台湾株式市場が活況を呈する中、さらなる追い風となるニュースが飛び込んできた。米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、トランプ米政権が台湾との貿易協議を最終調整しており、合意が間近であると報じた。
報道によると、台湾製品への関税率は日本や韓国と同水準の15%に引き下げられる見通しだ。その見返りとして、世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)であるTSMC(台湾積体電路製造)は、米アリゾナ州に少なくとも5つの最先端工場を追加建設することを確約したという。
市場の不確実性が後退したことを受け、台湾加権指数の先物(夜間取引)は、日中の勢いをそのままに急伸。記事執筆時点で400ポイント近く上昇し、節目の3万1000ポイントに迫る展開となっている。
米台貿易協定、早ければ月内にも発表か
NYT紙が関係筋の話として伝えたところによると、数ヶ月にわたる交渉の末、トランプ政権と台湾の貿易協定は事実上決着し、現在は法的な審査段階に入っている。早ければ今月中にも正式発表される可能性がある。
協定の内容には、台湾から米国への輸出品に対する関税を15%に引き下げることが含まれており、これは昨年すでに米国と合意に至った日本や韓国などの同盟国と同様の待遇となる。
この合意の一環として、TSMCはアリゾナ州に少なくとも5つの半導体工場を新たに建設することに同意したとされる。ただし、投資の具体的な時期やスケジュールは明らかになっておらず、TSMCの広報担当者はコメントを控えている。

半導体サプライチェーンのリスク軽減が焦点
トランプ大統領は昨年4月、多数の貿易相手国に対し大規模な関税引き上げを宣言して以来、各国と個別に交渉を行い、企業による対米投資を引き出す条件として関税率の引き下げを提示してきた。すでに韓国や日本は、造船、原子力、電子機器、重要鉱物などの分野で数千億ドル規模の投資を約束している。
対台湾交渉において、米国側が最優先事項としたのは半導体製造への追加投資だ。台湾は世界の主要なチップ生産能力を握っており、これらはPCやAIデータセンターに不可欠な核心部品である。しかし、中国政府が「台湾は自国の一部」と主張し軍事演習を強化する中、台湾への依存リスクに対する懸念が高まっていた。
米政府高官や企業幹部は、有事の際に電子機器、自動車、兵器などのグローバルサプライチェーンが寸断されることを危惧している。
TSMCは2020年以降、アリゾナ州ですでに第1工場の建設を完了し、現在は2028年の稼働を目指して第2工場を建設中だ。さらに今後数年間で4つの新工場を建設する計画をすでに発表しているが、NYT紙によれば、今回の交渉でさらに「少なくとも5つの新工場」を追加することに同意したという。
難航した関税交渉、「通商拡大法232条」の影
米国通商代表部(USTR)および商務省は、本件についてコメントしていない。
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米台の貿易交渉が長引いた背景には、関税の取り扱いを巡る双方の隔たりがあったとされる。トランプ政権は米国の貿易関係の再構築を目指し、一部の国とのみ限定的な貿易協定を結んでいる。

















































