- 食料安全保障の確保
これらの任務は台湾の将来における経済・貿易の安定した方向性を保証する上で、極めて重要であると指摘した。
台米経済貿易協議の進捗と今後の展望
卓氏は、貿易協定全体の技術的協議はほぼ終了しているとし、引き続き残された項目について交渉を継続し、米国との経済関係をより深化させるとした。
時期 | 進捗内容 | 方式 |
---|---|---|
複数回の会議 | 協定の枠組みや主要条項の初期協議 | ビデオ会議 |
4回の会合 | 主要協定文書および関税措置の確認 | 対面交渉 |
最近の通知 | 米側が暫定関税20%を確定 | 米側による正式通知 |
未解決課題 | サプライチェーン協力、232条項 | 引き続き協議中 |
豆知識:米国「232条項」とは?
「232条項」(通商拡大法第232条)は、国家安全保障を脅かすと判断された輸入品に対し、米国大統領が関税や数量制限を課すことを可能にする条文。近年、鉄鋼やアルミニウム製品への関税発動で注目を集め、台湾にとっても輸出産業への影響が懸念されている。
卓栄泰院長、台米交渉に「最後の呼びかけ」
台湾の卓栄泰(チュオ・ロンタイ)行政院長は、自身のSNS投稿を通じて、台米間の貿易協定に関する交渉について
「すでに複数回のオンライン会議と4回にわたる対面交渉を経て、ほぼすべての議題で合意に近づいている。交渉チームは引き続き合意締結を目指して努力し、残された『サプライチェーン協力』および『通商拡大法232条』に関する論点についても並行して協議を続ける。」
卓氏は最後に、「台湾が今後も安定して前進できるよう、交渉団は全力を尽くし、米国との経済・貿易関係の一層の深化に努めていく」と決意を表明した。
編集:柄澤南 (関連記事: 台湾株先物が急落500ポイント超 トランプ20%関税で市場に警戒感 | 関連記事をもっと読む )
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