李忠謙コラム:トランプがマドゥロを拘束すれば、ベネズエラは苦難から抜け出せるのか?

2026年1月3日、米国のトランプ大統領がベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロを拘束したと発表した後、コロンビアの首都ボゴタではベネズエラ人女性が祝賀の声を上げた。(AP通信)

「最終的な結果がどうなろうとも、トランプの新たな世界秩序はすでに現実となった。この秩序には明確なルールがなく、同盟国を尊重せず、弱肉強食を是とし、ほぼ常に金銭を最優先とする。ベネズエラの地下には莫大な富が眠っており、トランプは今、それを掘り起こそうとしている。」

英紙『フィナンシャル・タイムズ』元ワシントン支局長 エドワード・ルース(Edward Luce)

2026年の幕開けとともに、米軍は世界を驚かせる精密な作戦で、ベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロ氏を拘束した。中国とロシアの技術を背景に「南米最強の防空網」と称されてきた神話は完全に崩れ去った(米国側が詳細を公表するまで、作戦の具体的な実行過程はいまだ明らかになっていない)。これにより、中国が米国の「裏庭」から高品質の重質原油を得てきたルートは断たれる可能性が高く、ベネズエラはキューバにとっても重要な石油供給源であることから、その影響は広範に及ぶとみられる。

チャベス(ウゴ・チャベス)とマドゥロという師弟が26年にわたり政権を握る中で、経済、法治、民主主義、人権といった多重の危機に沈んできたベネズエラ国民にとって、今回の出来事は、ノーベル平和賞以上に「実感のある転機」が訪れたかのように映ったのかもしれない。

「絶対的決意作戦」から数時間後、米国大統領ドナルド・トランプ氏はフロリダ州のマール・ア・ラーゴで記者会見を開き、「ベネズエラを接管する」と宣言しただけでなく、米国の大手石油会社に数十億ドル規模の投資を促す経営構想を描き、荒廃したインフラを修復し、「この国で金を稼ぎ始める」と語った。翌日、米国務長官マルコ・ルビオ氏は複数のニュース番組で、「西半球は米国の半球だ」と強調し、敵対的な政権や競争勢力がこの地域に拠点を構えることは許されないと警告した。ここでは国際法の論理よりも、露骨な強権の論理が前面に押し出された。

一方で、ベネズエラの将来についてトランプ氏は、本来なら2024年大統領選挙に勝利していたはずだとされるノーベル平和賞受賞者、マリア・コリナ・マチャド氏について「代表性に欠ける」と述べ、反対派が政権を担う可能性を事実上排除した。世界の戦史に照らしても屈指の「斬首作戦」と言える今回の行動の後に、ベネズエラが迎えたのは、人々が期待した救済ではなく、トランプ氏がいかにして「ドンロー主義(Donroe Doctrine、すなわちドナルド・トランプ版モンロー主義)」を貫徹していくのかという、一連の難題の幕開けだったように見える。 (関連記事: ベネズエラ新政権、5000万バレルを「上納」か トランプ氏「使い道は私が決める」に批判殺到、「帝国主義的」との声も 関連記事をもっと読む

米国は世界最大の産油国になるのか?

トランプ氏が「絶対的決意」作戦後の記者会見で語ったように、「ベネズエラの石油産業は長年にわたり災害そのもの、完全な失敗だった」。南米のこの国は、サウジアラビアをも上回る世界最大級の石油埋蔵量を誇るにもかかわらず、18年前、故ウゴ・チャベス大統領の政権下で、米国およびその他の西側企業の資産を「国有化」した。これこそが、トランプ氏が記者会見やエアフォース・ワンの機内で「彼らは我々の石油、設備、資産を盗んだ」と主張する根拠であり、総額600億ドルに及ぶ賠償請求訴訟へと発展している。

