矢板明夫氏襲撃、香港旅券所持の男を勾留請求 同行者は犯行前日に台湾出国

中国出身の廖容疑者(中央)は、香港旅券で台湾に入境し、6日に台中市でインド太平洋戦略シンクタンク(IPST)執行長の矢板明夫氏を襲撃した後、逃走した。台湾を離れる前に警察に身柄を確保され、7日、反浸透法違反などの疑いで検察に送致された。(写真/中央社提供)
中国出身の廖容疑者(中央)は、香港旅券で台湾に入境し、6日に台中市でインド太平洋戦略シンクタンク(IPST)執行長の矢板明夫氏を襲撃した後、逃走した。台湾を離れる前に警察に身柄を確保され、7日、反浸透法違反などの疑いで検察に送致された。(写真/中央社提供)

台湾中部・台中市で日本のジャーナリスト、矢板明夫氏が襲撃された事件で、台中地方検察署は7日、中国広東省出身で香港旅券を所持する廖港発容疑者について、接見禁止を伴う勾留を裁判所に請求した。

廖容疑者は6日、台中市内で矢板氏に暴行を加えた疑いが持たれている。犯行後は清泉崗空港へ直行し、韓国・釜山行きの便で台湾を離れようとしたが、行方を把握していた警察に搭乗待合室で逮捕された。

検察「受託による計画的な越境暴行の疑い」

台中地方検察署は、廖容疑者について、傷害と暴行を伴う公然侮辱の疑いが重大だとしている。廖容疑者は台湾に固定の住居を持たない境外者で、犯行直後に空港へ向かい出国を図ったほか、犯行時に着用していた衣服を処分した疑いもあるという。

検察は、共犯者や背後にいる首謀者と口裏を合わせる可能性が高いと指摘。さらに、今回の事件について、受託による計画的な越境暴行の疑いがあり、再び傷害事件を起こす恐れもあるとして、勾留の必要があると判断し、台中地方法院に接見禁止付きの勾留を請求した。

矢板明夫氏が台中市内で殴打される 暴力を非難 インド太平洋戦略シンクタンク執行長・矢板明夫氏(右)は6日、台中市で身元不明の人物に殴打される被害に遭い、警察に通報した後、メディアの合同取材に対し暴力を非難した。(春雨文教基金会提供)中央社記者郝雪卿伝真 115年7月6日
インド太平洋戦略シンクタンク(IPST)執行長の矢板明夫氏(右)は6日、台中市で何者かに殴られる被害に遭った。(写真/中央社提供)

同行の香港籍男は犯行前日に出国

​台中市警察局の呉敬田局長は、廖容疑者と行動を共にしていた香港籍の男1人がいたことも明らかにした。廖容疑者は7月2日に香港から台中へ渡航し、滞在中に3カ所のホテルを転々としながら、配車アプリ「Uber」を利用して台中市内を移動していたという。

警察は、当時同行していた男の身元をすでに特定している。ただ、この男は犯行前日に台湾を出国していた。

防犯カメラに映りにくい場所で本人確認か

​呉局長によると、廖容疑者は矢板氏の講演終了後、後をつけたとみられる。その後、防犯カメラに映りにくい場所で矢板氏本人かどうかを声をかけて確認した上で、暴行に及んだという。

犯行後、廖容疑者はすぐに台中市内の逢甲夜市へ向かい、衣服を購入して着替えた後、タクシーで清泉崗空港へ直行した。警察は、廖容疑者が航空機で台湾を離れようとしていたとみている。

矢板明夫氏襲撃事件 警察は容疑者の携帯電話通信記録を解析し事案を解明 インド太平洋戦略シンクタンク執行長・矢板明夫氏が6日、台中市内で香港旅券を所持する中国籍の男から暴行を受けた事件で、台中市政府警察局長・呉敬田氏(写真)は7日、容疑者の携帯電話の通信記録を解析し、地元関係者の協力の有無や犯行動機について捜査を進めると述べた。中央社記者郝雪卿撮影 115年7月7日
台中市政府警察局の呉敬田局長(写真)は7日、廖容疑者と行動を共にしていた香港籍の男1人がいたことを明らかにした。(写真/中央社提供)

釜山行き便にチェックイン済み

​呉局長は、廖容疑者が当時、韓国・釜山行きの便のチェックインをすでに済ませていたと説明した。内政部長と警政署長の調整のもと、警察は内政部移民署や航空警察局と連携し、ただちに身柄の確保に動いた。

