台湾の李逸洋(り・いつよう)駐日代表は、各国の駐日大使らとともに、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催されている安倍晋三元首相の回顧展を視察した。
李代表は、日本の憲政史上最長となる通算3188日の在任期間を務め、世界196の国と地域を訪問して外交に力を注いだ安倍元首相の生涯と足跡を振り返った。会場に展示された言葉や遺品を通じ、その外交的功績に改めて思いを寄せた。
安倍元首相襲撃当日の遺品や執務室を再現
本展では、安倍元首相の生い立ちや外交の歩みをテーマに、約100点の貴重な遺品が展示されている。
会場で特に注目を集めているのは、2022年7月8日、奈良市で街頭演説中に襲撃された際に安倍元首相が手にしていたマイクや、当時履いていた革靴、銃撃の衝撃で破損した衆議院議員バッジなどだ。
また、2015年に成立した平和安全法制関連の資料や、2019年に訪日した当時のトランプ米大統領との自撮り写真、ゴルフキャップなどの記念品も展示されている。さらに会場には、安倍元首相が国会議員会館の事務所で生前使用していた執務机と椅子も再現されており、来場者は実際に座って記念撮影することができる。
展示では、安倍元首相の私生活や人柄にも光が当てられている。昭恵夫人は、安倍元首相について「大変な努力家だった」と振り返り、演説の前には何度も練習を重ねていたという。会場には、その練習に長年使われた古いテープレコーダーのほか、東京の成蹊小学校時代の絵日記、昭恵夫人とのプライベート写真も公開されている。
また、福島県の病気と闘う少女と8年間にわたり交わした往復書簡からは、安倍元首相の温かな人柄がうかがえる。さらに、2021年に中国が台湾産パイナップルの輸入を突然停止した際、安倍元首相がSNSや自身の人脈を通じて台湾産パイナップルを紹介し、日本社会で大きな反響と購買の動きを生んだことを伝える写真も展示されている。
台湾との交流を伝える展示も 李代表が追悼メッセージ
展覧会の発起人による案内では、展示品の中には、台湾の李登輝(り・とうき)元総統から贈られた「脱古改新」の文字が刻まれた玉山の置物や、台湾・高雄市の紅毛港保安堂に建立された安倍元首相の銅像のミニチュア版も含まれているという。
年譜では、安倍元首相が2021年に台湾のシンポジウムで述べた「台湾有事は日本有事」という発言など、台湾との関係に関わる外交的足跡も紹介されている。
会場には、安倍元首相への思いを記すカードも用意されていた。李代表は「インド太平洋構想を提唱した安倍元首相の功績は、世界の人々の記憶に刻まれています。安倍元首相、私たちは永遠にあなたを忘れません」と記し、「台湾大使・李逸洋、2026年7月6日」と署名して哀悼の意を表した。
李代表はまた、2023年3月末から4月初旬にかけて台北市の張栄発国際基金会で開催された安倍晋三元首相回顧写真展を、夫人とともに訪れたことにも触れた。
台北での展示は規模が大きく、報道写真を中心に印象的な写真が多く見られた一方、今回の東京での回顧展は規模こそ比較的小さいものの、貴重な遺品が数多く展示されていると評価。李代表は、いずれの展示も見応えがあり、訪れる価値があると述べた。
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編集:小田菜々香
















