最新ニュース
台湾最強の航空会社はここ!「7-Star PLUS」安全認証を獲得、「世界でわずか3社のみ」の快挙
高雄で最も人気の観光地は「ここ」!交通が便利で、美食が豊富で一日中楽しめると観光客から絶賛
坂本龍一の伝説的ドキュメンタリー『Tokyo Melody』公開記念展、1月10日から西麻布で開催 愛した「納豆そば」の再現も
出入国在留管理庁、2026年度採用に向け業務説明会 空港の制限エリア見学など各地で開催へ
「国際犯罪組織」の首領、ついに逮捕 カンボジア「プリンス・グループ」の会長・陳志氏、手錠姿で中国へ強制送還
「ウクライナ侵攻の予兆に酷似」台湾内政部が警鐘 1949年以来の「最大危機」に直面
ベネズエラを急襲後、トランプ氏「中国が台湾を攻撃するかは習近平次第だが、私が大統領の時は不可能だった」と述べた
ベネズエラ新政権、5000万バレルを「上納」か トランプ氏「使い道は私が決める」に批判殺到、「帝国主義的」との声も
「まるで旧友のよう」台湾・林佳龍外相、石平参院議員と会談 天安門と台湾民主化、異なる道を歩んだ二人の共感
ホテル椿山荘東京、L’OCCITANEとコラボした期間限定「桜ステイプラン」を2月6日より提供
「中国経済は死んだ」という2025年最大の誤算 ブルームバーグ:トランプ関税はなぜ空振りに終わったのか
アパレルブランド「ADDIXY」、漫画『NANA』とコラボレーション 2026年2月6日より予約販売開始
林建甫氏コラム:AIの「もっともらしい嘘」をどう見抜き、解決するか
中国制裁下の石平参院議員が訪台 中国の制裁リスト入りは「勲章」 国台弁の猛反発にも「彼らは論理で勝てない」
「私がいる限り中国は台湾を攻めない」トランプ氏がNYT紙で断言 習氏へ伝えた「警告」の中身とは
【FPCJ 50周年】外国メディアの取材支えて半世紀 記念イヤーに「対外発信」強化へ
中国の戦略核心は「戦わずして勝つ」 沖縄の地位揺さぶる「認知戦」に専門家が警鐘
トランプ氏、66の国際機関から離脱へ 気候変動条約や国連大学も対象に 加速する一国主義
【東京観察】支持率7割、日経平均5万円 「一匹狼」だった高市早苗首相が成し遂げた「逆襲」
台湾老舗ドリンク店「like tea老賴茶棧」が熊本に海外1号店!TSMCの街に台湾の「ソウルフード」が上陸
船越外務次官、中国大使と会談 対日輸出規制に厳重抗議し撤回求める
中国、対日「半導体材料」反ダンピング調査を開始 高市首相の「台湾有事」発言への報復措置か
カンボジアの「闇の帝王」プリンス・グループ会長の陳志氏ついに逮捕、中国へ身柄引き渡し 巨大財閥トップが関与した大規模詐欺の実態
舞台裏》習近平氏との会談は実現するのか?鄭麗文・国民党主席の「自信」に党内から疑問の声
トランプ氏、ベネズエラの次は「北極」か NATOに走る激震、ルビオ氏は「侵攻ではなく買収」と火消し
台湾F-16V事故、元将官が語る「3つの複合要因」とは
四国・足摺岬を舞台に描く喪失と再生、そして生と死の境界線 映画『椰子の高さ』2026年2月6日より全国順次公開決定
「辞める権利なき労働は奴隷だ」外国人材230万人時代の裏側で、移住連代表が新制度「育成就労」に突きつけた「致命的欠陥」
技能実習廃止、新設「育成就労」で何が変わる?政府が123万人受け入れ方針を固める
世界的撮影監督ドゥ・ジエが描く「日本の孤独」 映画『椰子の高さ』予告解禁
上野で「広島ふるさと祭り」1月9日開幕 瀬戸内カキ4万個・直径2mの巨大鍋が登場、先着で無料提供も!
横浜赤レンガ倉庫で冬の恒例イベント『鍋小屋 2026』開催へ エヴァコラボ鍋や初の「鍋総選挙」も
マドゥロ氏、ニューヨークで裁判を受け無罪を主張「私は今もベネズエラ大統領、拉致された戦争捕虜だ」
石平議員、制裁下の台湾入りで「主権」証明 中国の反発に矢板矢板明夫氏「説得力欠く」
米アカデミー賞候補の衝撃作『国家の臓器』、1月22日虎ノ門で特別上映会 北村晴男議員が登壇へ
へずまりゅう氏「SNSで行政動かした」 栃木県立高暴行動画で知事が「絶句」会見、高知東生氏は知事発言に異議
舞台裏》2026年新北市長選、早くも激化する「三つ巴」の攻防 鍵を握る黄国昌氏と民進党・蘇巧慧氏の戦略
日台断交後初、現職外相の訪日が実現 原爆式典参列など「2025日台関係は10の記録を塗り替えた」李駐日代表が報告
中国商務部が対日輸出規制を拡大 「軍民両用物資」輸出禁止 高市早苗首相の「台湾有事」発言に反発か
トランプ氏がマドゥロ氏を拘束、中国も台湾で同様の行動に出るか? 「中国軍には無理」と断じる台湾、沈黙する北京
デルシー・ロドリゲス副大統領が暫定ベネズエラ大統領に就任、中露が即座に祝意 非常事態下、反体制派弾圧の懸念強まる
中国、貨物船をわずか数日で「無人機空母」に改装か 海外メディアが戦力を分析「不安を招くシグナル」
台湾AKB48 Team TP、メンバー2名を相次ぎ解雇 1ヶ月足らずでの連続処分にネットで動揺広がる
謝長廷氏、台湾日本関係協会の会長に就任 「台日を平和と繁栄の共同体に」と抱負
邦画実写No.1記録『国宝』展が銀座で開幕 吉沢亮の密着写真展や劇中再現、17日からは追加グッズも
コンディショニングブランド「TENTIAL」、サッカー指導者の長谷部誠氏とサポート契約を締結
森美術館名誉理事長の森佳子さん死去 85歳
トランプ氏はなぜベネズエラに軍事行動を?マドゥロ氏拘束の背景は 海外メディア分析「米国、ラテンアメリカで中国の影響力抑制へ」
立民・野田代表「媚中派の最高顧問」発言に枝野氏が苦言 「私は親台派」と反論
台湾ビール「SUNMAI」日本進出も価格差で炎上 「本国より安い」批判にCEOが釈明:円安と税制が要因