ベネズエラ新政権、5000万バレルを「上納」か トランプ氏「使い道は私が決める」に批判殺到、「帝国主義的」との声も

2026年1月4日、アメリカ大統領トランプが海兵隊ワンのヘリコプターからホワイトハウスへ歩み寄る。(AP通信)

マドゥロ氏がニューヨークに移送されて裁判を受ける中、ベネズエラは暫定政府の樹立を余儀なくされた。これを受け、米国大統領トランプ氏は6日、ベネズエラが保有する最大5,000万バレルの原油を米国が「接収」すると発表した。この手法には批判も相次ぎ、イェール大学経営大学院の教授は、これは事実上の「没収」であり、「帝国主義的行為」だと厳しく非難している。しかも米国には、そもそもこの原油を必要とする事情はないという。

米国大統領ドナルド・トランプ氏は6日、SNS「Truth Social」を通じて、ベネズエラの暫定政府が最大5,000万バレルの高品質原油を米国に引き渡すと表明した。投稿の中でトランプ氏は主導的立場を隠すことなく、「この石油は市場価格で売却され、その代金は私、すなわちアメリカ合衆国大統領が直接管理し、ベネズエラ国民と米国民の利益のために使われる」と述べた。

トランプ氏によると、制裁の影響でベネズエラの港湾に滞留していた3,000万〜5,000万バレルの原油は、貯蔵タンカーから直接、米国の荷揚げ港へ輸送される。この作業はエネルギー長官のクリス・ライト氏が担当するという。英紙フィナンシャル・タイムズは、現在のWTI原油価格を基準にすると、原油の市場価値は約28億〜30億ドルに相当すると報じている。

トランプ氏は「高品質」な原油だと主張しているが、業界関係者の間では、実際にはベネズエラ特有の重質原油であるとの見方が一般的だ。世界的に見て、この「黒い金」を最も効率的に処理できるのは、メキシコ湾岸に位置する米国の製油所である。このニュースを受け、原油市場は直ちに動揺し、WTI原油は一時2.4%下落、アジア取引時間帯には1バレル56.40ドル前後まで下落した。ブレント原油も60ドルを割り込んだ。

ベネズエラ国営石油会社PDVSAにとって、米国に原油を「献上」することは屈服というより、生き残りをかけた選択に近い。昨年12月中旬に米国が海軍を動員して事実上の封鎖を行って以降、ベネズエラの石油輸出は実質的に途絶えている。世界最大の確認埋蔵量を誇るこの国は、原油を汲み上げても輸出できないという、深刻な技術的崩壊に直面している。

海運情報会社Kplerのデータによれば、PDVSAの陸上タンクはほぼ満杯で、洋上の浮体式貯蔵施設も限界に近づいている。PDVSAの技術者の1人は海外メディアに対し、原油を早急に搬出できなければ、油井の停止を余儀なくされると語った。老朽化が進むベネズエラの油井では、一度停止すると地層圧の変化によって永久的に使用不能となる恐れがあり、再稼働は「不可能な任務」になるという。

関係者によると、ベネズエラで事業を展開する最重要の米国企業であるシェブロンは、PDVSAおよび米政府と協議を行い、一部の滞留原油を米国の製油所へ輸送する案を検討している。名目上は、老朽化したベネズエラの石油インフラにかかる圧力を緩和するためだ。こうしてトランプ氏のいう「接収」は、皮肉にもベネズエラ石油産業を救う命綱となりつつあるが、その命綱には米国の政治的条件がべったりと付着している。

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