警察は、廖容疑者の左手にあるタトゥーを手がかりに本人を特定し、逮捕に至ったという。

広東省出身、後に香港籍取得

​内政部移民署国境事務大隊台中港隊の頼建均隊長によると、廖容疑者は中国広東省で生まれ、後に香港籍を取得した中国出身者だという。

廖容疑者が台湾を訪れたのは今回が2回目だった。初めて台湾に入境したのは今年1月22日で、2月22日に出境しており、その滞在期間中に犯行は確認されていないという。

台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp

最新ニュース
道頓堀にミャクミャク新モニュメント登場 かに道楽前に「いらっしゃい」設置
【北京観察】米国建国250年と中国「民族団結」新法 民主主義と統制モデルが映す米中覇権争い
森崎ウィン、日本語パートナーズのアンバサダーに就任 浴衣姿で「アジアが一つに」と願い
外国人の永住許可手数料、10月から20万円へ 現行1万円から大幅引き上げ
李逸洋駐日代表、各国大使らと安倍晋三回顧展を視察 襲撃当日の遺品や台湾との交流を伝える品々も
トランプ氏がFIFAに直談判 米代表FWの出場停止処分が猶予、政治介入批判も
中国戦略原潜、太平洋へ弾道ミサイル発射 射程1万キロ超「巨浪3」で第2撃能力を誇示か
RX Japanが2026年8月に日本初のAXフェーズ特化型展示会である第1回AI人工知能EXPO NEOを東京国際フォーラムで初開催へ
三菱地所、タイ・バンコクの超一等地に大型複合施設「(仮称)CEntRal ceNTrAL」を開発へ 総事業費539億円で過去最大規模の投資
台風9号(バービー)、台湾北部で暴風域入り確率9割 過去の大型台風に似た進路か
ファナティクス・ジャパン、V・ファーレン長崎の「2026/27シーズン明治安田J1リーグユニフォーム」先行予約販売を開始
矢板明夫氏、台湾・台中襲撃後に無事報告 「単なる傷害事件ではない」と徹底捜査求める
ノルケインが日本限定モデルの新作インディペンデンスを発表、ブラックマザーオブパールを文字盤に採用
てんや新業態「おにどん」御茶ノ水に開業 まかない発想の「おにぎり天どん」専門店
矢板明夫氏、台湾・台中で講演後に襲撃され負傷 出国図った男を空港で逮捕
「味の素KKコンソメ」「くまのプーさん」特別デザインパッケージ第三弾 7月上旬より期間限定発売開始
ほっかほっか亭が創業の地で初の体験型展示、50周年記念「お弁当ってなんだ?展」を7月24日から埼玉県草加市で開催へ
日本郵船が東京湾の新クルーズ船「AMANE」を2027年春に就航へ、レストラン船の後継として次世代環境技術を搭載
六本木ヒルズで20年以上続く夏の風物詩「朝の太極拳2026」7月18日から毎週末開催へ
米イラン交渉、60日で妥結は困難か NRIチーフエコノミストが指摘する2015年との決定的な違い
【杜宗熹コラム】米台関係はTSMC頼みなのか 「日台友好」は過去のものになったのか
USJの夏夜がネオンに染まる 25周年限定ショー『ユニバーサル・サマー・マツリ・ナイト』先行公開、ずぶ濡れ演出も
エコノミー座席が広い航空会社ランキング JALとANAが世界トップ2を独占
「TSMCも台湾人材だけでは成長できない」元グーグル台湾幹部が語るAI時代の人材戦略
サナエノミクスで日本経済は再成長できるか 民間投資230兆円、名目GDP1100兆円の道筋
米国建国250年、民主主義はどこへ向かうのか 慶応大・渡辺靖教授が分断と再生を分析
日本はAI時代にどう生き残るのか 自民・平井卓也氏が語る「人間主導」と現場AI
中国戦略原潜から弾道ミサイル発射 豪・NZ反発、南太平洋で軍事圧力常態化の懸念
ホルムズ海峡が封鎖されたら日本はどうなる? IEA幹部が語るエネルギー危機の現実
中国人の68%「中国が最も影響力ある国」 対日警戒感も上昇、カナダ調査で判明
旧優生保護法、SNSデマ、プロ野球取材 2026年日本記者クラブ賞受賞者が語る報道の使命
米中は「トゥキディデスの罠」を越えられるか アリソン教授が語った2つのキーワード
Jリーグ、秋春制移行へ欧州初キャンプ 清水・G大阪・岡山・長崎が参加
愛知・名古屋2026大会の腕章を共同制作へ 障害者福祉NPOや三菱UFJ銀行と連携しインクルーシブな大会運営を目指す
お台場デックス東京ビーチで人気アニメ「チャギントン」のコラボイベントが今夏開催へ
U-NEXT 独占配信「PSYCHIC FEVER JAPAN TOUR 2026 "THE ROOTS"」東京公演を8月9日に配信決定
台風9号(バービー)、10〜11日に台湾最接近へ 上陸の恐れも、北部・北東部は豪雨警戒
サンリオテーマパーク初、日焼けしたシナモロールとクロミが登場 ハーモニーランドで夏イベント開幕
富士山が噴火したら外国人観光客をどう避難させるのか 山梨県と国が全国初の研究会
台湾で薬や日用品を買うなら? 旅行者にも便利な人気薬局・ドラッグストアチェーンTOP10
工藤新一、赤井秀一を抑えた1位は?『名探偵コナン』人気キャラランキングTOP10
日本人サッカー選手「歴代イケメン」ランキングTOP10 1位は三笘薫、南野拓実は4位
てんやに夏の冷たい麺が登場 「冷や汁うどん」と「鰹の冷やしそば」を銀座店で実食
ミュウツーのフォトスポットも登場 台北で「Pokémon GO Fest 2026:グローバル」7月11日開幕
オリックスの新ホテルブランド「クロススイーツ」第1号店が東京・浅草に開業 多人数・中長期滞在に対応