ここ2週間、イラン各地で大規模な抗議デモが連鎖的に発生し、全31州へと急速に拡大、激しい衝突へと発展している。米国に拠点を置く人権団体「人権活動家通信(HRANA)」によると、これまでに少なくとも116人の死亡が確認された。しかし、イラン当局によるインターネットや電話回線の遮断が続いており、実際の死傷者数はこれを大きく上回ると見られる。街頭での抗議活動と治安部隊による大量検挙が交錯し、イラン社会は極度の緊張状態にある。国際社会は、イランが新たな政治的動乱の局面に入ったのではないかと注視している。
イランの暴動は米国にとって何を意味するのか
死傷者数が増加の一途をたどる中、トランプ米大統領はイラン情勢に対し、異例とも言える強い言葉で警告を発した。トランプ氏は公の場で、イラン政権が民間のデモ参加者に対して致死的な武力を行使した場合、米国は「介入する」と明言した。
この発言は、人道的・道徳的な圧力への応答であるだけでなく、米国の中東戦略とも密接に関わっている。米政府高官は非公式に、「イランの暴動が制御不能となれば、地域の安定、エネルギー市場、そして同盟国の安全保障に深刻な影響を及ぼす恐れがあり、ワシントンが静観することは不可能だ」と指摘している。
地上部隊は派遣せず?トランプ氏の「介入」プラン
CNNによると、3人の米政府高官が、トランプ氏がすでに複数の介入オプションについて報告を受けたと明らかにした。しかし、現時点での議論に「地上部隊のイラン派遣」は含まれていないという。
ある高官によれば、検討されている案の一部は、デモ鎮圧を行っているイランの治安部門や関連施設に焦点を絞った、「限定的かつ精密な」制圧手段であるという。一方でホワイトハウス内部には、直接的な軍事攻撃が逆効果となり、イラン国民が「外部の脅威」に対抗するために現政権の下で団結してしまうリスクを懸念する声もある。
米国内の躊躇、介入がもたらすリスクとは
米政府当局者は、イランへの軍事力行使には高い不確実性が伴うことを認めている。主な懸念事項として、米軍による空襲がイラン軍による報復を招く可能性や、民主化運動の正当性を弱めてしまう恐れが挙げられる。
別のホワイトハウス高官は、「トランプ氏が検討中の選択肢に地上部隊の派遣は含まれていない」と強調しつつも、死者数が増え続ける現状を受け、大統領が行動を起こすべきか「真剣に検討している」と述べた。これは、ワシントンがイランの暴動を潜在的な国際危機として認識し始めたことを示唆している。
「虐殺なら容赦なく叩く」米国の警告とイランの強硬姿勢
トランプ氏は自身のソーシャルメディアで次のように投稿した。「イランは自由を求めている。おそらくかつてないほどに。米国はいつでも支援する用意がある!」 (関連記事: 【イラン抗議デモ全貌】政権崩壊のカウントダウン 経済破綻と弾圧激化、米国は軍事介入も示唆 | 関連記事をもっと読む )
また9日のインタビューでは、テヘランがデモ隊に致死的武力を使えば「介入する」と明言。その後、石油業界幹部との会合でもトランプ氏はこう強調した。「私は非常に明確にした。もし彼らが過去のように人々を虐殺し始めるなら、我々は介入する。それは地上部隊を送るという意味ではないが、相手の急所(要害)を非常に、非常に激しく叩くということだ」 この発言は、イランに対する強力な抑止シグナルと受け止められている。

















































