「私がいる限り中国は台湾を攻めない」トランプ氏がNYT紙で断言 習氏へ伝えた「警告」の中身とは

2026-01-09 13:40
釜山で行われた習近平氏とトランプ氏の会談。今後の中台関係やインド太平洋地域に、深い影響を及ぼすと見られる。(写真/ホワイトハウス公式サイトより、風傳媒が編集)

トランプ米大統領は7日夜、ホワイトハウスで行われた米紙『ニューヨーク・タイムズ』(NYT)のインタビューに応じ、中国の習近平国家主席による台湾侵攻の可能性について言及した。トランプ氏は、自身の在任中であれば習氏が軍事行動に出ることはないとの見方を示し、「私の監視下(On my watch)にある限り、彼はあえて台湾を攻撃しようとはしないだろう」と明言した。

「大統領が代わればやるかもしれないが…」

インタビュー中、デビッド・サンガー記者ら取材陣は、トランプ政権の最近の行動(ベネズエラへの軍事介入など)が、ウクライナや台湾に対する他国の行動に前例を与える可能性について質問した。これに対しトランプ氏は肩をすくめ、「米国の大統領が別の人になれば、彼(習氏)は動くかもしれない。しかし、私が大統領である限り、彼が武力行使に出るとは信じていない」と述べた。

記者がさらに、プーチン露大統領が同様の論理でウクライナ等に侵攻するリスクや、習氏が台湾に対して「斬首作戦(指導部への攻撃)」を行う懸念について問いただすと、トランプ氏は独自の論理を展開して否定した。「いや、それは(米国にとっての)真の脅威とは異なる。中国には、米国で起きているような移民や薬物の流入といった『ひどい事態』はない。台湾の刑務所が開放され、何千何万もの受刑者や精神疾患者が中国やロシアに流れ込んでいるわけではない」トランプ氏は、米国の国境問題を安全保障上の脅威と並列して語りつつ、台湾情勢とは性質が異なるとの認識を示唆した。

台湾は習氏の「誇りの源泉」

習氏にとって台湾が脅威と映る可能性について問われると、トランプ氏は次のように分析した。「台湾は彼(習氏)にとって『誇りの源泉(Source of pride)』だ。彼は台湾が中国の一部だと信じている。それは彼が決めることだが、私は彼に対し『もし侵攻すれば、私は非常に不愉快になる(very unhappy)』とはっきり伝えてある」 その上で、「私は彼がそんなことをするとは思わないし、望んでもいない」と強調した。

「国際法は必要ない」 鮮明になる力による外交

インタビューでは、ベネズエラ、コロンビア、グリーンランド、NATO(北大西洋条約機構)など多岐にわたるテーマが語られた。トランプ氏は終始、率直かつ強気な姿勢を崩さなかった。

● ベネズエラ情勢:「望むなら、米国はベネズエラに留まり、数年にわたり統治することもできる」と発言。

● グリーンランド:米国による購入構想について改めて意欲を示し、「グリーンランドの所有権がなければ満足しない」との認識を示唆。

NATO:欧州諸国の貢献不足を指摘し、「米国がいなければ、NATOは機能しない」と断じた。

特筆すべきは、国際秩序に対するトランプ氏のスタンスだ。彼は「米国の利益と至高の地位(Supremacy)を達成するために、米国の力を行使し続ける」と宣言。「私は国際法や慣習、チェック・アンド・バランス(抑制と均衡)による制限を感じない。私を制約できるのは、私自身の心中にある『個人の道徳』だけだ」と述べ、「私に国際法など必要ない。人を傷つけるつもりはないが」と付け加えた。

NYT紙は、トランプ氏が国家間の利益衝突において「国力(パワー)」こそが決定的な要因であると考えており、歴代の米国大統領は国家権力の行使にあまりに慎重すぎたと見なしている、と分析している。

編集:梅木奈実

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