「まるで旧友のよう」台湾・林佳龍外相、石平参院議員と会談 天安門と台湾民主化、異なる道を歩んだ二人の共感

台湾の外交部で、日本維新会の石平参院議員(左)を迎えた林佳龍外交部長(右)。石平氏は中国出身で初めて日本の国会議員となった。(写真/林佳龍氏のフェイスブックより)

中国四川省出身で日本に帰化し、現在は日本維新の会の参議院議員を務める石平氏が台湾を訪問した。中国政府から制裁対象とされている石平氏は、今回の訪台で総統府や外交部、立法院を精力的に回り、10日に帰国予定だ。台湾の林佳龍外交部長(外相)は8日、石平氏との会談を行い、台の協力関係について深く意見交換したことを明かすとともに、今後も民主主義陣営の最前線で手を携え、インド太平洋の安定と繁栄のために尽力する姿勢を強調した。

「旧友のような親しみ」歴史の証人として

石平氏は8日、外交部で林氏と面会。その後、自身のX(旧Twitter)で「林外相は非常に見識が高く、国際的視野も広い」と称賛した。約30分間という短い時間であったが、台湾海峡をめぐる国際情勢や日台連携の強化などについて有意義な会話が行われたという。

林氏は8日夜、Facebookを更新し、中国出身で初の日本の国会議員となった石平氏に対し、「旧友のような親しみを感じた」と記した。両氏は同年代(1960年代生まれ)であり、1980年代に台湾と中国が異なる道を歩んだ歴史の目撃者でもある。台湾が無数の先人たちの犠牲の上に民主化への道を歩んだ一方、中国は1989年の天安門事件で民主化運動を武力弾圧した。林氏は、これが石平氏が故郷を離れる決定的な要因となった背景にも触れ、共感を寄せた。

「徳は孤ならず」価値観外交で中国に対抗

林氏によると、石平氏は会談の中で「徳は孤ならず、必ず隣あり(徳のある者は孤立せず、必ず理解者が現れる)」という論語の一節を引用し、成熟した民主社会である台湾は国際社会で認められ、肯定されていると語った。

これに対し林氏は、頼清徳総統が掲げる「価値観外交」と「経済の日没することなき国(経済日不落国)」構想を説明。中国が観光や産業を政治的武器として利用するのに対し、台湾は共通の価値観で世界と結びつき、理念を共有するパートナーと地域の安全を守っていく方針を示した。特に経済・技術面では、信頼できるサプライチェーンの強靭化(レジリエンス)を進めるとしている。

日米台の連携で「赤いサプライチェーン」に対抗

林氏はまた、台湾が長年中国からの認知戦や軍事的威嚇、ハイブリッド戦に晒されながら、対応能力を高めてきたことに言及。その経験を民主主義のパートナー国と共有する意向を示した。日本政府に対しては、中国が台湾周辺で軍事演習を行った際に懸念を表明し、国際社会で台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し訴えていることについて謝意を表した。

林氏は「台湾と日本は互いに信頼できるパートナーであり、インド太平洋の平和と安定の重要な力だ」と強調。半導体、AI(人工知能)、通信、グリーンエネルギーなどの分野に加え、広範な安全保障協力においても深化の余地があると述べた。さらに、日米台の連携が、中国主導の「赤いサプライチェーン」の挑戦に対抗し、民主主義的なサプライチェーンを守る支柱になるとの認識を示した。

会談の最後、林氏は「玉見台湾(『台湾に出会う』と『宝石のような台湾』をかけた言葉)」と題した記念品を贈呈。「石平氏が今後も台湾を深く知り、この土地の美しさを体験してくれることを期待する」と結んだ。

編集:梅木奈実

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