トップ ニュース Googleの次世代TPUに台湾MediaTekが参画 NVIDIAに包囲網、収益40億ドル規模の試算
Googleの次世代TPUに台湾MediaTekが参画 NVIDIAに包囲網、収益40億ドル規模の試算 GoogleはまもなくIronwood TPU v7を発表する予定で、エヌビディアGPUに正面から挑戦できる初の対抗製品と見なされている。(写真/劉芯衣撮影)
NVIDIAのAI半導体帝国が挑戦を突きつけられている。Googleがまもなく発表する「Ironwood TPU v7」は、NVIDIAのGPUに真正面から対抗し得る初の製品として注目されている。テクノロジー系メディアの『Wccftech』は、台湾のメディアテック(MediaTek)がGoogleのTPU設計プロセスで重要な役割を果たしただけでなく、その過程で自社チップの実性能も向上させたと指摘した。その最初の恩恵を受ける製品が、まもなく登場するDimensity 9600プロセッサだという。
報道によれば、GoogleのIronwood v7は推論タスクにおいてNVIDIAの最新GPUと正面から競合する水準に達しており、総保有コスト(TCO)はより低く、性能もほぼ互角だと評価されている。
また、メディアテック(MediaTek)はIronwood v7の設計において重要な役割を果たしており、今後はその経験を抽出して、まもなく発表されるDimensity 9600プロセッサに応用し、性能向上につなげることが期待されている。3月に報じられた情報では、GoogleがIronwoodの入出力(I/O)モジュールの設計をMediaTekに委託し、プロセッサと周辺機器との通信を強化する狙いがあるとされる。
報道の分析では、これはGoogleが従来のBroadcomとの密接な協力関係から転換し、TPU全体を自社で設計する方針を見直したことを意味するという。さらに、UBS(スイス銀行)は、メディアテック(MediaTek) がGoogleの次世代TPUで協業することにより、潜在的な収益が最大40億ドル規模に達する可能性があると見込んでいる。
また続けて、注意すべき点として、ASIC(カスタムチップ)とDimensity 9600のようなモバイル向けプロセッサでは設計の本質が異なるため、メディアテック(MediaTek) がTPUで得たすべての経験をそのままスマートフォン向けチップに適用できるわけではないと指摘した。それでも、電源ゲーティング(Power Gating)の効率化や、消費電力を抑えるための電圧スケーリング(Voltage Scaling)技術の改善、バッテリー駆動時間を高めるためのクロックゲーティング(Clock Gating)の調整など、実質的な改善をもたらすことは可能だとしている。
さらに、こうした改良に加えて、メディアテック(MediaTek) が自社のAIチップの開発も進めており、GoogleとのTPUでの協業によって得られた経験を、より直接的に活用できるようにしていると伝えている。
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