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「トランプ氏はむき出しの帝国主義」東大・佐橋教授が警鐘 日本国内で浮上する「プランB(核武装論)」の誘惑 「ルールを捨てた米国の『帝国主義』化が進む中、日本は同盟強化と自律性のバランスを保つか、それとも核武装を含む独自路線へ舵を切るか、戦後最大の岐路に立たされている。」(写真/FPCJ提供)
公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)は2026年1月13日、「2026年外交見通し:揺らぐ国際秩序と日本の針路」をテーマにオンライン・プレスブリーフィングを開催した。登壇した国際政治学者の佐橋亮氏(東京大学東洋文化研究所教授)は、本格始動したトランプ政権と、それに向き合う日本の高市政権の課題について解説し、現在の国際情勢を「戦後80年、日本が見たこともない状況」と表現して強い危機感を示した。
「ルールを捨てた米国の『帝国主義』化が進む中、日本は同盟強化と自律性のバランスを保つか、それとも核武装を含む独自路線へ舵を切るか、戦後最大の岐路に立たされている。」(写真/FPCJ提供)
「トランプ・ファースト」と化した米国 佐橋教授は、トランプ政権について、かつての「アメリカ・ファースト」から、より原則のない「トランプ・ファースト」へと変質していると分析する。国際法や規範に関心を示さず、西半球(南北アメリカ大陸)の安全保障や資源確保を優先する一方で、既存の国際秩序や同盟国との多国間協調を軽視する姿勢を強めており、その様子を「むき出しの帝国主義」的な力の行使であると指摘した。特に、ベネズエラへの軍事介入や国際機関からの離脱を進めるスピード感は、政権がこの1年間の成果に自信を深めている証左であり、今後の中間選挙を見据えてこの傾向は続くと見ている。
日本への「三重の圧力」 佐橋教授は、米国が自らの行動を国際法で正当化しようとせず、ルールに基づく国際秩序を率先して傷つけている現状を強調。その上で、日本は米国から以下の「多重の負担」を求められているとした。
経済への貢献 経済安全保障への同調 防衛支出の大幅な増額 これは同盟国が「米国の国益のための手段」として扱われている側面が強く、日本外交は極めて難しい舵取りを迫られている。米中関係についても、短期的には「取引(ディール)」を目指した交渉が続くものの、その過程は不安定で、政権後半には対立が激化する可能性が高いとの見通しを示した。
「プランAプラス」か、禁断の「プランB」か 日本がとるべき戦略として、佐橋教授は日米同盟を基軸としつつ、自律的なパートナーシップを拡大する「プランAプラス」が最も合理的であると主張する。 しかし同時に、米国への依存を脱却し、独自の核武装を含む自立的な軍事力強化を模索する「プランB」の議論が、国内の政治家や論壇で台頭してきていることに言及した。 高市政権下においては、現実的な「プランAプラス」と、国際秩序の崩壊を前提とした急進的な「プランB」との間の論争こそが、今後の最大の争点になる。佐橋教授はジャーナリストに対し、政治家の発言がどちらの文脈にあるのかを見極める重要性を訴えた。
近隣外交:対中は「我慢」、対韓は「実用」 近隣諸国との関係において、高市政権下の対中外交は、台湾に関する発言の撤回が困難であることなどから関係改善の糸口が見出しにくく、当面は「我慢クラブ」のような膠着状態が続く「シナリオ2(現状維持)」が濃厚であると予測した。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権については、米中双方とバランスを取る「実用外交」を展開しており、先日の日韓首脳会談でも中国を刺激するような言動を避けた点を挙げ、日本と中国の双方に対してヘッジを行う賢明な外交を行っていると評価した。
また、対ASEAN外交については、ASEAN諸国が中国への傾斜を強める中、日本がグローバルサウスとの関係をつなぎ止めるための重要な外交努力が求められており、高市政権も今後、安全保障協力を含めたASEANへの関与を本格化させる可能性があると結んだ。
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