トップ ニュース 安倍昭恵氏、習近平夫人へ「手紙」送っていた 亡き夫の遺志と「対中外交」の秘話を語る 鈴木桂治氏らと「ソフトパワー」議論
安倍昭恵氏、習近平夫人へ「手紙」送っていた 亡き夫の遺志と「対中外交」の秘話を語る 鈴木桂治氏らと「ソフトパワー」議論 セドナ・フォーラムで安倍昭恵氏は、亡き夫の遺志を継ぎ、中国夫人との書道交流や伊勢神宮の精神性を例に、政治的緊張下こそスポーツと文化による「ハートパワー」が平和への道を開くと世界に訴えた。(写真/黃信維撮影)
公益財団法人国際文化会館と米マケイン研究所は 2026年1月15日 、都内で「セドナ・フォーラム東京」を開催した。午後のパネルセッション「ゲームチェンジャー:スポーツと文化が変える外交」では、故安倍晋三元首相の妻で社会貢献支援財団会長の安倍昭恵氏、2004年アテネ五輪柔道金メダリストの鈴木桂治氏、米国のスポーツ投資家サイマー・S・メイヨ氏が登壇した。
セドナ・フォーラムで安倍昭恵氏は、亡き夫の遺志を継ぎ、中国夫人との書道交流や伊勢神宮の精神性を例に、政治的緊張下こそスポーツと文化による「ハートパワー」が平和への道を開くと世界に訴えた。(写真/黃信維撮影)
「戦略」ではなく「真正性」 モデレーターを務めたジャック・マケイン氏(故ジョン・マケイン上院議員の息子)らが英語で議論を進める中、昭恵氏は日本語で登壇。言葉の壁を超えた「心(Heart)」の交流と、ソフトパワーの本質について訴えた。 昭恵氏は、日本のソフトパワーの源泉は「戦略」ではなく「真正性(Authenticity)」にあるとし、夫と共に世界70カ国以上を訪問した経験を回顧。かつて激戦地だったパラオ・ペリリュー島への訪問や靖国神社参拝に触れ、「靖国は戦争を賛美する場所ではなく、平和を祈る場所だ」と説明した。
また、2022年の安倍元首相銃撃事件について、「夫は殺されたが、私は犯罪のない、被害者も加害者も生まない社会を作りたい」と涙ぐみながら語り、憎しみではなく「相互扶助」の精神で社会課題に取り組む決意を示した。
習近平夫人へ「書道交流」の手紙 対中外交に関しても具体的なエピソードが明かされた。昭恵氏は、中国の習近平国家主席の妻・彭麗媛(ほう・れいえん)夫人に対し、書道を通じた交流を希望する手紙を送っていたことを披露。「今回は会うことができないが、政治的な立場だけでなく、同じ女性としてつながりたい」という趣旨の返答があったとし、困難な国家間関係においてこそ、文化を通じた「草の根」の対話が重要との認識を示した。
さらに、海外からのゲストに推奨する場所として伊勢神宮を挙げ、ある外国人来訪者が「この地上に天国があった」と表現したエピソードを紹介し、日本の精神性の高さをアピールした。
「畳の上では憎しみはない」 柔道家の鈴木桂治氏は、自身の家族の経験から、障害を持つ子供たちがスポーツに挑戦できる環境作りに尽力している現状を報告。中国が国家政策として柔道強化に資金を投じている現状について、「中国は日本の柔道をリスペクトしており、畳の上では憎しみはない」と述べつつ、「ただ、畳の品質は日本製のほうが中国製より優れている」とユーモアを交えて会場を沸かせた。鈴木氏は、世界共通のルールを持つスポーツが言語を超えた信頼醸成につながると強調し、子供たちへの普及活動が将来の外交的資産になるとの考えを示した。
急遽登壇したサイマー・S・メイヨ氏は、米軍のアフガニスタン撤退時にスポーツのネットワークを駆使して147名の少女を救出したエピソードを披露。メイヨ氏は、大谷翔平選手が米国や世界で日本への関心を高めている現象を挙げ、スポーツ選手が政治的発言をせずとも、その存在だけで対話のドアを開く「最強の外交官」になり得ると指摘。
日本でのスポーツチームへの投資意欲も示し、日米印の架け橋としてのスポーツの可能性を熱弁した。質疑応答では、会場からこれらの文化・スポーツ交流を「ハートパワー(Heart Power)」と呼ぶ声が上がり、登壇者全員がその言葉に賛同してセッションを締めくくった。
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