トランプ氏、66の国際機関から離脱へ 気候変動条約や国連大学も対象に 加速する一国主義

2026-01-09 11:26
2026年1月3日、フロリダ州の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で、ベネズエラでの軍事作戦を注視するトランプ米大統領。(写真/AP通信提供)

米国による国際協調体制からの離脱が加速している。トランプ政権は7日、国連人口基金(UNFPA)や、国際的な気候変動交渉の基盤となる国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を含む、66の国際機関・組織への支援を停止する方針を固めた。

AP通信によると、ホワイトハウスはソーシャルメディアでの声明を通じ、トランプ大統領が7日に行政命令(大統領令)に署名したと発表した。これはトランプ氏が以前より政府に指示していた「米国が関与・出資する全国際機関の見直し」の結果に基づくもので、国連関連を含む66の組織、委員会、機関への支援が一時停止される。

「Woke(目覚めた)」アジェンダへの対抗措置

AP通信が入手したリストの一部によると、ターゲットとなった組織の大半は国連関連の機関や諮問グループであり、主に気候変動や労働問題に焦点を当てているものだ。トランプ政権はこれらの議題を、多様性やいわゆる「Woke(社会的不公正への過剰な意識)」なアジェンダに迎合するものだと分類している。

米国務省は声明で次のように述べている。「トランプ政権は、これらの機関について、職務範囲の重複、管理不全、不必要性、資源の浪費、そして機能不全に陥っていると判断した。これらは自身の政治的アジェンダを推進する者たちに乗っ取られており、米国の利益に反するばかりか、我々の主権、自由、そして繁榮に対する脅威ですらある」

「私のやり方に従うか、出て行くか」

トランプ氏による国際協力機関からの離脱決定は、同政権が軍事行動や威嚇的な外交を展開し、同盟国や敵対国に不安を与えている最中に下された。これにはベネズエラのマドゥロ大統領の拘束や、グリーンランド購入の意向表明などが含まれる。

今回の動きは、米国による一連の国際機関離脱の最新事例となる。

トランプ政権はすでに、世界保健機関(WHO)、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)、国連人権理事会、国連教育科学文化機関(ユネスコ)などへの資金拠出を停止している。国連分担金の支払いについても、トランプ氏の方針に合致すると見なした活動や機関のみを選別し、米国の利益にそぐわないものを排除する「選択的」なアプローチをとっている。

国際危機グループ(International Crisis Group)の国連部門ディレクター、ダニエル・フォルティ氏はこう分析する。「我々が目の当たりにしているのは、米国の一国主義(ユニラテラリズム)の具現化だ。『私のやり方に従うか、さもなくば出て行け(My way or the highway)』という姿勢であり、国際協力はワシントンが設定した条件でのみ行われるべきだという、極めて明確なビジョンだ」 (関連記事: トランプ氏、ベネズエラの次は「北極」か NATOに走る激震、ルビオ氏は「侵攻ではなく買収」と火消し 関連記事をもっと読む

気候変動枠組条約からの離脱、パリ協定の根幹揺らぐ

今回、対象リストに「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」が含まれたことは、トランプ氏とその側近たちが、気候変動対策を主導する国際組織といかに距離を置こうとしているかを象徴している。UNFCCCは1992年に198カ国が署名した条約で、開発途上国の気候変動対策への資金支援を定めており、パリ協定の基礎となる条約だ。気候変動を「でっち上げ(Hoax)」と断じるトランプ氏は、ホワイトハウス復帰後すぐにパリ協定からの離脱を表明していた。

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